「ヲタクに恋は難しい」第9話感想:「ヲタクトーク禁止」とはもはや呼吸をするなと言われているようなもの

「隠れ腐女子のOL・成海(なるみ)と、重度のゲームヲタク・宏嵩(ひろたか)。そんな2人の恋愛は、ヲタクなら思わずクスッとする笑いあり、そうじゃない人もキュンキュンするシチュエーションあり。 ヲタクの恋愛をポジティブに描写した新しいタイプのラブコメ。」という「ヲタクに恋は難しい」。今回は第9話の感想をお届けする。

第1話のラストで宏嵩くんからの「俺でいいじゃん」という提案を、「採用!」と即決してしまったヒロイン・成海。
第2話では付き合うことをOKしてしまったものの、気まずさに耐え切れずに宏嵩くんを避けまくり、その中で樺倉先輩と花ちゃん(すっかり仲良くなって「花ちゃん」「なる」と呼び合う仲に)が付き合っていることを知ってしまった成海。

2話にしてすでにカップル2組となってしまった本作だったが、4人中3人がヲタク仲間との食事よりも戦利品を堪能することのほうが重要という、かなり末期のヲタクであることも判明した回であった。
第3話では2人で仲良くイベント会場へ出かけ、スパダリな宏嵩くんがモブおじさんに「ねえお兄さん…今どんな気持ち?」されたり、初めてのお泊まりだというのに先輩ズも誘ってマリ○カートに勤しみ、筆者の期待を裏切って通常営業っぷり。
そして第4話では先輩ズの痴話げんかを延々と見せ付けら、第5話でついに間男乱入かに思われたが実は宏嵩くんの弟というオチ。
6話では、クリスマスだというのに相変わらずのヲタクライフを満喫した主人公カップルと、リア充デートを堪能した先輩カップル。
そして第7話は、オンラインゲームにカップリング語りと、これまでで一番濃いヲタク回だったように思う。

先週放送の8話では、宏嵩くんの雷嫌いが判明。そして後半ではついに、宏嵩くんと成海が普通の! デートの! 約束を!!

そんなこんなで続きの気になる1週間を送ったわけだが、さて今週のヲタ恋は?


先週、あれだけ気になる引きで終わった本作なのだが、突然遊園地の映像が映し出されると、なにが起こったのかわからず首をかしげてしまう筆者。


遊園地など、リア充の巣窟ではないか……。

そんな場所とヲタクにいったい何の関係が?
小柳先輩がコスプレイベントにでも来ているのかな?

そう思ったところで、筆者は間違いに気づいたのである。

リア充の巣窟?

……そうか!

そう、筆者はやっと納得したのである。

先週の宏嵩くんの
「じゃあ今度の日曜は映画ね」発言がここに繋がっていることに!!(遅い。というか、先週のこのレビューを見ていて気づいた。)


だが、それも仕方なくないか。

だって、ここ、映画館じゃなくて遊園地じゃないかよ!!!!

応援上映やら舞台挨拶が散々行われ、あまつさえ声優イベントのライブビューイングまで行われるようになった映画館は、もはやヲタクにもなじみの場所と言ってしまって過言ではあるまい。そんな場所なら、成海と宏嵩くんが出かけていてもなんら違和感はない。というか、むしろ、すぐに納得できたはずなのだ。

だが、しかし!
ここは遊園地!!
リア充の巣窟ではないか!

あの! ヲタクの! カップルが!
普通のデート(ある意味、初デート)に、まさかいきなりそんな高いハードルで攻めてくるとは思わないではないか!!

いや、嘘です。
単に頭の中になかっただけです。

と、アトラクション待ちの2人、ここで宏嵩くんから、とんでもない提案が!!

「ヲタクトーク禁止!」

お、おおお、これは……。

どうやら郷に入っては郷に従え、ということで、「せっかくリア充の巣窟まで来たんだし、ヲタクトークなしで過ごそうぜ☆」ということらしい。

しかし、ここ最近は宏嵩くんといると気がゆるんでリア充の皮を被ることをすっかり忘れてしまう成海、大丈夫なのか……。

と思っていたところでさっそくヲタク発言をしてしまい、罰金を徴収される成海。

1回500円って結構高額じゃないですか……。

「お土産代なくなる」「今月はただでさえ新刊ラッシュでお金ないのに」って、そら成海じゃなくても某カ○ジみたいな表情にもなるわ。(ホントにそういう顔していたので、ぜひ本編でお確かめいただきたい。)

■しかし、容赦のない宏嵩くんである。まさに血も涙もない

そしてかわいい男子が2人で列に並んでいるのを見て、腐女子的発言をしてしまい罰金を取られる成海。
宏嵩くんはというと、移動中にスマホでゲームをしてしまい、ゲーマーの宏嵩くんはソシャゲもダメということで、こちらも罰金を払うことに。

■おまえもな

しかしそうなってみると、変に疑心暗鬼になってしまって話すことができなくなってしまう2人。
宏嵩くんはともかく、これまでの彼氏とはヲタバレしないように付き合ってきた成海がいかにして生活していたのかが気になる宏嵩くんは、成海にそのコツを尋ねてみる。

すると、「話題なんてその辺に転がってるもんだよ?」とあっさり。


悩む宏嵩くんに、急流下りの絶叫系アトラクションを指さす成海。
それを見て絶句する宏嵩くんなのだった。

結局その後もパレードを見れば「推しに着せたい」とつぶやく成海、人混みのまっただ中で「無双したい」とつぶやく宏嵩くん、と、結局2人して罰金はかさむいっぽうなのだった。

そして行き着いた先は、ライドに乗って移動する形式のお化け屋敷。
しかし、成海は怖いのが苦手らしく、ビビりまくり。
恐怖をごまかすためにひたすら話しまくり、自分たちの順番になったらさっと宏嵩くんの手を引いてライドに乗り込む。

しかし、ライド待ちの人々の中に、宏嵩くんの姿が。

……え?

ようやくライドに乗り込んで隣を確認した成海。
宏嵩くんだと思って顔を上げた先にいたのは、なななんと!!


樺倉先輩でした。
よかったね、全然知らない赤の他人とかじゃなくて。


しかし、先輩は普段会社で言っていることがまったく守られていないとご立腹。
ちゃんと確認しろ!とお怒りである。
そらそうだ。

そしてひとり残された宏嵩くんに「お兄さん、相席いいかしら」と声をかける謎の人物が。

こちらも樺倉先輩に先に行かれてしまった小柳先輩であった。

CMが明けると2組の明暗もはっきり。
かたや乗り込んだ2人してお化けやらの怖いものが苦手な樺倉&成海ペアと、そういうものはまったく気にしていなそうな、「この世で一番怖いのは人間(あるいはお金)」とでも答えそうな宏嵩くん&小柳先輩ペアである。

「怖いなら見なきゃいい」という樺倉先輩に、「お金払ってるのにもったいないじゃないですかー!」と泣きながらキレる成海。女子ってそういうところあるよね、変なところで現実的というか……。
終始ビビりまくりの成海だが、なぜかひとりで腕を組んでおり、それを樺倉先輩に指摘される。
怖すぎて、宏嵩くんじゃないのに腕組んじゃったりしたら困るから、というかわいらしい理由はあえて言わず、「怖くなくなるおまじない」という成海に、真似してみる樺倉先輩(素直すぎて愛しいレベル)。

結果「全然変わらないじゃねぇかー!!!!」とブチ切れる樺倉先輩であった。
そらそうだ。

そしてようやくアトラクションが終わり、合流できた2組。
正しいペアリングに組み直し、それぞれ別の方向へ。
ここでも「最終確認しろって、いつも言ってるだろ」と釘を刺す樺倉先輩。いい人か。

先輩ズと別れて早々に、足が痛いと宏嵩くん。
見てみると、慣れない長距離移動で靴擦れができてしまったようだ。

ベンチに座って絆創膏を貼ってあげる成海。
そういうとこ女の子らしさ出してくるよな、成海。

そんな中、成海が突然。

と、宏嵩くんの心臓が危うく止まりそうになる爆弾を落とす!

しかし、その対象は冒頭の「ヲタク発言禁止」についてであった。
よかったな、宏嵩くん。

そして解除された瞬間、マシンガンのように話し出す成海。
やはり宏嵩くんといる時の君はそうでなくてはな。

今回のラストは、そんな成海から、宏嵩くんへのプレゼントで終了。

成海はピアスの穴を開けていないので厳密には違うのだが、イヤリングとピアス、色違いでお揃いというかわいいところを見せてくれた成海。




しかししばらくピアスをはめていなかった宏嵩くんの穴は閉じかけてしまっていてピアスが通らないのであった、ちゃんちゃん。


そして恒例の公式サイトにある「名シーンふりかえりメーカー」を駆使して、新たな1枚を作成してみた。



やはり成海の顔芸は使い勝手がいい。
そして小柳先輩はドS発言がめちゃくちゃ似合うな。
というところで、また次回を楽しみに、週末を迎えようと思う。


ところで桜城さんはいつになったら本編にからんでくるんでしょうかね?


■09「デートへ行こうよ!」
宏嵩からのお誘いでデートに出かけた二人。
非ヲタモードに切り替えきれない成海に対し、「いつもよりちょっとだけ緊張してほしい」と言う宏嵩。
こうしてヲタク封印縛りデートが始まって……?

脚本:平池芳正/絵コンテ:渡辺 了/演出:岩月 甚/総作画監督:安田京弘・荒木弥緒

(編集部・U)

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