「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」第1話感想 今夜もトリアエズナマを飲みながら……

「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」(以下、のぶ)は、最近流行りの異世界ものと食を題材とした作品だ。京都の寂れた通りに「居酒屋のぶ」を構えているが、店の正面入口が中世ヨーロッパ風な異世界の街・古都アイテーリアとなぜか繋がってしまっている。店を切り盛りする大将の矢澤信之と給仕の千家しのぶの2人は、そんな異世界の住人を相手に店を営業している。

「のぶ」には、衛兵、職人、商人、貴族など、さまざまな職業の人たちがやってきては、うまい酒と肴でその日の疲れを癒やす……あたかも日本のサラリーマンが居酒屋で飲んでいるのと同じような光景が描かれる。

第1話は、衛兵のニコラウスとハンスの2人が給料日に「のぶ」に訪れる。壁に貼られている日本語のメニューをもちろん彼らは読めないが、以前訪れていたニコラウスは、居酒屋に行ったことのあるサラリーマンなら1度は言ったことがある「トリアエズナマ(生ビール)」を注文。彼らが生ビールを飲んでいる様子からは、声優さんの演技と相まって見ているこちらも喉を潤したくなる衝動に駆られる。

今回のメインディッシュは「おでん」。おでんは関東風と関西風でかなり違いがあるが、のぶは京都のお店なのでやはり関西風。
異世界とはいえ、同じ食材もあるようで、おでんの具に入っていたじゃがいも(カルトッフェル)をハンスは食べ飽きているようだったが、タイショーからすすめられた、和辛子をつけることで、じゃがいもの新たなおいしさに気付かされる。ちなみに筆者もおでんに和辛子は欠かせない派。そしていつの間にかニコラウスが飲んでいる熱燗もよくおでんに合うが、つい飲み過ぎてしまうのが難点と言える。


アニメは約10分と少々短いものの、料理研究家のきじまりゅうたさんが本編に登場した料理をアレンジし実際に作る後半パート「のぶ+PLUS」がその後に放送される。きじまさんによる料理のポイントの解説もあるので、素人でも簡単に作れそう(?)で、じつにおいしそうなメニューになっているので、こちらも必見だ。

最後のエンディングでは、今年でバンド結成20年のクラムボンが歌う「Prosit!」が、第1話のダイジェスト映像と今後登場すると思われるメニューとともに流れる。ちなみに本作の音楽は同じクラムボンのミトさんが担当しており、クラムボンファンにはたまらない構成といえるだろう。また、エンディングのスタッフのクレジットを見たところ、料理デザイン・料理総作画監督、食事シーン監修など、料理シーンに関わっているスタッフがかなり多く見受けられ、料理の作画にもかなり気合が入っていることがわかった。なお今回の第1話に登場した声優さんは、杉田智和さん(矢澤信之)、三森すずこさん(千家しのぶ)、阿部敦さん(ハンス)、森久保祥太郎さん(ニコラウス)と豪華な顔ぶれで、今後登場するキャラクターのキャストにも期待ができそうだ。

これから「のぶ」をご覧になるという方には、ぜひお酒とつまみを用意し、飲み過ぎない程度にのんびりと視聴していただきたい。

(編集部 よなよなハンター)

(C) 異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~製作委員会

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