活動6年目に突入! 新たなステージに臨んだi☆Risが歌う、TVアニメ「魔法少女サイト」主題歌「Changing point」インタビュー
声優ユニット「i☆Ris」が、2018年5月9日、16枚目のシングル「Changing point」をリリースする。これまで「プリパラ」シリーズをはじめ、明るいイメージの楽曲が多かった彼女たちだが、今回は初の深夜アニメタイアップということもあり、ガラリとイメージチェンジ! シリアスでハードな世界観のアッパーチューンとなっている。
ユニット結成から6年目にも突入し、ユニットを一躍スターダムに引き上げたテレビアニメ「プリパラ」シリーズもこの3月に放送終了。心機一転し、新たなフィールドに臨む彼女たちが放つ新境地について、たっぷりと語ってもらった。
自分と向き合って掘り下げた「Changing point」
──新曲「Changing point」は、今までのi☆Risのイメージからガラリと変わってシリアスな楽曲になっていますね。
山北早紀(以下、山北) 今までのi☆Risって、明るくて元気な曲を歌うイメージがあったと思うんですけど、そこからガラッとチェンジしたところが今回のポイントかなと思います。今までとは違う声色で歌っていますし、テーマ的にもダークな内容の曲って歌ってこなかったと思うので、違う引き出しを開けた私たちを見てほしいな、聴いてほしいなと思います。
芹澤 優(以下、芹澤) もう何年も「プリパラ」と一緒にやってきた私たちが「Changing point」じゃないですけど、新しく深夜アニメでタイアップをつけていただいて、全く新たな世界観を表現した楽曲になっています。「プリパラ」じゃないところでもi☆Risとしてやっていくぞという決意を、歌声の力強さなどから感じていただけたらと思います。
茜屋日海夏(以下、茜屋) 歌詞がすごく短くて普通の曲の半分くらいの量なんですけど、内容が濃く、凝縮されているので、自分たちも歌いきったときの達成感があります。今までは小さい子達とか女の子と明るく楽しく歌って盛り上がる曲が多かったんですが、今回はとことん自分と向き合ってレコーディングした曲になります。私自身としてはありのままで歌わせてもらったというか、かっこつけるというよりも泥臭くというようなところもある曲なので、みんなの歌声に注目していただきたいですね。
若井友希(以下、若井) 一見、重くて暗い曲なのかなと思われるかもしれませんが、辛さの中にも強さが混じっている曲なので、気持ちとしては逆に暗くなっていないですね。最終的に希望も見えるので、その世界観が「魔法少女サイト」ともリンクしていると思います。「プリパラ」の時は「アイドルらしさ」をすごく意識していたんですが、「Changing point」はそこをあまり意識せず、私もありのままに歌えたと思います。
久保田未夢(以下、久保田) やっぱりi☆Risというと、キラキラで明るくかわいい曲というイメージが強いと思うので、たぶん普段そういう姿を見ている皆さんからすると新鮮味があるだろうし、私たちとしてもこういう声色とかちょっとかっこいいクールな部分も出せるんだぞというのを強めに出したつもりです。この「Changing point」は、「魔法少女サイト」というアニメのオープニング曲なので、メロディや歌詞からキャラクターたちが「生きていこう」という意志の中でギリギリ生き残っていくんだ、という強いメッセージを受け取ってもらえたらいいなと思います。
澁谷梓希(以下、澁谷) かわいい曲を歌ってきたi☆Risが、王道っぽいアニソンを歌うということで、ソロのアーティストには出せない歌声の厚みや表現が存分に出ているので、そこを聴いてもらいたいですね。
──今回の楽曲は、「プリパラ」シリーズを経てむかえた「6年目」だからこその意味も感じたりしますか?
茜屋 私自身としては、今まで「プリパラ」にすごく助けられた部分があったと思います。アニメ自体「み~んなトモダチ! み~んなアイドル!」というコンセプトなので、「みんなで一緒に前を向いてがんばっていこうよ」っていう曲が多かったんですけど、やってる間もずっと「今後はどうしよう」というのは考えていたんです。そしていざ終わった現実を目の当たりにした時に、本当にどうしようと思ったし、自分と向き合う時間がすごく増えたんですね。だから、このタイミングでこの曲を歌うことにはすごく意味があったし、i☆Risとしても「Changing point」になったんじゃないかなと思います。
芹澤 「Changing point」ってかっこいいだけの曲じゃないっていうのは感じてて、声優の大先輩方ほどではないですけど、いろいろと経験した私たちが歌うことに意味があるのかなって。i☆Ris として6年やってきて挫折などもそれぞれ経験してきた今だからこそ、こういう世界観を表現できるんじゃないかなと思います。
──i☆Risの歴史を振り返って、一番大きかった「Changing point」は何ですか?
全員 「プリパラ」ですね!
山北 i☆Ris史上最大の「Changing point」です。
澁谷 「プリパラ」がなかったら、本当に今、i☆Risはないですね。
個性的な衣装のポイントとは
──今回の衣装は澁谷さんがデザインされたのでしょうか。
澁谷 今回、楽曲を聴いたイメージで作ったので、色は全体的に黒を多く使いました。デザイン自体は自分の衣装だけなんですけど、他のメンバーの衣装はここを出したい、ここを隠したいっていうアイデアをデザイナーさんと一緒に出しました。もう6年もやってきたから、メンバーの体のことはよく知ってるんですよ(笑)。裸の付き合いもしてるし、着替える時はみんな下着でうろちょろするからよく見てるし。
それを踏まえたうえで、今回メンバーそれぞれ違う形でデザインして、ひとつとして同じものはないんです。同じなのは、唯一みんな左手にグローブをしているところくらいですね。あとはそれぞれ素材も違っていたり、形も違うしということで、i☆Risの「Changing point」でもあるけどメンバーそれぞれの「Changing point」でもあってほしいなと……、そういうことを、今考えました!(笑) みんな結果的に個性が出て素敵だなと思いました。
山北 私はずっちゃん(澁谷)には「脚を出したい」と言ってたんですが、衣装のフィッティングの時にあまり脚が出てなかったので、「もっと出してください」ってお願いしました(笑)。結果的にこだわりの形になりましたね。今回の衣装ってけっこう「Changing point」だと思ってて、「プリパラ」の時ってどうしても「白+それぞれの色」という組み合わせが多かったり、ノースリーブっていうパターンが多かったんですけど、今回は基本ロング丈だしずっしり重みのある衣装ということで、今までとは対照的だなと思います。着てて新鮮だと思っています。人生に新鮮味が大事だと思っています。
芹澤 私はスカートの生地がいっぱい重なってるのが好きで、ぱっと見るとただのロングスカートなんですが、動くと合間から脚が見え隠れするんですよ。今回は回転する振り付けが多いので、動いた時に普段は見えない脚がちら見えするのがいいと思います。あと自分は水玉が好きなので、それが付いているのが嬉しいです。
澁谷 メンバーそれぞれのワンポイントはデザイナーさんと決めたんです。いろんな人がいていいよねって。優ならではのポイントとしては、皆お尻をモコっとさせて出してるんですけど、(芹澤)優だけ「ストーン」とさせたデザインになっているんです。体の線が細いから出せるスタイリッシュさというか、回った時にスカートのボリュームが出せると思いますね。
茜屋 私も、いい感じに脚が出ているのがいいと思います。個人的に太ももは隠したいタイプなので、どこまで出すかは考えつつ。私の衣装はアシンメトリーで、左右の長さが違っているので、踊っていると片脚がすっと出たりしてそこがセクシーな部分ですね。こういう部分は今まで出せなかった要素だし、もともと私服でも黒とか大人っぽいのが好きなので、そこは嬉しいです。
若井 私は唯一タイトスカートなんですが、背が低いので付属品だらけだと埋もれちゃうんです(笑)。だから、うまいことちゃんと私とわかる形にしてくださっているのでありがたいです。
澁谷 (若井は)脚がめちゃくちゃ長いんですよ。その分、胴が短いのでほかのメンバーと同じ形にするとちょっとバランスが崩れるので、一番ドキドキしながらフィッティングしました。
若井 私だけ2回フィッティングしたんです。
久保田 私は意外と意見を言わず、来たものを着ますという感じでいつもお任せなんですけど、今回はダークな感じで、髪型もクロワッサンツインみたいな感じなので、アーティストというよりは「戦隊もの」に出てくる悪役キャラクターみたいだなって(笑)。
澁谷 オレンジ色とボーダーの組み合わせがハロウィンっぽいよね。
久保田 ひとりハロウィンみたいな感じですね。
意外と演技って難しい! シリアスなMVの撮影風景
──今回のMVの見どころはどんなところでしょうか。
若井 MVは、ひみ(茜屋)が人間界から魔界に来る「Changing point」というのがテーマで、最初は羽が生えててもがき苦しんでこちらの世界に来る。私たちはそれを迎え入れるという立場なんです。「Changing point」っていう楽曲に沿ったストーリー性のしっかりあるものになっているので、見てて面白いなと思います。
茜屋 今回、全員で同じ動きをひとりずつやっていくとかじゃなくて、バラバラなことをやってるんです。私は叫んだりしてるんですけど、お芝居してるみたいで楽しかった。
澁谷 (茜屋が)叫んでるシーンではほかの5人は、無に近い表情でずっとその姿を見ていないといけないんですが、(若井)友希ちゃんはいたたまれなくなったのか……(笑)。
若井 そう、「ひみが叫んでるー!」とか思って、無意識に哀れな表情で見ちゃってました。
澁谷 そんなやさしさもにじみ出たし、見詰め合うだけで笑いが出ちゃったりして、メンバー同士でお芝居すると難しいんだなと思いました。普段、アフレコはできているんですけどね。
久保田 笑えるMVならよかったんですけど、今回は笑うなと言われて……。和気あいあいとお芝居するんだったらキャッキャッと演技できるんですけど、真剣になってくると恥ずかしくなってきちゃう!
──ダンスはいかがですか?
山北 今回のダンスって今までと曲調も違うせいか、顔とか勢いでごまかせないなって。1曲通してちゃんと見せないといけない曲だと思うし、ダンスショットも普段とは違うアングルで撮ったりしているので気合が入っています。みんなでそろえるっていう振り付けじゃなくて、ニュアンスっぽいところも今までにない感じなので、その辺も注目していただきたいです。それと「魔法少女サイト」にちなんで拳銃を撃ったらハートが浮かび上がったりと、ところどころでアニメを意識した振りもあるんです。そういうところはアニメ好きの人が見ても楽しいし、今までのi☆Risを見ている人は違う感じで楽しめるし、新たなダンスからも新たなファンを増やせたらなんて思ったりします。
芹澤 アニメとのリンクで言うと、私は黒い涙を流すんです。「魔法少女サイト」でも魔法のステッキを使うとみんないろんなところから血が出るんですけど、主人公の彩ちゃんも血の涙が流れます。拳銃型の魔法のステッキも主人公の彩ちゃんのものだし、なんとなく彩ちゃんのキーワードみたいなのが入ったMVになっていますね。やっぱりアニソンはアニメに沿ってるべきだと思うし、アニメファンの方に受け入れてもらってなんぼだなと思うので、そういう点でも「魔法少女サイト」にも寄り添えているんじゃないかなと思います。
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