「信長の忍び~姉川・石山篇~」第53話感想:千鳥ちゃん、半年間、待ち遠しかったぜー!

いやー、待った、待ったよ。ついに続きが始まりましたよ。
まずは3期スタート、バンザイ!!


「信長の忍び」は、ヤングアニマル(白泉社)にて連載中の同名4コママンガ(作:重野なおき)を原作としたショートアニメなのだが、とにかく、戦国ギャグアニメとしての出来が秀逸で、隠れファンも多いはず。2016年10月にスタートし今期が3期ということになるが、これまでの2期(2クールずつ)ですでに52話を放送したということで、ほぼ1年間続いたショートアニメということになる。第2期「伊勢・金ヶ崎篇」が2017年4月~9月に放送されてから、まだ半年しか経っていないのに、ものすごく長く感じられたのは、まさかの「信忍ロス」?


まあそんな「信長の忍び」の3期は、いよいよ、信長の天下統一への道の中でも重要となる「姉川の戦い」そして「石山合戦」が描かれる。歴史ファンなら、もう絶対にマストで見とかないとダメ!なヤツだ。ご存じない方のために、一応このあたりの歴史を軽く説明しておくと、それまで尾張の一武将でしかなかった織田信長だが、有名な「桶狭間の戦い」で駿河の今川義元を破って勢いをつけ、その後、美濃を落として二国の武将となり、この頃から天下統一の野望を抱くようになる。ここまでが大体1期の内容。


その後、近江を平定し、京にのぼった織田信長は、足利義昭を足利幕府の15代将軍に据え、自らはその後ろ盾を受ける形で権力を握っていく。また、その間に、畿内に近い伊勢方面を平定したり、京と美濃をつなぐ近江に攻め込む構えを崩さない越前の朝倉氏を攻めたりするが、逆に、縁戚関係にあった浅井氏の裏切りにあって、命からがら逃げ出すはめになる。このあたりが大体2期の内容。


で、今回の3期は、その浅井・朝倉連合軍との決戦となる「姉川の戦い」がまず描かれる。浅井軍の大将である浅井長政には信長の妹・お市が嫁いでおり、このお市を巡るあれこれのエピソードは戦国時代の中でも有名なものだが、これが「信長の忍び」ではどのように描かれるのか、非常に楽しみである。


とは言っても、「信長の忍び」は、正味わずか3分程度のショートアニメである。しかも、歴史を忠実になぞってはいるものの、基本的には細かいギャグをつなげた作品である。キャラクターも思い切りデフォルメされてコミカルに描かれているし、どのキャラもどこか憎めない部分を持っている。とても戦国とは思えないような笑いに包まれた作品なのだ。しかし、そんなギャグの中にも、しっかりした人間模様が描かれるのが、本作の特徴。今期の序盤は、浅井長政をはじめとする浅井氏の家臣達やお市たちの悲運が、どのように描かれるのか。そして、主役の忍びである千鳥とは、どのように関わっていくのか。非常に気になるところだ。


さて、そんな3期の初回である第53話「沈黙の小谷城」では、決戦を前にした浅井氏の情況が、居城・小谷城を舞台に描かれる。小谷城に籠もる浅井氏の軍勢は五千。しかし、浅井氏の侍は1人で10人を相手にするとも言われており、一気に攻め込むことはできない。そこで織田軍が目を付けたのが、小谷城から姉川を挟んで対岸にある小谷城の支城・横山城だった。


まあストーリーにすれば、これくらいで終わってしまうのだが、ファンとしては、久々に千鳥や助蔵、信長やお市の顔を見られただけで、何となくもううれしいのであるよ。お市は相変わらずの天然ぶりっこっぷりを発揮しているし、娘の茶々(後の淀君)がもうかわいいのなんのって。浅井長政の親バカっぷりもこれじゃあ仕方ない。ちなみにお市と茶々はどっちも三森すずこさんが声を当てているが、子役もなかなかいけるではないか。お、遠藤殿、久々でござったな、元気でごじゃるか? とまあ、こんな感じで、旧友に出会ったような感じで騒いでいるうちに、3分があっという間に過ぎた感じ。

さて、次回「磯野、発進!」では、浅井氏の家臣で武術に長けた磯野員昌(かずまさ)が出陣する模様。目が離せませんな。


(編集部・鎌田)


・第53話「沈黙の小谷城」あらすじ
先の金ヶ崎の戦いで、敵対することとなった織田家と浅井家。浅井軍の兵力は五千と多くはないが、守りに適した山城の小谷城に籠っている。信長は長政を小谷城から引きずり出すために、ある策を打つ!

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