「ひそねとまそたん」第5話感想:ひと癖もふた癖もあるDパイたちは、「心に空白」を持つ白い恋人だった!?

飯干事務次官の登場でOTFの謎がどんどんわかってきた第5話。曽々田団司令もこれまで意味深なことを言ってきたが、飯干事務次官はさらにその上の情報を持ってるっぽい。


「白い恋人」の意味は、心に空白を持つ少女ということだった。1話で出てきた適性テストが、自分を好きになれない、不完全だと思っている人を探すようなものだったことが明らかになり、ひそねの適性が高かった理由がわかって納得。つまりDパイが、“OTFといることで、初めてアイデンティティを見いだせる少女”であり、OTFを認めていない星野絵瑠に関しても、彼女がOTFを選んだのではなく、OTFが彼女を選んだということが大事、とのこと。ふむふむ、確かに確かに!

変わり者が多いDパイの4人だが、その中でも甘粕ひそねの変態性は群を抜いているというのを再確認。大好きなまそたんを舐め回す愛情表現をしたかと思えば、それをそのまま名緒にもするという。ぶっ飛び過ぎだけど、もうこのくらいでは驚かない…。

Dパイ同士のチームワークを高めなければいけないという理由で、無人島へサバイバル訓練に行かされるOTFとDパイ。そこではOTFがなぜか飛べなくなってしまう。ちなみにひそねは、名緒の作った人形の首を持ってきて、それを名緒さんに見立てて、ひとりで会話をしているのだが……もう我々の尺度では測れない主人公なのかもしれない(笑)。もしくは彼女の空白は実はとてつもなく大きいのではないかと勘ぐってしまう。それは今後の楽しみにしたい。


ただ、そのひそねが頑張って動いて水の探索に向かったことで、絹番さんの心が少し動き、日登さんも食料を調達。ひそねはひそねで鳥居を発見、そこにはまそたんもいて、飲み水を発見する。3人はお互いの悩みを打ち明けたり、関係的にはいい方向に向かっているのだが、一番の問題児・星野絵瑠さんは、ひとり黙々といかだを作り、島からの脱出を図っている。

またここでも飯干事務次と曽々田団司令の会話が意味深で、“OTFの存在によって白い恋人たちは絆を深めた”、“OTFたちもお互いのことを思い出してきた”、“星野絵瑠がOTFに心が開くとき、まつりごとへの扉が開かれる”とのこと。OTFがお互いのことを思い出すというのは、だいぶ気になる発言で、人とドラゴンがどんな関係なのか、どんな歴史があるのか。そして巫女とはいったいなんなのか、気になることがたくさんあった。


キャラクターのかわいさやドラゴンのかわいさが、わかりやすく印象的ではあるのだが、お風呂シーンもそうだが、妙にリアリティのある絵の描写があったり、それぞれに悩みがあったり、謎や伏線がたくさん散りばめてあったり。絵とのギャップを大いに楽しめるようになってて、おやおや、これはゆる~くほわほわした空気を味わうアニメではないぞ!と思い始めた5話。やっぱり面白かった。

(文/塚越淳一)

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