「信長の忍び~姉川・石山篇~」第58・59話感想:「拙者の屍を越えてゆけ」特攻野郎・遠藤さん、戦場に散る!

「信長の忍び」は、ヤングアニマル(白泉社)にて連載中の同名4コママンガ(作:重野なおき)を原作としたショートアニメなのだが、とにかく、戦国ギャグアニメとしての出来が秀逸で、隠れファンも多いはず。2016年10月にスタートし今期が3期ということになる。3期は、いよいよ、信長の天下統一への道の中でも重要となる「姉川の戦い」そして「石山合戦」が描かれる。歴史ファンなら、もう絶対にマストで見とかないとダメ!なヤツなのだ。


・第58話「特攻野郎遠藤さん」

前回、本多忠勝との一騎打ちで散った真柄直隆。これをきっかけに、総崩れになる浅井・朝倉連合軍であったが、そんな情況でただひとり信長の首を取ろうと執念を燃やす武将がいた。それが、浅井家家臣の遠藤直経だ。遠藤は、浅井家の家臣の中でも織田家に友好的な武将で、主人公の千鳥が浅井家に潜入した際にも、千鳥を助けてくれた命の恩人である。それだけに、今回の「姉川の戦い」にももともと反対であったが、義理を重んじる戦国武将らしく、主君・浅井長政の決めたことには徹底的に従うという「男の中の男」だ。

敗戦濃厚となった戦場で、そんな遠藤が思いついたのは、織田方の武士として敵陣に潜り込み、そのうえで信長の首を取ろうという策略であった。敗走する味方とは逆にひとり織田本陣に迫る遠藤。そして、ついに信長の姿が見えたところで、間一髪、千鳥が見知った顔の遠藤に気づく!


・第59話「拙者の屍を越えてゆけ」

ついに信長の姿をとらえた遠藤。槍を振り上げ、信長の首をとろうとしたその瞬間。それに気づいた千鳥が、打ち直したばかりの短刀「風切」で下から切り上げ、遠藤の槍を真っ二つ。同じく遠藤の顔を覚えていた竹中半兵衛の弟・久作が、遠藤を組み伏せひと太刀を浴びせる。さらに遠藤にとどめを刺そうと迫る織田家臣達。しかし、千鳥は「待ってください!」と、彼らを止める。「待てるか!」と明智光秀が遠藤に斬りかかるが、その刀を千鳥が止める。その鬼気迫る表情に、思わず失禁する光秀(笑)。千鳥は命の恩人である遠藤をこの場で殺させたくはなかったのだ。

「私はあなたを死なせたくないんです!」 遠藤に、降伏し織田家の家臣として仕えるように勧める千鳥。「そうか、お前、あのとき拙者が助けた忍びか。やさしき忍びがいたものだな。」 遠藤も一瞬はその願いを聞きとげたように思えたが、その次の瞬間、抜刀して千鳥に斬りかかる遠藤。「敵同士となれば、親兄弟でも殺さねばならぬ。殺さぬことがやさしさではない!!」と、武士の本懐を声高にかかげ、信長の姿を探す。しかし、遠藤は、すでに先ほどの竹中久作の太刀で、喀血し、目も見えていないのだった。死に場所を求めてこの本陣に迫った遠藤の気持ちを理解した千鳥。「私は信長様の忍び、千鳥。それがあたなを殺す者の名前です!」 遠藤に一太刀浴びせとどめを刺す千鳥。討たれながらも「それでよい。甘いのは拙者のほうだな」と言い残し、倒れる遠藤。

なんだよもう! 遠藤さん、何なんだよ! そして千鳥、何だよ!! 涙で画面がかすんじまったじゃねえか! 悲しくて、カッコよくて、もうやり切れない!




すでにギャグアニメであることを完全に超えすぎているシリアス展開の「信長の忍び」。次回はどうなる!?

(編集部・鎌田)

・第58話「特攻野郎遠藤さん」 あらすじ

徳川軍の加勢により、浅井軍は一気に劣勢に立たされる。長政は退却の指示を出すが、その中に決死の策を実行しようとする遠藤直経がいた。遠藤は織田兵の鎧をまとい、一人で織田軍2万の軍勢に乗り込む!

・第59話「拙者の屍を越えてゆけ」 あらすじ
信長本陣に一人で乗り込んだ遠藤。ついに信長を目前に捉えるも、すんでのところで阻まれ正体を見破られてしまう。遠藤は取り囲まれ刃を向けられるが、千鳥がそれを止め、遠藤に降伏するよう説得する。

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