「ひそねとまそたん」第2話感想:新たな発見が好奇心を刺激する! 今回も面白かった!!

冒頭から特殊衣服開発担当次長の幾嶋博己が登場。タクシーの運ちゃんとのやり取りがとても昭和くさいのだが、あまりにも諏訪部順一さんの声がハマりすぎてて、思わず笑ってしまう。「ヒップ86cm」の言い方は最高すぎた……。また飛行シーンをはじめBGMがやたらとカッコいいし、財投豊のひそねに対する「食指が動かない」発言も濃すぎるし、アバンでどれだけの引っかかりを入れてくるんだと思ったが、オープニングが映画のような壮大さでジーンと来てしまった。歌う福本莉子さんの純粋な声もよかったし、昔のアニメっぽくクレジットの字が大きかったのもいい。


ヤンキーだけど実は乙女という貝崎名緒の魅力がかなり出ていた2話だが、それに反比例するように甘粕ひそねのヤバさも際立っていた。1話では発言することを我慢していた(みたいだ)が、もはやそんな遠慮をしてない2話では、考えてることがだだ漏れしている。で、「私はそこまでDパイになりたいわけではない」という軽い発言で貝崎やOTF(ドラゴン)を傷つけたあげく、反省していることも全部口に出して貝崎に聞かれているという天然ぶりに、普通ならイライラするはずなのだが、なぜかめちゃくちゃ面白い! これは脚本の面白さはもとより、絵の力と声の演技の力が大きいだろう。脚本の魅力を120%いかす絶妙なバランス。この絵でなければ、この声でなければダメだと思えるアニメは強い。

そんな我が道を突っ走る、ぶっ飛んだひそねの裏で、貝崎と柿保2等空佐のドラマもしっかり展開。ひそねへの妨害行為を咎められ盗んだバイクで飛び出した貝崎を、ひそねとOTFが探すことに。そこで先ほどの自分の中途半端な発言が、貝崎だけでなくOTFも傷つけていたことに気づいたひそねが素直に謝ると、OTFはちゃんと許してくれる。このあたり、OTFは言葉も全部理解しているんだなという感じ。ひそねはひそねで基本的に「本音と建前」という考えが全然ないので、何を考えているのかわからないと思われがちな日本人に一石を投じるような、新しいタイプの主人公だなと思った。裏表がないところがいっそ清々しい。だからこそOTFが彼女を受け入れた……かどうかはわからないが(そもそも適性テストの結果がよかったと1話で言ってたし)。それにしても、ドラゴンに食べられる描写が毎回やたらと迫力があるのはなぜなんだろう(笑)。


そして、あっさり崖から落ちて怪我をしている貝崎を見つけて保護。そのときにOTFの中で、「まそたん(間租譚?)」という文字を見つけて、OTFをまそたんと呼ぶようになるひそね。で、「真名を呼ぶとはやはり……彼女こそ選ばれし巫女」(キラーン)と曽々田司令の意味深発言で次回へ続く! 


……と思ったら、エンディングが60年代のフレンチポップスのカバーという驚き。フランス・ギャルの「le temps de la rentrée~恋の家路(新学期)~」をひそねと名緒が歌っているのだが、よく歌えたね!と。絵のタッチも動きもかわいいし、それぞれの下ろした髪型まで見られるというのは嬉しかった。アニメを見たときに何かしらの発見というか、好奇心につながるものが含まれてると、見ている時間がとても有意義に感じるもので、オープニングとエンディングテーマというのは、そういう発見が起きやすいと思っている。たとえば「新世紀エヴァンゲリオン」の「Fly Me To The Moon」もそうだった。そういう意味で、「ひそねとまそたん」は、いろんな好奇心を刺激してくれるアニメと言えるだろう。2話も面白かった!


(文/塚越淳一)

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