今期のイチオシアニソンは人の温もりを感じる、グルーヴィーな楽曲たち! DJ・出口博之の「いいから黙ってアニソン聴け! in 2018春」

全国1千万人のアニメファンの皆様こんにちは。流浪のベーシストであり、アニメソング・特撮楽曲中心のDJ・出口博之です。
毎クールのアニメ作品が出揃う頃に、どこからともなくやってくる主観がすぎるコラムこと「いいから黙ってアニソン聴け!」。当コラム、今回で連載開始からちょうど一年となります。ありがとうございます! これもひとえに皆様と、あまねくすべてのアニメ作品、そしてアニメソングのおかげであります。二年目ということは、昨年の同じ時期のアニメ作品とアニメソングをバックナンバーで簡単に振り返ることができるんですね。二年目に突入し、いよいよ資料性も高まってきた「いいから黙ってアニソン聴け!」、今後ともよろしくお願いいたします。


さて、前口上はこれぐらいにして、さっそく2018年春アニメの所感からいきましょう。

今期は「人気作の続編」や「人気コミック、人気ラノベのアニメ化」といった、非常に強いタイトルが並びました。もちろん完全新規のオリジナルタイトルも素晴らしい作品ばかりですが、今期は特に「放送前から色んな意味で話題性の高い作品」に注目が集まった印象があります。2018年に生誕50周年を迎える「妖怪人間ベム」のリブートとなる「俺たちゃ妖怪人間G」、同じく2018年に連載開始50周年を迎える「あしたのジョー」を原案とした「メガロボクス」の両作品は、アニバーサリーイヤーという注目度の高い今期に、あえて原典に頼らない別作品レベルのリブートとして成功しています。50周年と言えば、永井豪50周年記念アニメ化作品「Cutie Honey Universe」も忘れてはなりません。こちらは豪ちゃん先生特有の女の子のかわいらしさや、嫌味にならない健康的なエロさは原典そのままに、現代風テイストにブラッシュアップされ蘇っています。

この3作品は50周年ということで、起点となる年は「1968年」、テレビが爆発的に普及し本格的に「テレビ時代」が到来しはじめた年です。アニメや特撮など今日に続く文化の萌芽期と言えるでしょう。その1968年を起点とする作品が、2018年の新作と並んでいる面白さ。しかも、安易なリメイクではなく「原典をものともしない実験的で革新的な試み」にあふれており、現行作品とともに2018年のアニメの潮流を形作っています。

「今、アニメに何か新しいことが起こりつつある」。今期はそう感じさせるに充分な作品が揃ったと思います。

個人的には「キャプテン翼」が嬉しすぎました。もう一回、南葛時代をやるとは!という気持ちと同時に、子供の頃、夕飯時にテレビを見ていたのを思い出してちょっぴりセンチメンタル。

そんな注目度の高い作品が揃った今期ですが、全ての作品から「これは!」というアニメソングを選出していきましょう。

それでは、「いいから黙ってアニソン聴け!in 2018春」、ワタクシ出口が選んだ10曲がこちら!

・異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~

ED「Prosit!/クラムボン」

・ガンダムビルドダイバーズ

OP「Diver’s High/SKY-HI」

・グラゼニ

ED「SHADOW MONSTER/土岐麻子」

・3D彼女 リアルガール

OP「だいじなこと/くるり」

・ヒナまつり

ED「鮭とイクラと893と娘/新田義史(CV:中島ヨシキ)」

・フルメタル・パニック!Invisible Victory

OP「Even...if/山田タマル」

・ベイブレードバースト 超ゼツ

OP「超ゼツ無敵ブレーダー!/佐々木亮介」

・PERSONA5 the Animation

ED「INFINITY/Lyn」

・メガロボクス

OP「Bite/LEO今井」

ED「かかってこいよ/NakamuraEmi」

今期も素晴らしい曲がたくさんありました!以上!さようなら!

はい、もはや皆まで言いません。さっそく解説いきましょう。

今期は「ボーカルや楽器のグルーヴに旨味がある楽曲」が特に印象に残りました。独特の揺らぎや隙間といった、数字では割り切れないその人のパーソナルな部分が垣間見えるような、そこに耳を奪われる瞬間が多かったです。したがって、EDMなどのいわゆる「打ち込み系」と分類できる派手派手な楽曲よりも、もう少し落ち着いた温度感の楽曲が多くなっています。ハイテンションで派手な楽曲もあるけれど、少し前によく聞かれた、ナンセンスで異常なテンションの高さの楽曲、いわゆる「電波ソング」が少なくなってきていますね。もしかすると季節的なものもあるかもしれないので、夏になれば解放的な(解放しすぎな)電波ソングが聞けるかもしれません。

・各楽曲の解説は次ページから!

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