「カオヘ」から「シュタゲ・ゼロ」まで! 作品を彩った人気ソングを一挙披露の「科学アドベンチャーライブ2018 -SINGULARITY-」レポート!

2018年4月30日、「科学アドベンチャーライブ2018 -SINGULARITY-」が、中野サンプラザにて開催された。この公演は、「STEINS;GATE」や「CHAOS;HEAD」、「ROBOTICS;NOTES」といった5pb.ブランドが展開する“科学アドベンチャー”シリーズの楽曲を中心とした人気のライブイベント。2012年に第1回目となる「科学アドベンチャーライブ2012 ドラマステージ 時空交錯のトリプレット」開催した後、2015年から断続的に行われている。現在、TVアニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」も放送中ということで、より熱気にあふれた本公演の様子をご紹介しよう。


人気曲ライブ&アーティストのコラボは必見!

開演前には、本シリーズの公式コスプレイヤーに就任した人気コスプレイヤー・えなこさんが、「STEINS;GATE」の牧瀬紅莉栖(CV:今井麻美)、阿万音鈴羽(CV:田村ゆかり)、そして、まだ見ぬ最新作『ANONYMOUS;CODE』の愛咲もも(CV:夏川椎菜)に扮した撮影会を実施。多くのファンが詰めかけ、ライブ前のボルテージを高めていた。


そして、待ちに待った開演時間。中野サンプラザホールには、牧瀬紅莉栖(正確にはアマデウス紅莉栖)のアナウンスが響き渡る。声出しの練習として、紅莉栖のうながすまま会場全体で「千代丸にゃんにゃん」。開始早々、科学アドベンチャーシリーズの生みの親であるMAGES.会長・志倉千代丸氏の名前をフェイリス風にみんなで叫ぶというカオスな光景が広がった。そして、拍手が巻き起こったかと思えば、すぐさまライブがスタート。中野サンプラザが歓声に湧く。

会場が赤いサイリウムの光に包まれる中、ステージ上のスクリーンには、「中野サンプラザに人工衛星が接近中」というオリジナルムービーが流れる。期待感がこれでもかとあおられたところで、いとうかなこさんが登場。シリーズ4作目となるゲーム「CHAOS;CHILD」のOPテーマ「シンギュラリティ」で、ライブの幕を開ける。観客は総立ちでいとうさんを出迎え、いとうさんも力強い歌とともに「科学アドベンチャーライブへ、ようこそ!」と、それにこたえる。続けざまに、TVアニメ「カオスヘッド」のOPテーマ「F.D.D.」を高らかに歌い上げた。


いとうさんがステージから去ると、今度はステージの真ん中にギターを持った女性が登場。TVアニメ「ロボティクス・ノーツ」のOPテーマ「純情スペクトラ」のリフを鳴らすと、会場からは大歓声が上がる。しかも、この女性、よく見るとシンガーの鈴木このみさんでは!? 鈴木さんがステージ袖を指差すと、Zweiのベース・Meguさんが現れ、2人でセッション! ボーカルのAyumuさんもステージに設置された階段から姿を現し、Zwei&鈴木このみという特別ユニットで「純情スペクトラ」を披露した。こうしたスペシャルな共演が見られるのも、イベントライブの醍醐味だ。



Zweiのアクトが終わると、「STEINS;GATE」の「ダル」こと橋田至(CV:関智一)のMCが始まった。「科学アドベンチャーっ子のみんなに、本邦初公開の楽曲をお届けしよう」というセリフに続いて、「もっと熱くなれよー!!」と会場をあおっていく。こうして始まった「Tu Ru Tu Ru Dance」。ステージでは「ROBOTICS;NOTES」の瀬乃宮あき穂に扮したえなこさんが快活に踊り、さっきまでのハードトーンから一転、ダルの合いの手が入ったり、あき穂、淳和、ダル、フラウのダンスムービーが流れるなど、会場を楽しい雰囲気に変えていく。


そして、「ROBOTICS;NOTES」の流れのままに、「ROBOTICS;NOTES DaSH」挿入歌「aNubis」を鈴木このみさんが、アニメEDテーマ「トポロジー」をいとうかなこさんが披露し、ロボノファンを楽しませるのだった。


再び、冒頭のオリジナルムービーが流れたかと思えば、最初の映像には登場しなかったアマデウス紅莉栖の姿が……。映像が分岐して、世界線が変わったのか、続けて登場したのは2017年に「アフィリア・サーガ」から改名したアイドルグループ「純情のアフィリア」だ。フォーメーションを組みながら「禁断無敵のだーりん(long ver.)」「La*La*Laラボリューション」で観客を魅了。途中、サインボールを観客席に投げ入れたりと、会場をアイドルライブの“現場”へと一変させた。


次に現れたのは、彩音さん。「邂逅のフェタリテート」を歌った後、MCで「高まる千代丸曲を、メモオフ作品からお届けしてもいいですか?」と観客に問いかける。科学アドベンチャーシリーズではないながらも、5pb.が手がける「メモリーズオフ」シリーズの楽曲が歌われるということで、(特に往年の)ファンは大喝采。「メモリーズオフ -Innocent Fille-」OPテーマ「レジリエンス」や「ORANGE」「After Rain」といったメモリーズオフ メドレーに、観客席からは絶叫にも近い声援が上がっていた。


作品の世界観を全身で表現するアーティストたち

まだまだとどまるところを知らない科学アドベンチャーライブ。「OCCULTIC;NINE」からはアニメのEDテーマ「Open your eyes」でデビューを果たした亜咲花さんが登場。黒と銀色のドレスを身にまとい、高校を卒業したばかりとは思えないような大人びた歌声で観客のテンションを上げる。さらに、「いつか一緒にコラボしたい」と言っていたZweiとともに「数奇なるファクタ」を披露し、歓声の中、ステージから去っていくのだった。


ステージが暗転し、さきほどまでの熱狂がウソのように静まり返る会場。その時を待って、Zweiが「LAST GAME」とつぶやき、Ayumuさんの歌声が会場へと染み入っていく。全身全霊を込めるよう、Ayumuさんはときにマイクを遠ざけて生声交じりで「LAST GAME」を歌い上げる。最後、力尽きるように倒れたAyumuさんの姿が印象的だ。そして、アニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」の流れで、いとうかなこさんが「ファティマ」を熱唱。観客も負けじと大歓声を上げる。


いとうさんに呼ばれてステージに現れたのは、黒のドレスを着た今井麻美さん。いわく、「黒オカリン」(岡部倫太郎)を意識した衣装とのこと。MCでは、ライブ冒頭の「千代丸にゃんにゃん」についてなぜ千代丸なのかと毒を吐く場面もあり、観客は思わず大笑い。アニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」の収録秘話なども語って、ファンを喜ばせる。いとうとともにゲーム「STEINS;GATE 0」のOPテーマ「アマデウス」を歌い始めると、観客は赤いサイリウムを振りながら中野サンプラザホールを揺らす。

続いて昨年のライブで披露された「第一シーズンの紅莉栖、最後の気持ちを歌った非公式ソング」に続き、今回は「STEINS;GATE 0」の世界へと向かう岡部の気持ちを歌った非公式ソングとして、今井さんによる「Words of GRACE〜冬のダリア〜」が披露された。スクリーンにTVアニメ版紅莉栖の名シーンが流れる中、今井さんは美しい歌声でシャウトを響かせる。「みんなのことをよろしくね」と言い残しステージを去る今井さんは、まさに紅莉栖そのものに見えた。


その後、「シュタインズ・ゲート」の流れは、佐々木恵梨さんの「GATE OF STEINER」、いとうかなこさんの「Hacking to the Gate」「Another Heaven」へとつながる。色とりどりのサイリウムの光の中、いとうさんは「Another Heaven」をしっとりと歌い上げる。

話題作TVアニメ「ゆるキャン△」もゲスト参戦! 大盛況のクライマックス

その余韻にしんみりとしていると、スクリーンには急にキャンプ風の実写映像が。純情のアフィリアメンバーたちが「中野サンプラザでこれからライブだよ!」と、コメディタッチの寸劇を見せたかと思えば、ゲスト作品のTVアニメ「ゆるキャン△」パートが始まった。亜咲花feat.純情のアフィリアは、「SHINY DAYS」をみんなでシンガロング。亜咲花さんとアフィリアのメンバーは舞台上でBBQや釣り(風の振り)をしたり、観客席の間に立って手拍子を取ったりしながら、多幸的な空間を演出していく。最後はみんなでジャンプ! TVアニメ「ゆるキャン△」EDテーマである、佐々木恵梨さんの「ふゆびより」へつなげるのだった。


そして、ステージには「CHAOS;HEAD」の劇中から顕現したロックバンド・ファンタズムのFES(CV:榊原ゆい)さんが現れ、「密教の首飾り」「刻司ル十二ノ盟約」「運命のファルファッラ」を披露。「この空間で魂レベルを上昇させましょう」と、どっぷりとその世界観に染め上げる。ミラーボールの光が無数の銀河のようで、数多の世界線を彷彿とさせる演出も見事だ。


楽しい時間も終わりに近づいてきた。鈴木このみさんが「カオスシンドローム」を歌い上げ、「次で最後の曲です」と言うと、観客席からは残念がる悲鳴が聞こえる。スクリーンにノイズの走った画面が流れたかと思うと、観客席の間から「Find the blue」を歌いながら、いとうさんが登場。ファンもいとうさんに向かって力強くサイリウムを振り、クライマックスを盛り上げる。そして、いとうさんは壇上に戻ると、ステージにピリオドを打つのだった。


しかし、観客としても、まだこれで終わってしまうわけにはいかない。まだ演っていない、あの曲がある。会場に「その目だれの目」コールが巻き起こると、ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)がステージに舞い戻ってきた。余計な言葉は交わさずに、「磔のミサ」をきっちりと歌いきる。

そして、ステージには全アーティストが登壇し、それぞれ簡単な挨拶を行っていく。バンドメンバー紹介などを交えて、それぞれが達成感に満ちあふれた表情で今日の喜びを表現する。さらに、科学アドベンチャーライブ、次回開催の期待をあおると、観客席からは一層大きな歓声も上がる。

ついに「科学アドベンチャーライブ2018 -SINGULARITY-」も大団円。最後は、全アーティストで「スカイクラッドの観測者」を大熱唱だ。科学アドベンチャーシリーズを世に知らしめたゲーム「STEINS;GATE」OPテーマということで、アーティストにとってもファンにとっても感慨深い1曲。残った力を振り絞り、会場一体となってこの代表曲を走りきった。

こうして、幕を閉じた「科学アドベンチャーライブ2018 -SINGULARITY-」。科学アドベンチャーシリーズは今後も「STEINS;GATE ELITE」「ROBOTICS;NOTES DaSH」「ANONYMOUS;CODE」(舞台は中野!)と、期待作が控えている。「CHAOS;HEAD」発売から10年を数え、なお盛り上がりを見せる同シリーズの今後の展開にも注目したい。

(取材・文/須賀原みち)

■セットリスト

1.シンギュラリティ(いとうかなこ)

2.F.D.D.(いとうかなこ)

3.純情スペクトラ(Zwei&鈴木このみ)

4.拡張プレイス(Zwei)

5.Tu Ru Tu Ru Dance(あき穂&淳和&ダル&フラウ feat.えなこ)

6.aNubis(鈴木このみ)

7.トポロジー(いとうかなこ)

8.禁断無敵のだーりん(long ver.)(純情のアフィリア)

9.La*La*Laラボリューション(純情のアフィリア)

10.邂逅のフェタリテート(彩音)

11.レジリエンス(彩音)

12.メモリーズオフ メドレー(ORANGE~After Rain~ribbon~永遠のメモリーズ~ロマンシングストーリー)(彩音)

13.Open your eyes(亜咲花)

14.数奇なるファクタ(Zwei&亜咲花)

15.LAST GAME(Zwei)

16.ファティマ(いとうかなこ)

17.アマデウス(いとうかなこ)

18.Words of GRACE〜冬のダリア〜(今井麻美)

19.GATE OF STEINER(佐々木恵梨)

20.Hacking to the Gate(いとうかなこ)

21.Another Heaven(いとうかなこ)

22.SHINY DAYS(亜咲花feat.純情のアフィリア)

23.ふゆびより(佐々木恵梨)

24.密教の首飾り(ファンタズム (FES cv.榊原ゆい))

25.刻司ル十二ノ盟約(ファンタズム (FES cv.榊原ゆい))

26.運命のファルファッラ(ファンタズム (FES cv.榊原ゆい))

27.カオスシンドローム(鈴木このみ)

28.Find the blue(いとうかなこ)

En1.磔のミサ(ファンタズム (FES cv.榊原ゆい))

En2.スカイクラッドの観測者(全員)

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