「ヲタクに恋は難しい」1話感想 ヲタクなのは男だけじゃなくて男女両方だったのか!
「隠れ腐女子のOL・成海(なるみ)と、重度のゲームヲタク・宏嵩(ひろたか)。そんな2人の恋愛は、ヲタクなら思わずクスッとする笑いあり、そうじゃない人もキュンキュンするシチュエーションあり。 ヲタクの恋愛をポジティブに描写した新しいタイプのラブコメ。」という本作。
オタクを題材にして実写やアニメ化がされた作品といえば、まず浮かぶのは「電車男」だろうか。2ちゃんねるへの書き込みが元になった実話ラブストーリーだ。山田孝之さんと中谷美紀さん主演で映画化されたり、伊藤淳史さんと伊東美咲さん主演でドラマ化もされており、オタクのイメージアップに貢献した作品ではないだろうか。
しかし、本が発行されたのは2004年、映画化・ドラマ化されたのは2005年というから、もはやこの頃のオタクのイメージは本作においては古いのだろうか。
主人公の桃瀬成海は、「マンガ・乙女ゲー・アイドルなど、好きなジャンルが多いオールラウンダー系腐女子。職場では全力で一般人を取り繕っており、ヲタバレを何よりも恐れている。」(公式サイト抜粋)という、「ヲタク」。
タイトルからして男子のほうが主人公だと思ったら違うらしい。
そして、女性主人公のこの成海、始まってしばらくはわからなかったのだが、いわゆる腐女子的要素もありの様子。
それならば、ヒロインが腐女子ということだったので、どちらかというと小島アジコさんの「となりの801ちゃん」や、タイトルにまんま「腐女子」を押し出してもいる「腐女子彼女。」などのほうが、「電車男」のイメージよりは本作に近い物語なのだろうかと思いつつ、原作未読のまま視聴している筆者である。
物語はそんな成海が、転勤した会社への出社初日から始まる。
いきなり寝坊して遅刻しそうになり、駆け込み乗車(※危ないのでやめましょう)して飛び乗った電車で目にした広告のアニメ絵の女子に癒される成海。
冒頭からはさほど腐女子らしい言動は見えてこない。
そしてオープニングへと移るのだが、筆者はここで全力のツッコミを入れていた。
「何故メインの女性キャラクターは2人とも黒(または濃い茶の)タイツなのか!!」と。
後に登場する成海の上司、「小柳花子」も黒タイツだし、きれいなオネェサンが2人とも色の濃いタイツって……。2人ともかわいいのになんでだよ。
そして本編が始まり、その件の上司・小柳さんが登場。
声は僕らの沢城みゆきさんである。
もうその声がすでに「この上司、デキる!」感を醸し出しているのだが、主人公の成海が見ているのはそんな小柳さんのおっぱいである。
「おっぱいおっきいー」
気持ちはわかるし、女性だからギリギリ許されるけど、それ男がやったらアウトだからな!
うらやましい限りである。
そんなクール美人でおっぱいの大きい小柳さんに社内を案内されているところで、この物語の最初の事件が起こる。
そう、成海のヲタバレである。
社内を案内してもらっている最中、たまたますれ違った男性社員2人、そのうちのひとりが成海の幼馴染の「二藤宏嵩」くんだったのである。
知り合いとすれ違って思わず声をかけてしまったのはドジだったが、そこはすばやく今後の算段を脳内で進める成海。さすがこれまでヲタバレをよしとせずに生きてきただけのことはある。
しかし、とにもかくにも余計なことは言うなと釘を差そうとしたその瞬間、返って来たのは、「今度の夏コミどうするんだ」的な、聞く人が聞いたら速攻ヲタバレするような用語だったからさあ大変。
まさに血相を変える成海であった。
しかしその場にいた男性上司も小柳さんも、その言葉に気付かなかったのかなんなのか、(その理由は後ほど明らかになる)さらっと流してくれたようで、場面はあっさり就業後、共に居酒屋に並んで酒を飲んでいる宏嵩と成海に切り替わる。
何故かカウンター席で、ゲーム機を握る2人。
どうやらモンハン(らしき狩りゲー)をプレイ中の模様だ。
この時点で声を大にして突っ込みたいことがひとつ。
一緒に狩りに行くような仲なら、「お前の会社に入るけど、ヲタバレぜってぇしたくないからバラすようなことすんなよ!?」くらいの脅しとかしておかないもんですかね。
ヲタクの幼馴染と同じ会社に入ったことなんて当然あるわけのない筆者にはその辺の事情がさっぱり理解できなかったが、その居酒屋にて一応改めて釘を刺すことに成功した(?)成海。
そもそも転職した理由が、前の会社で付き合っていた彼氏にヲタバレしてしまい、いづらくなったからやめた、とからしく、そんな理由で辞めて転職って、宏嵩くんじゃなくても「振られたくらいで転職する気力があればなんでもできる」と思うだろう。
そして「理解あるやつと付き合えばいい」という宏嵩くんの言葉に「理解あるってことはそいつもヲタじゃん、ヲタクはキモイから嫌だ!」と一蹴する主人公。
自分のことは棚上げというか、棚に上げるために見た目とかにはきっと気を遣っているんだろうけれども、ヲタクってそこまで考えて生きなきゃいけないのか、大変なんだなと思わずにいられない。
そして、その発言を聞いた宏嵩くんの顔が、なんともいえない表情をしているような気がするのだが気のせいだろうか。と思ったら、その後のシーンでもやっぱり微妙な顔をしていて、あー、これはなるほどという展開。
物語はその後、小柳さんに対し、多分同じくヲタクなのではないかと勘繰った成海があの手この手を駆使して小柳さんの正体をつかもうとする展開に。
スマホの画面を背後からこっそり盗み見るという犯罪一歩手前の手段を駆使し、小柳さんの正体をつかむことに成功した成海。
なんと彼女はカリスマレイヤーだったのだ!!!!!!!
そして、成海の作った同人誌を買いに来たこともあるという。
当時のペンネームを連呼する小柳さんに「その名は捨てた!」と思いつつも、途端に仲良くなった2人。
この2人のその後も気になるところだが、しかしこの主人公、前の会社辞めてから割とすぐ転職できているようなのだが、コピー機の使い方がわからずに200枚失敗するって……コピー機の使い方も知らずに転職できるって、前の会社でどんな業務担当してたんだよ、お前。
そして今日も成海と宏嵩くんは居酒屋に。
なにやら成海から相談がある、と誘われたらしい宏嵩くん。
てっきり小柳先輩がカリスマレイヤーだったことの報告会なのかと思ったら、単に素材集めを手伝えという、ただのゲームのお助け要請だったらしい。
過去の恋愛を振り返る成海に、宏嵩くんからの「乙女ゲーの分岐は間違えないのにな」というありがたいお言葉。
しかしその言葉に全力で「それな!」と返す成海の顔が、ホントに酷い。
そして、それでも恋をしたいと嘆く成海への宏嵩くんのひと言がここで炸裂。
筆者的、第2の事件である。
「じゃあ俺でいいじゃん」
え?
そのセリフって最終回のほうで出てくるやつじゃないんですか。
てっきりそのセリフを告げて、改めて宏嵩くんの今までの言動が全て自分を好きだというアピールだったということに気付いた主人公が、その言葉に赤面して「え?」ってなる話かと思っていたのに、1話にしてそのセリフ来ちゃう!?という大どんでん返し(筆者的には)が起こったわけである。
ゲームの素材集めもレベル上げも、来週のイベントの売り子もやってやるし、ヲタクだからって馬鹿にしたりしないしと、確かにそれ満点だろっていうアピールで畳み掛ける宏嵩くん。
かくして2人は付き合うことと相成ったのであった、的な終わりを迎えた第1話。
そもそもの予想(オタク男子が主人公で、なかなか恋愛ができないというストーリー)とはまったく違う物語が展開されたうえ、1話にしてあっさりとくっついてしまったヲタクカップルの成海と宏嵩くん。
2話以降はいったい何が描かれるのか。
その他のキャラクターたちの恋愛も描かれるのか?
原作を知らないがゆえのワクワクを胸に、2話の放送を待とうと思う。
【第1話「成海と宏嵩の再会。そして…」あらすじ】
失恋をきっかけに、転職を決めた桃瀬成海(隠れ腐女子)。
転職先で、かつての幼馴染である二藤宏嵩(重度のゲーヲタ)と偶然再会する。
宏嵩のことをヲタク友達と言う成海に対し、宏嵩は何か言いたげな様子で。
(編集部・U)
(C)ふじた・一迅社/「ヲタ恋」製作委員会
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