「ゴールデンカムイ」第1話感想:開拓時代の北海道に埋蔵金、そしてかわいいアイヌ娘。ワクワクしっぱなしの30分
明治時代末期の北海道を舞台に、「アイヌから奪われた埋蔵金」を求めて冒険をする……。設定を聞いただけで、誰もがワクワクしてしまうこと間違いなしのTVアニメ「ゴールデンカムイ」。その第1話「ウェンカムイ」の放送が、いよいよスタートしました!
本作の主人公は、「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争帰りの元陸軍兵・杉元佐一。杉元は、戦死した親友・寅次の「妻の梅子の眼病を治してやりたい」という願いをかなえるため、一攫千金を夢見て北海道で砂金採りに明け暮れる日々。そんな折、杉元は現地で出会った酔っぱらいの中年男に、アイヌから奪われた埋蔵金の話を聞かされます。
その男が言うには、「埋蔵金を奪った人物は網走監獄に収監中で、同房になった脱獄囚たちに埋蔵金の在り処を示す刺青を施した」とのこと。詳しい話を聞こうとするも、男は眠ってしまいます。当初は酔っぱらいのヨタ話と思っていた杉元ですが、埋蔵金の話をした男は、酔いが覚めたとたん「しゃべりすぎた」と、いきなり杉元に銃を向けてきます。
絶体絶命のピンチですが、さすがは戦場帰りのツワモノ。銃をつかんで自分の胸に押し当て、「試してみるかい? 俺が不死身かどうか(ニヤリ」と不敵な杉元。そんな杉元の気迫に気圧された男の隙を突いて銃を取り戻し、形勢は一気に逆転。勝ち目がないと悟った男は、森へと逃げていきます。その後姿を眺めながら、杉元はポツリとつぶやきます。「何だよ……さっきのヨタ話が急に真実味を帯びてきたじゃねえか!」。いやあ、見ているこっちまでワクワクしてきましたよ!
「放っておけば、また俺を殺しに戻ってくるかもしれない」と、逃げた男を追って森へと向かう杉元。しかし、そこには雪に埋もれた男の姿が! 「待ってろ、今引っ張り出してやる」と、雪を掘り始める杉元。昨日の敵は今日の友というか、さっきの敵は今の友というか……漢気あふれすぎでしょう杉元さん(*´ω`*)カコイイ
なんとか雪から引っ張り出したものの、男はすでに絶命。杉元から逃げている途中にヒグマに襲われ、食べ残しとして埋められていたようです。「首が折れてる。悲鳴をあげる間もなく殺されたか…ツイてないなアンタも」と、男の死体を調べる杉元の目に、奇妙な入れ墨が飛び込んできます! そう、酔っぱらいの中年男こそが「埋蔵金の在り処を示す刺青が施された脱獄囚」のひとりだったのです。
「アイヌの埋蔵金は実在するッ!」、そう確信した杉元は、ヒグマから埋蔵金の手がかりである男の死体(食べ残し)を守るため場所を移動します。が、折り悪くヒグマの母親に遭遇。銃で応戦しようとする杉元ですが、背負った死体の足にライフルのスリング(肩紐)が引っかかってしまい、本日2度目の絶体絶命のピンチ! さすがの杉元も「食われるッ!」と覚悟を決めた瞬間、どこからか放たれた一条の矢がヒグマに命中。杉元の窮地を救ってくれたのは、ひとりのアイヌの少女でした。
窮地を救われた杉元は、これまでの状況をアイヌの少女に説明しますが、「冬ごもりの穴から出たばかりのクマは、胃が縮んでいるからすぐに食えない。子どもを守るために人間を襲ったとしても、肉まで食わない」とのこと。つまり男を襲ったのは別のヒグマ。「マタカリプ」(冬に徘徊するもの)と呼ばれる、冬ごもりしそこなって気が荒い危険なクマだったようです。
杉元は男の死体を近くの村まで運ぼうとするも、「マタカリプ」は獲物を奪われたらどこまでも追いかけてくるとのこと。しかし埋蔵金の手がかりを手放したくない杉元は、「面白い話があるんだ」とアイヌの埋蔵金のことを明かします。突拍子もない話だけに、信じてもらえないと思っていた杉元ですが、アイヌの少女は「信じる」と即答。「殺されたアイヌの中には私の父親もいた」と言うのです。
男の死体を囮にしてヒグマを待ち伏せすることにしたふたりですが、気がゆるんだ瞬間にヒグマに不意を突かれた杉元。果敢に正拳突き(!?)で立ち向かうも、まるで効果なし。アイヌの少女のアドバイスでクマの腹にしがみついた杉元は、手持ちのナイフで手傷を負わせ、最後はのしかかってきたヒグマをライフルの銃剣で迎え撃ち、見事撃退に成功! 「アイヌの猟師がやる、ヒグマの体重を利用した危険で捨て身の戦い方」らしいですが、数百kgはありそうなヒグマの下敷きになって大丈夫なんですかね……(;・∀・)
埋蔵金を奪った男に父親を殺されたというその少女は、アシ(リ)パと名乗ります。杉元は、アシ(リ)パに手を組んで金塊を見つけようと提案しますが、「アイヌは人を殺したクマの肉は食わない。悪いことをしたクマは悪い神となってテイネポクナモシリという地獄に送られる。私も人を殺したくない」と答えるアシ(リ)パ。そんな返事に「人を殺せば地獄行きだと? それなら俺は特等席だ!」と笑みを浮かべる杉元。
「この入れ墨を持つおっさんが隠れて生きていたということは、まだ金塊は見つかってない可能性が高い。アシ(リ)パさん、おそらくアンタの父親を殺した男は、まだ監獄の中で生きているぞ。役人も金塊が発見されるまで、死刑は執行したくないはずだ。だが、埋蔵金が誰かによって見つかったその瞬間、その男の利用価値はなくなる。金塊を見つけることがアンタの父親の敵討ちになるんだよ」とアシ(リ)パを説得。
さらに「アシ(リ)パさん、アンタもそう思ったから俺に手を貸したんだろ? 手を汚すのは俺がやる。アシ(リ)パさんは知恵だけ貸してくれ。俺は金で、アシ(リ)パさんは親の仇。目的は違えど道は同じ。ふたりで手を組めば鬼に金棒だ!」とたたみかけ、ふたりのアイヌの埋蔵金をめぐる冒険が始まるのでした。
開拓時代の北海道に埋蔵金、そしてかわいいアイヌ娘と、冒頭からワクワクしっぱなしの第1話「ウェンカムイ」。原作でも説明やセリフの多い第1話ということもあり、ややシリアス気味&説明的な印象はありますが、つかみはバッチリ! 今後登場する個性的なキャラクターたちや、表情豊かなアシ(リ)パさんの顔芸(!)、そして食欲をかき立てられるアイヌ料理(!?)の映像化に期待が高まります。第2話が待ち遠しいですね!
(編集部・S)
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