「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」第6話感想 キスは天ぷらでも美味しいけど、フライも捨てがたい……

「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」(以下、のぶ)は、最近流行りの異世界ものと食を題材とした作品だ。京都の寂れた通りに「居酒屋のぶ」を構えているが、店の正面入口が中世ヨーロッパ風な異世界の街・古都アイテーリアとなぜか繋がってしまっている。店を切り盛りする大将の矢澤信之と給仕の千家しのぶの2人は、そんな異世界の住人を相手に店を営業している。

「のぶ」には、衛兵、職人、商人、貴族など、さまざまな職業の人たちがやってきては、うまい酒と肴でその日の疲れを癒やす……あたかも日本のサラリーマンが居酒屋で飲んでいるのと同じような光景が描かれる。


第6話は、衛兵隊隊舎にて、ハンスが同僚のニコラウスより、今日は「のぶ」が「キスの日」であることを告げられるが、話の途中で肝心のニコラウスは居残りのため、鬼の中隊長ベルトホルトに連れて行かれ、真相はわからないまま「のぶ」へと訪れる。

ハンスが店に着くと、まだ開店したばかりなのに店内にはかなりの男性客がすでに飲み始めている。ハンスは「オトーシ(鶏肉と里芋の筑前煮)」を運んできたしのぶちゃんに「あのさ、しのぶちゃんちょっと聞きたいんだけど……」と問いかけようとしたが、しのぶちゃんに直接言うのはやはり恥ずかしいので「なんでもない」と言うハンス。「トリアエズナマ」を注文すると、妙に機嫌がよさそうにオーダーを受けるしのぶちゃん。

「オトーシ(鶏肉と里芋の筑前煮)」の里芋はお箸でつかむときかなり滑りやすい食べ物だが、その里芋をうまいことつかみ、お箸の扱いに慣れてきた感じのハンス。古都アイテーリアでお箸を使う習慣はないようだが、ハンスは「のぶ」での食事を楽しむために、お箸の使い方を練習していたようだ。そして運ばれてきた「トリアエズナマ」をあおるハンスが実に気持ちよさそうで、筆者も早く生ビールを飲んで喉を潤したい衝動に駆られる。


ハンスが1杯飲み終えたところで、何か注文するため周りの客が何を注文しているかを確認していたところ、ほかの客が自分の「オトーシ」と違うのに気づき「もしかして客によってオトーシ変えている?」とタイショーに質問すると、タイショーは「それぞれ好みがあるしな。種類や盛りを変えることにしているんだ」と言う。「お客のことをよく見ているねと」感心するハンス。しかし、ここまでお客さんの好みを見ている店があるって素晴らしいですなぁ……。

注文を取りにきたしのぶちゃんに「レーシュ」を頼み、つまみに何かおすすめは? と尋ねると、しのぶちゃんは満面の笑みを浮かべながら「実はですね今日は『キスの日』なんです」と言うと、店内にいるお客全員が「キ、キス!」と騒然となるが、さらに追い打ちをかけるように「私…キスには目がないんです」と言ったことで、ハンスは今日「のぶ」にお客が多いことを理解する。「キスの日」についてハンスたちは何やら破廉恥な想像をしていたようだが、タイショーの「俺も好きだよ、キス」と言われたハンスは、「タイショーとキスだと!?」とBL系の薄い本にでもなりそうな展開が…あるわけもなく、「俺たちの国では、喜びの魚って書くめでたい魚なんだ」と、キスが魚の名前であることがタイショーから明かされる、少々残念な感じのハンス。

「キスの日」の正体が明かされたところで、今日のメインディッシュ「キスの天ぷら」が登場。天ぷらは関東と関西で衣の作り方や使う油が違うようだが、筆者的には美味しければどちらでもOK。この感想を書いていたら揚げたてで美味しい天ぷらを食べたくなってきたが、残念ながら会社の近くにはお高い店しかないため、週末までガマンすることにしたい……(´・ω・`)。



後半の実写パート「のぶ+PLUS」は、シンガーソングライター・タレントのなぎら健壱さんが「のぶ」に登場した絶品料理を探す「なぎら健壱ののぶ居酒屋をさがして」の3回目。今回は、六本木芋洗坂の「てんぷら 味覚」で、茶色で泡の出る飲み物(生ビール)を飲みながらなぎらさんは「まだ世間様が稼働している時間にこういう物を飲むとバチが当たりそうですけど、当たったためしがないです」と軽く笑いを取りに来るところがやはりベテランのタレントですなぁ。

今回出てきた「キス(鱚)」はこれからがちょうど旬らしいので、どこか美味しい天ぷらを食べられる店を食べログで検索しながら、今夜は先日買った「サンシャインプレミアムワインカスクフィニッシュ」のハイボールを楽しみたい。


(編集部 よなよなハンター)

(C) 異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~製作委員会

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