「ヲタクに恋は難しい」第10話感想:「きみと友達になりたいんだ!」「それってフレンド申請ってことですか?」

「隠れ腐女子のOL・成海(なるみ)と、重度のゲームヲタク・宏嵩(ひろたか)。そんな2人の恋愛は、ヲタクなら思わずクスッとする笑いあり、そうじゃない人もキュンキュンするシチュエーションあり。 ヲタクの恋愛をポジティブに描写した新しいタイプのラブコメ。」という「ヲタクに恋は難しい」。今回は第10話の感想をお届けする。

先週放送の9話では、ついに宏嵩くんと成海が遊園地デートを決行! 
ヲタクトークを禁止された成海が一般人という名の猫をかぶり、途中先輩ズに遭遇したり、宏嵩くんの心臓が止まりそうな爆弾発言をかましたりとさまざまな展開があったわけだが、今週はそんなデートの思い出を反芻する成海の様子からスタート。

時々まぎれてくる男子2人が写っている写真(※隠し撮りはやめましょう)にうはうはして、再び宏嵩くんに罰金を科せられそうになる成海。

そんな通常営業の2人も昼休憩が終わり、カフェを後に。その2人と親しげに話していた尚ちゃんに、バイト仲間が「今の人知り合い?」と声をかけてきます。
「兄なんです」と明かす尚ちゃんに、ゆるい雰囲気の尚ちゃんでもスーツを着ればああなるのかとバイト仲間たち。

おや、どうやら今週は尚ちゃんのバイト先でのお話のよう?

先週の感想のラスト、筆者はこう書き記していた。
「ところで桜城さんはいつになったら本編にからんでくるんでしょうかね?」と。

そもそも桜城さんとはいったい誰なのか、顔も思い浮かばないという人も少なからずいたはず。
しかし、その先週立てたフラグが、見事今週、第10話にしてようやく回収されることとなったのである!

休憩に向かう尚ちゃんだが、なにやら気になったお客さんがいたようだ。
店内でゲームをやっているお客のゲーム機をじっと見つめる尚ちゃん。
「俺がワンパンで死んだやつだー」とのんきな尚ちゃん。


そしてその尚ちゃんの視線に、お客さんが気付いた次の瞬間、そのお客さんはいそいそと荷物を片付け、脱兎のごとく逃げ去ってしまった。

後に残された尚ちゃん。
そのお客さんが落としていった忘れ物を拾いあげるのであった。

そして、CMがあけてみると、尚ちゃんは大学内の食堂で友達と話している最中、あのお客さんがゲームをしているのを発見!
友達に聞いてみたところ、「桜城じゃん」との回答が。
さらにその友達は桜城さんのことを「ひとりが平気なタイプ」と。それを聞いた尚ちゃんの脳裏には、ゲームの最中に声をかけたら「俺の手を止めてまで伝えたい用事ってなに」と超絶塩対応の兄・宏嵩くんがよぎるのであった。

さてその尚ちゃんが、いったいこの後どんな行動に移ったのかというと。
カフェに来ていたお客さんということ以外まったく見知らぬ人(正確には落とし物に大学名が入っていて、それが自分の通っている大学だったので知らない人ではなかったらしいが)である桜城さんのほうへ向かっていき、なんとゲームをしている桜城さんの正面の席に腰かけたのである!

ゲームに夢中な桜城さんはそのことにまっっったく気づかないのだが、ゲームをしている桜城さんをじっと眺めている尚ちゃん。
そうしてしばらくしてゲームクリアした桜城さんが満足げにゲームの手を止めたところで、この前の落とし物を渡してあげる尚ちゃん。

しかし、いきなりまた知らない人に声をかけられて、どもりつつ再び「すみません!」と謝る桜城さん。そんな桜城さんに、ニコニコ笑顔の尚ちゃん。

そのキラキラオーラに耐えられなくなり、逃げようとする桜城さんだったのだが、それを引き留める尚ちゃん。
おそるおそる何なのか尋ねる桜城さんに

「ゲーム、今度一緒にやらない?」と声かける尚ちゃん!

怖っ!
ヲタク的にそれはめっちゃ怖っ!
知らない人やで? そんなん絶対怯えるわ……
などと思っていたら、さらに追い打ちで


などと言い出す始末。

さ、さすが、コミュニケーション能力値がMAXを振り切っているような、ふわふわフレンドリー愛されキャラの尚ちゃん!
なんというコミュニケーション能力の高さというか、物怖じしなさというか、社交性の塊か君は。兄とは大違いだな。

イケメンが突然ふわふわにっこにこしながら聞いてきたら、誰だって警戒するよね。
しかし落とし物を届けてくれたわけだし、からかってる雰囲気でもないし、と、きっと頭の中でぐるぐるしたであろう結果、桜城さんは


と。

そして、一生懸命考えてくれた結果


めちゃくちゃいやいやっぽいけど、とりあえずゲーム仲間として受け入れるという意味を込めた大きな一歩を踏み出してくれたわけだが、そんなコミュ障のヲタクの脳内などさっぱりわかっていないであろう尚ちゃんは

「よろしくね、光くん!」と元気いっぱい。

それを遠目に見ていたさきほどの友達。

「え、女子なの?」

そうなのである。
桜城さんは身長も高く、ショートカットに黒縁メガネで化粧っ気もまったくない上にパンツスタイルでチェックシャツにセーターを着ているのでわかりにくいのだが、女子なのである!
そして尚ちゃんは、まったく気づかないまま物語が進むのである。
これはまさか……。

さて、そんなこんなで無事にフレンド申請が通って仲間になった尚ちゃんと桜城さん。
以前、成海たちがやっていたオンラインゲームを自分も始めた尚ちゃん。


桜城さんと行く前に少しでもレベルを上げておこうと、成海たちに手伝ってもらってレベル上げに繰り出すことにしたのだが、最強プレイヤーのお兄ちゃんは参加してくれず。
成海が「宏嵩は?」と声をかけると


と尚ちゃん。

あかん、それは成海に言ってはあかんやつやで、尚ちゃん。
完全に成海の脳内で弟×兄(普段は兄×弟なのだろうがこの場合はこちらであろう)のフラグが立ってしまうやつだぞ。
案の定「その話kwsk!!」と鼻息を荒くする成海。
そして宏嵩くんから
「その言い方は誤解招くよ」と止めが入るのであった。

しかし後ろにいるのにゲームには参加してくれないどころかまた別のゲームに勤しんでいる宏嵩くん。

結局今回も先輩ズ(おっと小柳先輩が男に性別チェンジしてるぜ! 男前だぜ!)と成海、そして尚ちゃんのパーティーで繰り出すことに。
まあ、当然のごとくあっさりやられる尚ちゃん。
そしてピンチに陥る4人。
誰か、誰か(というか宏嵩くん)助けてくれ!な4人。
そこへ、突如として現れた救世主。
4人を助けると、颯爽と姿を消してしまったのだが、その直後、例のジャージ姿のふざけた装備の宏嵩が登場し、3人はさっきの救世主は宏嵩くんだろうと、「なんでもっと早くこないんだ」と詰め寄るが、そんな中、ひとり尚ちゃんだけは、先ほどの救世主が誰だったのか、気づいていたのであった。

Bパートは、相変わらず遅刻ぎりぎりで会社にダッシュで向かう成海。
その前方に、なぜか宏嵩くんの姿が。
珍しいなと思ったのは成海だけではなく宏嵩くんもだったのだが、なななんと、宏嵩くん、メガネをしていないではないか!
コンタクトにしたのかと思いきや、寝ぼけて踏んづけて壊してしまったとのこと。
ということは……。

そう、宏嵩くん、何も見えていないのである、
結果、いつもの時間だと思っていたら、成海がくるような時間だったということで、見えないのに成海と一緒にダッシュする羽目に。

結局その日は1日、社内でもメガネがなくて見えないまま過ごし、初めて裸眼状態の宏嵩くんを見た他の女性社員たちがざわつくのを見かねた樺倉先輩が、宏嵩くんに早めのお昼休憩を指示してメガネを作りにいくことに。成海に付き添いをさせて、その場を納めてくれたのであった。

そうして無事にリミッター(視界制御)が解除され、通常営業に戻った宏嵩くんなのであった。

さて、尚ちゃんはというと、初心者ながらもなんとか桜城さんについていこうと、ソロクエに挑もうとしており、その様子を見守っていた桜城さん。
クエストから帰ってきた尚ちゃんに首尾を尋ねるも、土下座して謝る尚ちゃん。
何度かリトライしするも全然クリアできず、「何回やっても下手でごめんね」と、怒られるだろうと思いつつ謝る尚ちゃんに、桜城さんは「攻略変えてみましょうか」と。


ななな、なんとやさしい!! 誰かさん(主に宏嵩さん)とは大違いだぜ!!
こんな親身になって教えてくれる先輩ゲーマーがいるなら、筆者もやってみたいっす、オンラインゲーム。
ちょっと難しいクエストだったかもと別の挑戦をすることになった尚ちゃんが

「次はきっとクリアするから、帰ってきたら一緒に遊ぼうね!」

と手を振ってクエストに挑んでいく背中を見た桜城さん。


そして、当然のごとくな結果の尚ちゃんなのであった。

さて、宏嵩くんの家にゲームをやりにきていた尚ちゃん、ちょっと友達と電話をするのに席を外していたところ、宏嵩くんが勝手にプレイしてしまい、突然動きの変わった尚ちゃんのアバターに、当然桜城さんもすぐに気づいたのだが、その時には尚ちゃんが戻ってきて即座に交代。
何で勝手にやるのか詰め寄る尚ちゃんに、「ナックル使ってみたくて」とゲーマー魂を隠しもしない兄であった。

改めてクエストに向かった2人、Cパートでは仲良く倒れている2人の姿が。
「仲良くリタイアした」と楽しそうな尚ちゃんと、クリアさせてあげられなくて崩れ落ちる桜城さんなのであった。

ようやく出てきた桜城さん。
尚ちゃんは男友達と扱っているものの、もうそろそろ最終回ではないかと思うのだが、尚ちゃんは桜城さんが女の子だといつ気付くのか。そしてこの2人はどっちが先に恋を自覚するのか。

最終回まで、まだまだ先が楽しみな「ヲタ恋」である。


■10「光くん登場とネトゲリベンジ」
バイト中、尚哉は黙々とゲームに集中しているお客さんを見かける。
よく見ると、そのゲームは以前プレイしたネトゲだった。
気になった尚哉がお客さんに声をかけると、勢いよく謝りながら立ち去ってしまい……?

脚本:高木聖子/絵コンテ:斎藤哲人/演出:嵯峨 敏・飛田 剛/総作画監督:安田京弘・荒木弥緒

(編集部・U)

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