久野美咲「上から下から出られて、いい経験!」の意味とは!? 裏話続出で大注目の「ひそねとまそたん」放送前夜祭レポート!

2018年4月11日、放送を翌日に控えた「ひそねとまそたん」の放送前夜祭が、新宿ピカデリーにて開催。当日は、本編第1話、第2話の先行上映のほか、トークステージに樋口真嗣総監督、甘粕ひそね役の久野美咲さん、貝崎名緒役の黒沢ともよさん、OPテーマを歌う福本莉子さんが登壇した。


放送日前日の開催となるこのイベントには、1日でも本作を見たい! という熱いファンが多数集結。満員御礼の中、上映はスタートした。

上映中は、コミカルなひそねの言動や名緒のリアクションに笑いが起こったほか、まそたんの巨体の迫力など、観客たちが息を呑むシーンが多数。あっという間の上映後は、万雷の拍手が会場を揺らした。

そんな中、満を持して樋口総監督、久野さん、黒沢さん、福本さんが登壇。第1話、第2話を振り返ってのトークが披露された。

鑑賞後の温かなリアクションを目の当たりにした樋口総監督は、「ここにいる皆で作り上げ、それを皆に受け入れられて……。ひそねが嫌われたらどうしようと思ってた」とほっとひと安心。久野さんも「(ひそねは)本当に変わった子。皆さんがどう思うのか」と、実は不安に思っていたことを明かしたほか、「上から下から出られて、いい経験」と語り会場の笑いを誘った。この言葉の意味するところは本編を見て、確かめていただきたい。


また、本作はプレスコ(先に音声を収録してから、作画作業に入る手法)で制作されているため、セリフの収録時は映像を見ることがなかったということで、黒沢さんは「背景がきれい。説得力の強さに感動した」と、初めて見る美しい映像が印象的だったとコメント。福本さんも、「初めてまそたんに乗ったシーン(が印象的)。景色が広がるシーンに感動した」と語り、その映像美を称えた。



「この人たちなら」総監督が信頼を寄せるキャスト陣

トークは引き続き、樋口総監督からキャストに対してどんなディレクションがあったのか、という話題に。

「ひそねは変わっている子」と司会者がコメントすると、それは聞き捨てならなかった総監督は「すごく魅力的な子」「『オネアミスの翼』のヒロイン、『ふしぎの海のナディア』のナディア、『エヴァンゲリオン』のアスカ。大体自分の携わったアニメに出てくる女の子はこういう感じ。性格のコントラストがないと」と反論。

熱弁する総監督に、久野さんが「ひそねは監督のタイプですか?」と突っ込むと、「理想かな。こういう人が人生を面白くする」とちょっぴりはにかみつつ答えた。

いっぽう、黒沢さんは自身の演じる奈緒について、「大人になっていく過程の女の子。その不安定さが魅力」と語り、心情のシンクロ率も高いことを明かした。

そんな魅力的なキャスト陣について、樋口総監督は「この人たちなら、とんでもないことをやってくれる」と全幅の信頼を寄せている様子だった。


本作ならではのキャラクターとして、自衛隊基地に隠されているドラゴン「まそたん」があげられる。その発想は、樋口総監督は「(自衛隊基地を取材していると、)あっちを撮っちゃいけないという場所がある。そこにはなぜかポツンと格納庫があったりする。すると、そこに何がいるんだろう。もしかしたら俺たちが見たらいけない何かが隠してあるのでは。大きな生物いっぴきくらい入るのでは」という妄想から生まれたことが明かされた。

そういったアイデア群を、飲みの席でシリーズ構成の岡田麿里さんに語ったところ、「それだ!」という反応をもらったそうだ。



初のフランス語に四苦八苦……主題歌収録裏話


本作を彩るOPテーマ「少女はあの空を渡る」を歌う福本莉子さんも、楽曲について語ってくれた。

本作の主題歌で歌手デビューを果たす福本さんは、監督から「何色もついていない声が欲しい」という希望のもと抜擢されたそうで、レコーディング前にボイストレーニングすら禁止していたという。

また、作曲を手がけた岩崎太整さんより、「“がんばりました”というメールとともにデモ曲が来た」と最初にデモ曲を聴いた時のエピソードを語る樋口総監督。そのデモ曲をアフレコスタジオへの移動中に聴いたら、あまりにも素直すぎる曲で思わず泣いてしまったらしく、楽曲の仕上がりには大満足の様子だ。

EDテーマはフランス・ギャルのカバー曲「Le temps de la rentrée(ル・トン・ドゥ・ラ・ロントレ)〜恋の家路(新学期)〜」ということで、歌唱を担当した久野さんと黒沢さんは、初めてのフランス語歌詞に四苦八苦したそうだ。

「本当に難しくて、震えながら(レコーディングに)行った」(久野)、「カタカナで歌詞を書いてもらったけど、逆にカタカナがゲシュタルト崩壊した。だから適当なひらがなと漢字を組み合わせた歌詞を書いて、それを見ながら歌った」(黒沢)と、その苦労を語った。

ちなみに樋口総監督によると、第2話以降、EDテーマは全部別バージョンになるとのこと。キャラクターの関係性や心情、また新キャラクターの追加などでボーカル人数やミックスを変えているそうなので、そちらもしっかり聴き逃さないようにしたい。


最後に、「ひそねを演じて、自分がやりたいことと求められるものが一致した。声優冥利につきます」(久野)、「現場がワクワクに包まれている。みんな、真剣に悪ふざけをしています」(黒沢)と本作に対する意気込みを語るキャスト陣だが、樋口総監督は会場を見渡しつつ「何も知らない皆さんの顔を見てると、ニヤニヤする。(この先の展開は)俺たちしか知らないんだ」と今後が気になるひと言を発した。

その真意は果たして……。これはもう本編を見て確かめるしかない!

「ひそねとまそたん」は、4月12日にTOKYO MX、BSフジにて24時から、岐阜放送にて24:45から、そして4月13日よりNetflixで放送・配信開始だ。

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