「ヲタクに恋は難しい」第8話感想:イベントだってゲーセンだって、2人で出かけたらそれはデートだと思うんです。

「隠れ腐女子のOL・成海(なるみ)と、重度のゲームヲタク・宏嵩(ひろたか)。そんな2人の恋愛は、ヲタクなら思わずクスッとする笑いあり、そうじゃない人もキュンキュンするシチュエーションあり。 ヲタクの恋愛をポジティブに描写した新しいタイプのラブコメ。」という「ヲタクに恋は難しい」。今回は第8話の感想をお届けする。

第1話のラストで宏嵩くんからの「俺でいいじゃん」という提案を、「採用!」と即決してしまったヒロイン・成海。
第2話では付き合うことをOKしてしまったものの、気まずさに耐え切れずに宏嵩くんを避けまくり、その中で樺倉先輩と花ちゃん(すっかり仲良くなって「花ちゃん」「なる」と呼び合う仲に)が付き合っていることを知ってしまった成海。


2話にしてすでにカップル2組となってしまった本作だったが、4人中3人がヲタク仲間との食事よりも戦利品を堪能することのほうが重要という、かなり末期のヲタクであることも判明した回であった。
第3話では2人で仲良くイベント会場へ出かけ、スパダリな宏嵩くんがモブおじさんに「ねえお兄さん…今どんな気持ち?」されたり、初めてのお泊まりだというのに先輩ズも誘ってマリ○カートに勤しみ、筆者の期待を裏切って通常営業っぷり。
そして第4話では先輩ズの痴話げんかを延々と見せ付けら、第5話でついに間男乱入かに思われたが実は宏嵩くんの弟というオチ。そして6話では相変わらずのヲタクライフを満喫している本作。


クリスマスという、日本におけるリア充最大のイベントを迎えてもなにひとつ変わらずに某狩りゲーに勤しむ成海と宏嵩くんと、高級レストランでディナーという絵に描いたようなクリスマスを迎えた先輩ズという構図に、安心したらいいのか、羨ましがった方がいいのか分からない展開。

そして第7話は、オンラインゲームにカップリング語りと、これまでで一番濃いヲタク回だったのではないだろうか。

さて今週のヲタ恋は?

今週は、都会の喧噪の中、ビル風に煽られる成海。
「風が……騒がしいな」(険しい顔で)と、完全に厨二全開である。

どうやらあの風は嵐となって街を襲っているようで、オープニング後のCMが開け、会社の窓から見えるのは雨模様の街並みだ。しかも雷まで鳴り出す始末。
「数千年の時を経て……やつが」などと、まだ厨二ごっこ真っ最中の成海に対し、宏嵩くんはというとなんだかとても浮かない顔で、どこかそわそわしているようにも見える。
そして手にした缶コーヒーを落としかける宏嵩くん。

ん? 宏嵩くん、君もしかして……?

と思ったら、雷やばいからこまめにバックアップ取れよと指導する樺倉先輩の姿が。
しかし、宏嵩くんの耳には、なんとヘッドフォンが!!!!!
人の話聞いてねぇじゃねぇかと、当然怒られます。

そこで、ヘッドフォンのコードをいじいじしつつ、ついに白状した宏嵩くん。

「いい思い出がないから苦手」

やはり宏嵩くんは雷が怖いのだった!

しかもその理由が、幼い頃、雷のせいで散々ゲームのセーブデータが飛んだという理由だったものだから、その恐ろしさがわかりすぎる2人(成海と樺倉先輩)は仕方ないと同情モード。
しかし、ゲームは専門外の小柳先輩にはあまり刺さらない様子。

そんな中、落としたペンを拾おうとした瞬間にまたしても雷が鳴り、びびった宏嵩くんが机に頭をゴン。

これはもうだめだ。SAN値ピンチでチェックが必要だわと理由をつけて、宏嵩くんは休憩に向かいます。

大丈夫だろうと見送る先輩ズに対し、幼い頃のことを思い出し、心配した成海は自分もトイレ休憩と宏嵩くんの様子を見に行くことに。

小さい頃、嵐の日に風邪で寝込んでいた自分の元を成海が訪れた時のことを思い出す宏嵩くん。
「私も雷怖いのー!」と飛び込んできた成海をゲームに誘う宏嵩くん。
風邪なのに大丈夫なのかと心配する成海に、「ゲームしないと死ぬ」とひと言。
こんな頃から生粋のゲーマーだったわけですな。

そして無事にSAN値を回復して遅れを取り戻した宏嵩くんは、無事に終業。
いっぽう、宏嵩くんの回復を手伝ってあげた成海はめでたく残業と相成ったのだった。


ほんとにな。


Bパートでは宏嵩くんがピアスを開けたいきさつが。


成海が当時付き合っていた彼氏がヘリックスやトラガス辺りまでピアスを開けているロックな彼だったから。
まさかそんな理由だったとは……思った以上に健気だな、宏嵩くん。

さて、いつものメンツで集まってヲタク飲み会を開催中の居酒屋。
ウィンクの練習中だという宏嵩くんの進歩のないそれにみんなで笑ったりしていると、小柳先輩が酔っ払って成海にからみだし、ヤキモチを焼く樺倉先輩。
そしていつも喧嘩に発展するという、おきまりのパターンだったが、その喧嘩を見た宏嵩くんが、成海はヤキモチ焼いたりしないのか尋ねてみると、「宏嵩だよ? あるわけないじーゃん」と、なんとも無慈悲な返答が。

その言葉が刺さって抜けないトゲになってしまったらしく、お家に帰ってからの恒例の狩りも、今日はなんだか上の空のご様子。
ああああ、バル○ァルクみたいなやつにやられちゃってるんですけどー!
キャンプに運ばれちゃってるんですけどー!?
あの宏嵩くんがやられちゃうシーンなんて、なんと珍しい光景か。


今度は社内で喧嘩し始める先輩ズ。
その様子を眺めながら「2人きりの時はどうしてるんですか」と疑問を投げる宏嵩くん。

それはおまえらも同じだろ、と返されるものの、やはりよくよく考えてみると「全然同じじゃない」と思い至る宏嵩くん。

おおお、今回はだいぶ進展しそうな空気があふれているではないか。

先輩たちと自分たちを比べて、「全然同じじゃない」と、改めて感じたご様子。

そして、同じ頃、成海も同じひと言をつぶやいているのだった。


その視線の先にいたのは、そう、宏嵩くんの弟・尚哉くんだ。
成海が見ていたのはメガネ姿の尚哉くん。
コンタクトがうまく入れられず、メガネになったという弟くんを眺めながら、兄に似ていないとつぶやいていたようだ。


しかし、その成海は弟くんに、どんなデートをしているのか聞かれ、思い返してみると、イベントデートで自分のスペースの売り子を任せて自分は買い物に行ったり、アニ○イトに出かけて男性向けと女性向けのフロアで分かれて買い物をしたり、あとはゲーセンに行ったり家でゲームをやったり本を読んだりと、完全にヲタ充なデートを思い返す羽目になるのだった。


そして、宏嵩くんと帰宅する成海。
宏嵩くんに、今までの彼氏とどんなデートをしていたのか聞かれることに。
イベントに一緒に行ったり、アニメ○トに行ったりしたのかと聞かれ、ヲタクであることを隠していた成海は、「そんなことするわけないじゃん」と答え、「普通に映画とか」とつぶやく。

それを聞いた宏嵩くん

「じゃあ今度の日曜は映画ね」とさらっと告げましたよ。

「なんの話だっけ? ゲーセン?」と混乱する成海に
「デート」と宏嵩くん。


うおぉぉぉぉぉ、樺倉先輩たちのおかげで、奥手な宏嵩くんも着実にレベルを上げていっているようではないか。
良きかな良きかな。


■08「苦手な雷と、気になるお年頃」
花子と樺倉に二人でいるときの様子を尋ねる宏嵩。
「お前らと同じようなもの」と言う樺倉だが、何かが違うと感じている様子。
その日の帰り道、成海にある提案をして……?

脚本:篠塚智子/絵コンテ:斎藤哲人/演出:浅見松雄/総作画監督:安田京弘・荒木弥緒


(編集部・U)

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