「見ちゃいけない」は、見たくなる! 早見青児役・浅沼晋太郎が語る「Cutie Honey Universe」の魅力!

4月からスタートするTVアニメ「Cutie Honey Universe」。今回のキューティーハニーは七変化する!ということで大きな話題になっている。そんなハニーを事件面で支えるよき理解者・早見青児役を担当するのは浅沼晋太郎さん。彼に「Cutie Honey Universe」の見どころや、青児というキャラクターについて話をうかがった。


「見ちゃいけないんじゃないか」は、見たくなりますから

──出演が決まった時のお気持ちは?

浅沼晋太郎(以下、浅沼) もともと永井豪先生の作品では「マジンカイザーSKL」の海動剣を演じさせていただき、そのあとに劇場版「サイボーグ009vsデビルマン」でデビルマン/不動明を演じさせていただきました。今回、また永井先生の代表作のひとつである「キューティーハニー」にも関わることができるんだという嬉しさが一番にありましたね。

──永井豪50周年記念アニメ化作品のひとつであるというプレッシャーや重みはありましたか?

浅沼 「DEVILMAN crybaby」、「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」があって、それを締めくくるのが「Cutie Honey Universe」ということを聞いていたので、ちょっと身が引き締まるものはありました。

──「キューティーハニー」はこれまで何度も映像化されていますが、どういう印象がありますか?

浅沼 変身したり、主題歌(※前川陽子「キューティーハニー」)の印象がありますけど、やっぱり子供の時には、「見ちゃいけないもの」っていう意識があったと思うんですよね。女の子って特に変身願望が強いと思っていて、コスプレイヤーさんって女性のほうが多いイメージがありますし、女の子は3~4歳からお姫様のドレスを着たがるし、着せ替えも好きだし。そういうツボを押さえているんだなとは思いました。もちろん男性にも変身願望はあって、それが特撮ヒーローだったりするんですけど。ただ、かわいく変身する、かわいいものになるっていう女の子の願望を押さえているところが、長く愛されている秘訣なのかなと。そこが一番の魅力だと思いますね。そりゃあ歌詞に「かわるわよ!」って入りますよね(笑)。


──先ほど、これまでも永井先生の作品に出演されていたという話がありましたが、関わった3作品に共通する永井作品の魅力ってありますか?

浅沼 セクシーさというのは必ずどこかにあって、いわゆる子供向けに作られているように見せかけたところに、すごく色気を感じる部分があるんですよね。「デビルマン」だったら敵キャラがセクシーだったり、ピカレスク・ロマンというか、悪の妖艶さがあったり。「マジンガーZ」もセクシーなロボットが出てきますよね(笑)。そういうところが永井先生の魅力であり、「永井節」でもあるのかなと思っています。そして、気を抜くとハッとさせるようなバイオレンスが突然飛び込んでくる。今回の「Cutie Honey Universe」も、わりと「こんな倒し方をしますか!」的なサプライズもあるんです。そこが永井先生らしさだと思いました。

──先程の「子供が見ちゃいけないもの」という話にも繋がりますね。

浅沼 お色気という意味と暴力的というところでの「見ちゃいけないんじゃないか」っていう意識ですよね。

──きっとそのバランスが絶妙なんでしょうね。

浅沼 そうですね。だって、「見ちゃいけないんじゃないか」は、見たくなりますから。

──浅沼さんが思う、「Cutie Honey Universe」の見どころは?

浅沼 それはどこでも言われていることかもしれないんですけど、今回のハニーは変身するたびに声が変わるというのが、今までになかった部分。そこはもちろん注目していただきたいんですが、敵キャラも豪華なんです(笑)。

──ゲスト声優さんがという意味ですか?

浅沼 はい。「えっ!! この人が?」っていうゲストが続々出てきます。「Cutie Honey Universe」は完全に女の世界という感じなので、敵も女性ばかりなんです。だから女性声優さんに詳しい方にはたまらないんじゃないかなって思います。あと、これはどこまで若い世代に伝わるかわからないんですけど、そこはかとない昭和感がいたるところににじみ出ているんですよ。たとえばスケバンチームが出てきたり、「そのビジュアル?」っていう昭和感丸出しのキャラクターがいたり、言い回しも昭和っぽかったりして、僕ら世代の方はそこも面白いんじゃないかなって思います。



パンサークローの怪人は、どこか憎めない!

──浅沼さんが演じている早見青児についてもうかがいたいのですが、どんなキャラクターですか?

浅沼 ハニーと一緒に戦っている立場の青年で、ハニーを支えようとするけど、彼女は自分で何でもできちゃうスーパーガールなので、相対的にどこか頼りない部分があります。熱血漢で大声で叫ぶタイプの人間なんですけど、演技をするうえで、ハニーより前に出ないように意識をしています。

また、美しいもの、かわいいもの、自分が愛しているものは俺が守らなきゃ!っていう、男が持つべき感情が頼りないながらもあるので、そこは出していこうと思って演じています。ただ如月猛博士役が、以前の作品で青児を演じていた森功至さんなので、その前で青児を演じるという恐ろしさを鑑みていただきたいなと(笑)。

──(笑)。お芝居でのかけ合いの部分はいかがでしたか?

浅沼 ほとんどの方が共演させていただいたことがある方々なので、特別これというのはないんですが、気をつけなきゃいけないなと思っているのは、ハニーの姿が変わって声優さんが変わると、こっちも構えちゃうところです。別のキャラクターとして接したくなっちゃうんですけど、青児としてはみんなハニーなんだって思うようにしてます。もちろん作戦上、ハニーではないと思わせなくてはいけないところは距離感を出しますけど、心持ちは変わらず。

あと、僕も台本をもらっている分までしか展開を知らないんですけど、ある重要人物の秘密に青児がいつ気づくんだろうと思っています。たとえば「?」って顔をしているけど、これは果たして気づいている「?」なのか、それともわかってない「?」なのかとか。それがどっちなのかは考えますね。堀江さんが演じている秋夏子や青児は、視聴者の目線にどれだけなれるかという役。ハニーの一番近くにいる一般人代表みたいな感じなので、そこのさじ加減は大事にしています。

──今回の如月ハニーは坂本真綾さんが担当されていますが、浅沼さんから見た今回のハニーはどうですか?

浅沼 本人は「私、セクシーじゃないから」とか「かわいくできるかな」って言うんですけど、ブースの中のすべてが納得の芝居だと思って見ています。セクシーな敵キャラを演じてる方がハニーのセリフを読んだりすると「私よりセクシーだからやめて」みたいなことを冗談で言うんですけど、ハニーの魅力って、単に“かわいい”とか“セクシー”なだけじゃなくて、凛としている部分だと思うんですよ。だから真綾さんはピッタリだなって思いますね。

──アフレコ現場の雰囲気はいかがですか? 

浅沼 みんな笑っていますね。「何だこの展開!」みたいな(笑)。ストーリーというより、「誰々がひどいよね」とか。セリフで面白い言い回しとかがあると、「これすごい昭和だね」みたいな感じで笑っています。どこかのシーンで、数を数えるときに「ひい、ふう、みい」って言うんですよ。「昭和の数え方!」って、みんなで笑ってたり。

あとタレコミみたいになってしまうんですけど、女性が多いのでお菓子の差し入れが結構あるんです。男性は3~4人しかいないので、女性から食べてくださいって言うと、率先して堀江由衣さんがお菓子を仕切る係になって、「○味と○味がありますよ!」って。お菓子奉行ですよね。「みんなでいっせいに味を言ってみます?」って、お菓子を配るのを急にゲーム化したりします(笑)。

──ムードメーカーなんですね。堀江さんのインタビューでは、堀江さんが坂本真綾さんの大ファンだという話で盛り上がったのですが、お2人を見ていてどうですか?

浅沼 1話から2人のからみが面白かったんですよね。「何だこれ?」みたいな展開で。アフレコでもいつも隣に座っていて、とても楽しそうです。


──映像面で楽しそうなところはどこだと思いますか?

浅沼 楽しそうというか、セクシーレベルにとどまらないシーンが割とあるんですよ。それは原作にもあったシーンらしいんですが、「これ、大丈夫?」っていうのものがあって、ドキドキさせられます。現場で「これ、まずくない?」って女性陣も言ってたりするので……、そこは男性陣が肩身が狭くなるところですね(笑)。

あと、やっぱりシュールなんですよね。「なぜそこで変身した?」みたいな。(謎の秘密結社)パンサークローの怪人もシュールなんです。大人になってから変身ヒーローものを見ると、「なぜヒーローが変身している間、怪人が待っててくれてるんだ!」みたいなのがあるじゃないですか。その感じなんですよ。しかも敵キャラがどこか憎めない。もちろん青児としては平和を守る立場なので、「にっくき!」という感じで演じてますけど、個人としてパンサークローの怪人には、どこかかわいらしさを感じちゃいますね。

──ちなみにハニーの声が変わるというのは、斬新な感じがしますか?

浅沼 1話ではハリケーンハニーとして内田真礼ちゃんが出てくるんですけど、本当にリアクションくらいで、セリフとしてはほぼ声を発してないんです。「これ、気づく?」って(笑)。本人すら「私だってわかるかな?」って言ってましたからね。「まさかこれで終わりじゃないですよね?」って言いながら帰っていきましたけど、それ以降も無事に出てました(笑)。なので、どこでどのハニーになるのかは楽しみだし、見どころのひとつになるかもしれませんね。「この人がこのハニーなんだ!」っていう意外性もあると思います。

──では最後に、楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

浅沼 こうした形で、ふたたび永井先生の作品に携われて光栄です。「Cutie Honey Universe」は7つどころじゃなく注目するポイントがいくつもあります。かわいかったりきれいだったり、いろんなタイプの女性が出てくるので、そういった意味でも見どころたくさんの作品だと思います。ご自身なりの楽しみ方を見つけて、楽しんでいただけたら幸いです。



(取材・文/塚越淳一)

おすすめ記事