貴重な劇伴裏話トークに初披露曲のライブも! TVアニメ「アニメガタリズ」イベント「グッドラックな土曜日♪」レポート

2017年10月~12月に放送されたTVアニメ「アニメガタリズ」。ネタの数々や衝撃の展開などで話題となった本作のイベント「グッドラックな土曜日♪」が、2018年4月28日(土)、文京シビックホールにて開催された。


今回のイベントでは、作品の重要な要素のひとつである“音楽”をフィーチャー。メインキャストの本渡楓さん(阿佐ヶ谷未乃愛役)、千本木彩花さん(上井草有栖役)、東城日沙子さん(高円寺美子役)に加えて、森井ケンシロウ監督、主題歌の作曲・編曲を担当した田中秀和さん(MONACA)、音楽担当の帆足圭吾さん(MONACA)と高橋邦幸さん(MONACA)、劇中歌を歌うロックバンド・AZLiGHTZが出演。さらに、近藤浩徳さん(ネコ先輩役)も声でイベントを盛り上げた。

作品を彩った音楽の制作秘話が明らかに

イベントはGATALIS(阿佐ヶ谷みのあ[CV:本渡楓]/上井草アリス「CV:千本木彩花」/高円寺みこ[CV:東城日沙子])による「恋するG・A・T・A・L・I・S!」のライブからスタート。髪型やメガネなどもキャラクターに合わせた制服姿で登場した3人は、軽快なメロディにのせて楽しさいっぱいのステージを見せる。曲後のMCでは、この曲がライブ初披露というだけでなく、レコーディングは別々に行ったため3人で一緒に歌うこと自体も初だったことが語られた。


そんなMCをしているところへネコ先輩の声が。どうやら、生徒会長(赤羽椿)から手紙が届き……活動実績がないため、アニメ研究部はこのイベントをもって廃部だという。廃部を逃れるためにはアニメ第8話の文化祭のような歓声が必要とのことで、さまざまなミッションを行って「照明」「ピアノ」「ヘッドセット」の獲得を目指していくことになった。


最初のミッションは「いきなり!ガタリズクイズ」。

30秒以内にアニメ研究部の名前を6人答えよ、というジャブ的な問題で難なくクリア。中野先輩は最終話のネタを交えて「どげざえもん」と言われる一幕も。

続いては「サントラで振り返りガタリズ!」。

コーナーゲストとして森井監督とMONACAの3人が登場し、スクリーンに映像を映しながら音楽について語っていった。ゲストの魅力を引き出せればミッション成功だ。

部室で名作アニメの法則について語るシーンで流れていたのは、帆足さんが作曲した「アニメガタリズポップ」。森井監督からのリクエストは「情報番組みたいな感じ」というもので、6時間ぐらいで作ったのだとか。また、未乃愛が初めて秋葉原に行ったシーンで流れていた「繁華街の喧騒」は高橋さんによるもの。この曲は実際に秋葉原を歩いていたら思い浮かんだ……というわけではないと笑っていた。

さらに、生徒会登場シーンで流れる「対決する2人」(高橋さん作曲)の話題では、曲を作る際にキャラクターの相関図はどの程度考えたかという質問が飛ぶ。

脚本等が完成する前に曲を作ることも多い中、本作では、あらかじめ資料がひと通り揃っていて、関係性を踏まえて「対立」の温度感を考えられた、という裏事情も語られた。


本作といえば有名作品をほうふつとさせる楽曲の数々に驚いた人も多いだろう。聖地巡礼のシーンで流れた「聖地巡礼マーチ」は、まさに監督からそういうリクエストがあったという。ただ、実は曲のみを聴くとそれほど似ていないらしく、絵と合わさることで似ているように聴こえるテクニックらしい。

コーナーの最後には、エンディングテーマであり学園祭のシーンでも使われた「グッドラック ライラック」について、作詞を担当した只野菜摘さんからのメッセージを紹介。この曲はまずタイトルがポンと浮かんできて、それが一人歩きしていって歌詞ができあがったそうだ。

そんないろいろな裏話が飛び出した結果、ミッションは成功となりピアノをゲット。そのピアノを使って帆足さんが生演奏を披露し、やさしい音色や心を突き動かすような音色で観客の心を潤してくれた。



挿入歌や主題歌の熱いライブ

次のコーナーは、「Twitter連動 質問ガタリズ!」。

Twitterで寄せられた質問に、キャスト3人が答えていった。

「未乃愛はどんなジャンルにハマっていくと思いますか?」との質問には、本渡さんが「ロボットもの」と回答。未乃愛の熱いエネルギーがロボットものと合うのでは、とのこと。作中で部員の話の聞いてくれた感じから、オールジャンルもいいのではとの声もあがる。


千本木さんは「最近、グッドラックだと思った出来事は?」と聞かれ、「予定がうまくいった時」と日常の幸せを答える。さらに、昔よく観ていたアニメについて聞かれた東城さんは、自身のアニメ遍歴を回答。魔女っ子ものから異次元のテニスをする作品に行き、そこで声優という存在を知ったのだとか。

厨二病についての質問は3人とも回答し、キャラクターのグッズを飾っていたことなどが語られた。なかでも、本渡さんからは「等身大タペストリーに口紅がついてしまった」という初告白の話も飛び出していた。なぜ口紅がついたのかは……想像にお任せということで。

また、「自分のキャラがデートをするなら? 妄想をふくらませてください!」との質問には、「有栖に釣り合う男性いるかな?」「恋をしたら、セバスには指を鳴らしても来ないで、影で見守っていてほしい」「美子は幼なじみ(の彼氏)がいる設定が一番いい」「未乃愛は歳の差があっても上下2歳ぐらいかな」などの女子トークが繰り広げられた。

無事にミッションをクリアした3人はいったんステージを後にし、ここからは挿入歌を担当したAZLiGHTZによるライブコーナー。福岡を中心に活動しているAZLiGHTZはメンバー全員がアニメオタクとのことで、今回の抜擢にとても嬉しかったと顔をほころばせる。

そして、青のペンライトが輝く中で友達の絆をイメージして作られた「フリージア」、アリスロボが登場したシーンでの熱いBGMとしても印象的だった「Lost Eden」の2曲を熱唱。疾走感のあるロックチューンは、まさにロボットアニメに入りこんだような熱さで魂を震わせるものだった。


その勢いを受けて、GATALISの3人が「グッドラック ライラック」を、帆足さんのピアノ演奏からスタートする特別バージョンで披露。さらにオーディエンスの力も借りて、第8話を再現する形でのステージに。ダンスやコールを再現しただけでなく、ライブならではの自由な動きや3人の楽しそうな雰囲気も伝わってきた。


サイン入りグッズのプレゼント抽選会後は、出演者それぞれから挨拶。作品に関われたことへの感謝やイベントの感想、1年前の「マチ★アソビ」や収録のことなどが語られる。本渡さんからは「いつ見始めても問題ない作品ですし、あんなに遊びを入れた作品はそうそうないと思うので、これからも好きでいてくれたら嬉しいです」とメッセージが送られた。

最後は「グッドラックな土曜日に~」「アニメガタリズ!」のかけ声でイベントは幕を閉じた。

(取材・文/千葉研一)

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