「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」押井守監督が登壇した4Kリマスター上映会レポート&写真を公開!

4Kリマスターで収録した4K ULTRA HD Blu-ray版(以下、4Kリマスター版)が6月22日に発売されるが、発売を前に押井守監督と、4Kリマスター版の制作を担当したポストプロダクション、キュー・テックの今塚誠さんが登壇した、4Kリマスター版上映会が実施された。

1995年に公開され、日本はもちろん海外でも大ヒットを記録。今なお、多くのクリエーターに影響を与えている『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』。本作品を4Kリマスターで収録した4K ULTRA HD Blu-ray版(以下、4Kリマスター版)が6月22日に発売される。

発売に先んじて、押井守監督と、4Kリマスター版の制作を担当したポストプロダクション、キュー・テックの今塚誠さんが登壇した4Kリマスター版上映会が実施された。

本作品や今回の4Kリマスターの仕上がりについてはもちろん、日々変化するメディアへの考えも押井守監督に語っていただいた上映会のレポートが到着したので紹介する。

【オフィシャルレポート】※敬称略


1995年に公開され、日本はもちろん海外でも大ヒットを記録。今なお多くのクリエーターに影響を与えている『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』。本作品を4Kリマスターで収録した4K ULTRA HD Blu-ray版(以下、4K リマスター版)が6月22日に発売される。発売に先んじて、都内で4Kリマスター版を上映するメディア向け特別上映会が行われた。

4Kリマスターされた本編の映像は、今までとは大きく印象が異なるもので、特に暗部の再現性に驚かされた。HDリマスターのBlu-rayもフィルムの持つ情報を十分に再現していたが、4Kリマスター版は、それ以上の圧倒的な情報量に生まれ変わっていると感じた。
上映が終わると、押井守監督が登壇。更に、4Kリマスター版の制作を担当した今塚誠氏がこの驚きの高画質について解説してくれた。

「『イノセンス』の4K化は僕自身も待望していましたし、IMAX版が見応えのあるものだったので、それを観ていない人には4Kで観てもらいたかった。」(押井守監督)


しかし、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』は、アナログ制作のフィルム作品。アナログ(手作業)ならではの良さもあるが、やり残したと感じるカットも多く、技術的なミスも残っているため、情報量の多い4K化は不安だったそうだ。


「しかし、4Kリマスター版を観たら、案外良かった。安心しています」(押井守監督)


4Kリマスター版は、映画館で上映されたオリジナル版とは印象が異なると感じたのだが、それについて問いかけると、押井守監督は「それでいい」という。

「フィルムの情報量は想像以上に多く、フィルム上映ではその半分も見えていなかった。それが4Kスキャンをして初めて見えてくるようになります。オリジナルとは別物でいいし、そうあるべきです。劇場で観た人にはそれまでとは違う体験になりますし、Blu-rayやDVDなどのデジタルメディアで観てきた人には4Kリマスター版が決定版となります。観た人それぞれの見方、受け取り方があっていいと思いますし、それに応えられる密度のある情報を盛り込んだ作品ですから」(押井守監督)

続いて、4Kリマスターを担当した今塚誠氏に、より技術的な解説を聞いた。4Kリマスターは、4K解像度でフィルムの傷やゴミを除去するといった修復をおこなった後、グレーディング作業(※カラーや階調を調整すること)がおこなわれる。高輝度を表示できるHDRのグレーディングは特に重要で、暗部の再現性やノイズの少ない見通しの良さはこの作業によるものが大きいという。

「高輝度を表現する技術であるHDRでは、明るい部分の粒子が目立つなど、SDRと比べても見え方が違います。ノイズの出方も同様です。それぞれのカットごとに、見え方の違いをふまえてテストを繰り返しながらグレーディングをおこなっています。また、透過光はリアルな光なのでHDRではしっかりと高輝度で光らせることができます。4Kリマスターでは、この違いがはっきりわかると思います。暗部の階調もよく出ますが、出過ぎてもいけないの
で、監督に確認していただいて微調整をおこなっています」(今塚誠氏)


「この作品は暗部にこだわって作っていました。濡れたような黒、黒浮きがなく暗部が十分に沈む再現、見えるかどうかギリギリのところが見えてほしい。今までは劇場のスクリーンでないと見えなかったところがきちんと見えていて、見せ過ぎもしない。そこがしっかりとできています」(押井守監督)


最後に驚きの情報をひとつ。主人公の草薙素子の肌の色は、実は色指定がなく、すべてのカットで色が違っているという。それは、場面や背景に合わせて最適な肌の色とすることを狙ったもので、撮影や現像などの段階ですべて細かく調整したという。そんな肌の色の違いまで、4Kリマスター版では精密に再現されている。
「4Kリマスター版は観るときは、ぜひとも画質の良いテレビで観てください」(押井守監督)。押井守監督ら作り手が徹底的に作り上げた密度の高い映像が楽しめる、4Kリマスター版をぜひとも質の高いテレビで観て欲しい。

※4K ULTRA HDとは… 4K解像度で収録した映像コンテンツのこと。4Kだけでなく、広色域規格「BT.2020」や高輝度技術「HDR」も含まれる。

※HDRとは… 従来は再現できなかった強い光を再現する技術。強い輝きの再現だけでなく、暗部の再現性も大きく向上する。

※SDRとは… HDRを採用しない一般的な輝度で収録された映像。現行のテレビ放送などほとんどの映像はSDRに分類される。


【イベント概要】

■「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」4Kリマスター版上映会
・会場:株式会社キュー・テック
・登壇ゲスト:
 押井守(『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』監督)
 技術解説:今塚誠(株式会社キュー・テック テクニカルコーディネーター/シニアカラリスト)
・上映会視聴モニタ:有機ELテレビ「TH-65FZ1000」(パナソニック製)

【商品情報】

■「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」 4Kリマスターセット(4K ULTRA HD Blu-ray&Blu-ray Disc 2枚組)
・品番:BCQA-0007
・価格:9,800円(税別)

■「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」&「イノセンス」4K ULTRA HD Blu-ray セット
 ※2019年6月30日までの期間限定生産
・品番:BCQA-0008
・価格:12,800円(税別)


・発売日:2018年6月22日

・発売元:バンダイナムコアーツ・講談社・MANGA ENTERTAINMENT
・販売元:バンダイナムコアーツ

<特典仕様>
※特典・仕様等は予告なく変更する場合がございます。
【映像特典】■劇場特報/劇場予告編
【他、仕様】■音声及び字幕は日本語と英語を収録 ■キャラクターデザイン沖浦啓之描き下ろしによる新規イラストジャケット 


※特典・仕様等は予告なく変更する場合がございます。

※UHD BDのご視聴にはULTRA HD Blu-rayに対応した専用プレーヤー、再生環境が必要です。4K(HDCP2.2対応)及びHDR(ハイダイナミックレンジ)に対応していないテレビ等でご覧になる場合は、本来の画質では再生されません。
※“ULTRA HD Blu-ray” および “4K ULTRA HD”ロゴは、ブルーレイディスクアソシエーションの商標です。

(C)1995 士郎正宗/講談社・バンダイビジュアル・MANGA ENTERTAINMENT

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