「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」第10話感想 ソースがたっぷり染みたカツサンド美味しいですよね……

「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」(以下、のぶ)は、最近流行りの異世界ものと食を題材とした作品だ。京都の寂れた通りに「居酒屋のぶ」を構えているが、店の正面入口が中世ヨーロッパ風な異世界の街・古都アイテーリアとなぜか繋がってしまっている。店を切り盛りする大将の矢澤信之と給仕の千家しのぶの2人は、そんな異世界の住人を相手に店を営業している。

「のぶ」には、衛兵、職人、商人、貴族など、さまざまな職業の人たちがやってきては、うまい酒と肴でその日の疲れを癒やす……あたかも日本のサラリーマンが居酒屋で飲んでいるのと同じような光景が描かれる。


第10話はブランターノ男爵の従者・ダミアンが、しのぶちゃんと会話している場面から始まる。のっけから高圧的なダミアンは「店主に伝えておけ、今晩この酒場を貸し切るとな」といきなり告げるが、当日に店を貸し切るとか普通の居酒屋なら当然お断りされるパターンだ。しのぶちゃんも当然お断りするが、ダミアンは「娘、商売人として少々頭が足りてないのではないか。金のある客には言葉を選べ」と金貨をちらつかせたりしながら失礼な物言いを続ける。しかし、「申し訳ありません、たとえどなたであろうと店を独り占めする方にお出しする料理もお酒も当店にはございません」と毅然とお断りするしのぶちゃん。

夕方になり徴税請負人のゲーアノートが食事を取ろうと「のぶ」に入ろうとしたところ、昼間に来たダミアンと、ブランターノ男爵やその取り巻きがいるのを見て「また今度にするか」ときびすを返す。

ブランターノ男爵は「先日、とある結婚披露宴で、花嫁からある料理の名を聞いたのだ。臭くなくて辛くなくて酸っぱくなくて苦くなくて硬くなくてパンでも芋でもお粥でも卵でもシチューでもない、おいしいもの餡かけ湯豆腐!」どうやらブランターノ男爵は第3話に登場したヒルデガルドから「のぶ」のことを聞きつけてやってきたようだ。「この私は三国の美味や珍味を食べ尽くした美食家である。ゆえにこの古都に私の知らない美味などあってはならない」と言われ、唖然とする「のぶ」の面々。
しかし、しのぶちゃんが「餡かけ湯豆腐冬限定のメニューで、湯豆腐は周りの寒さも含めて味わっていただく温かい料理です。今は美味しい状態でお出しすることができないんです」と言うと、ダミアンが「いいから言われた通りに出せ」など小うるさいことを言う。いっぽう、多少は物わかりのよい?ブランターノ男爵は、「季節にあわないものを出させたとあっては、私の名に傷が付きかねん」と「餡かけ湯豆腐」についてはあきらめたが、「だが私は空腹だ代わりに別のものを注文しよう。シュニッツェルだ」と言い放つ。「シュニッツェル」と聞いて、タイショーもしのぶちゃんも「シュニッツェル」が何の料理かわからない様子。ブランターノ男爵から挑発めいた言葉を浴びせられたタイショーが「当店では提供していない料理ですから少し準備にお時間をいただきます」と言い返し、衛兵のところにどんな料理なのかを聞きに行く。

タイショーが出て行ってから、カードゲームをはじめるブランターノ男爵たち。残ったしのぶちゃんとエーファちゃんは、まかない用のサンドイッチを作りはじめるが、空腹のブランターノ男爵から自分たちにも出せと言われ、まかない用のサンドイッチ(たまごサンドと野菜サンド)を出すことに。これをぺろりとたいらげたブランターノ男爵たちから、次はもっと腹にたまる具がいいと言われ、しのぶちゃんは冷蔵庫に入っていたお肉でトンカツを揚げてから、そのカツをパンにはさんだ「ヒレカツサンド」を配膳。すると、男爵一行はジューシーなカツの美味しさに衝撃を受ける。そういえばサンドイッチの名の由来は、ギャンブルに夢中なサンドイッチ伯爵がカードをしながらでも食事を取れるようにと考えたメニューというのは有名な話ですねえ。


なお、作中で登場した「シュニッツェル」を検索すると、ドイツ語で「カツレツ」のことらしく、しのぶちゃんが偶然出した「カツサンド」が正解だった模様。筆者も、「カツサンド」というと、まい泉の「ヒレかつサンド」や、肉の万世の「万かつサンド」などがたまーに無性に食べたくなる。

後半の実写パート「のぶ+PLUS」は、シンガーソングライター・タレントのなぎら健壱さんが「のぶ」に登場した絶品料理を探す「なぎら健壱ののぶ居酒屋をさがして」の5回目。前回とんかつを食べたなぎらさん、今回は「カツサンド」をもとめ、御茶ノ水の「東京丸鶏」へ。「天の掲示を受けてこの店に来たんですけど、間違っちゃたかな?」と「東京丸鶏」と書かれたコースターを眺めるなぎらさん。店主からすすめられた「鶏の丸焼き」を食べながら「あれ?これじゃないんじゃないか」と途中で「カツサンド」のことを忘れてしまっていた模様。心の声が頼んだ?らしい「マルドリ風カツサンド」はチキンカツのカツサンドらしく、なかなか美味しいそうな一品。

今回の放送を見て今日は揚げ物な気分になったが、揚げ物にあうお酒というとやはり「トリアエズナマ」だろうと思い、冷えたハートランドとまい泉の「ヒレかつサンド」をいただきたい。



(編集部 よなよなハンター)

(C) 異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~製作委員会

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