「お前はまだグンマを知らない」第4話感想:グンマーのソウルフード、焼きまんじゅうを君は知っているか?

この4月よりスタートしたショートアニメ「お前はまだグンマを知らない」
ウェブコミック配信サイト「くらげバンチ」にて連載中のコミックが原作だが、その内容は、ネット上でやたらとディスられることの多い「グンマー」(群馬県/県民)の「あるある」を、やたらとテンション高めの大げさなアクションでデフォルメするというコメディである。


あまりにもローカルネタすぎる本作だが、何と民放局では地元の群馬テレビ(群テレ)しか放送しないという、あまりのローカルっぷりが泣ける。ただ、アニマックスやGYAO!でも配信されているので、ぜひチェックいただきたい。そんな超ローカル作品のネタを、グンマー出身の筆者が、愛をもって、詳細に掘り下げ解説する。


ゴールデンウィークを挟んでやや時間が空いてしまったが、4月末に放送された第4話で登場したのは、グンマーのソウルフードこと「焼きまんじゅう」である。万が一知らない方のために説明しておくと(そんな人いないと思うが!)、焼きまんじゅうとは、小麦粉で作られたパン状の「まんじゅう」を串に刺して(だいたい1串3~4個)、火であぶり、表面に味噌だれを染みこませてから食するという食べ物である。まんじゅうと聞いて一般的に想像するあんこ入りのアレではないので注意。どちらかと言えば、味噌パンに近い味わいで、それを軽くあぶった食べ物だと思えばいい。ちなみに、味噌パンもグンマの名物だったりするので、そちらも合わせて食してみると、グンマーがいかに味噌と粉もんに弱いかということがおわかりいただけるかと思う。


この焼きまんじゅう、グンマにおいては100%の認知率を誇るほど(根拠なし)、県民に親しまれている食べ物で、お祭りなどのイベントにおける出店はもちろん、各種のドライブインやサービスエリア、お土産物やなどで必ず目にすることができる。さらに言えば、常時営業している専門店もあるほどで、まさにグンマーのソウルフードだ。表面に塗られた味噌はやや甘めで、これが火にあぶられて焦げることで芳醇な香りを発する。カリッと表面が焼けたまんじゅう(あくまでもその内実はパンである!)と、この味噌だれが相まって、えも言われぬおいしさを生み出すのだが、まんじゅう(パンね)の中はふっかふか。この「カリフワ」なコントラストもまた、焼きまんじゅうの特徴だ。ちなみに、串に刺さった、味噌だらけのまんじゅう(だからパンだってば!)を、そのままワンハンドで食べきる頃には、口の周りはベタベタになっているハズ。意外に、キレイに食べるのはグンマーでも至難の業なのだ。


さて、この第4話では、前回の第3回で、他県からのスパイ容疑をかけられた主人公・神月が、クラスメイトから追い詰められ窮地に陥ったというところから始まる。神月の友人である轟は、神月に焼きまんじゅうを食べさせろと命ずる。というのも、グンマ人以外がこの焼きまんじゅうを食べると、猛烈な拒絶反応を示し、死に至るというのだ。つまり、この焼きまんじゅうを食べて死ななければ、神月のスパイ容疑は晴らされるが、そうでなければ死が待っているという、命をかけたロシアンルーレットなのである。もちろんこの設定はフィクションであるが、テロップによるフォロー解説でも「※ほぼ合っています。」と悪ノリっぷりがものすごい。


で、結果としては、神月は焼きまんじゅうを食べても問題なかったばかりか、焼きまんじゅうの美味しさに相当目覚めてしまった模様。それを見たクラスメイトも、「何だ、お前、グンマ人だったのか」と一気に神月を仲間として認めた模様だ。「同じ釜の飯を食う」というのは、固い友情の証としてよく用いられるたとえだが、グンマーの場合のそれは、「同じ焼きまんじゅうを食う」とでもいったところか。


ということで、これで一件落着、となりそうなものだが、この結果に納得いっていない様子なのが、本作の紅一点である篠岡京だ。彼女はこの後の第5回および第6回で、「JKJ」という団体とともに、神月を追い詰めていくことになるのだが・・・。


なお、この5月14日より5月20日まで、本作「お前はまだグンマを知らない」の第1話~第6話までの振り返り配信が「GYAO!」にて行われている。まだ本作を見たことがないという人は、ぜひ今週「GYAO!」で本作をチェックしていただきたい!!


・GYAO!「お前はまだグンマを知らない」配信ページ
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(編集部・鎌田)

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