【特別座談会】アキバ総研スタッフが推す、2018夏アニメ注目作品とは?
今年2018年の夏アニメもいよいよ出そろった。アキバ総研調べによると、新作だけに限ってもその数はなんと47本。前期からの継続作品を入れれば、60本近い作品が今期も放送される。ここまで数が多くなってくると、面白そうなアニメを探すのもひと苦労という人も多いことだろう。そこで、本企画では、日頃からアニメ作品をチェックしているアキバ総研のスタッフ7名が、それぞれの注目している作品を5本ずつセレクト。その結果を持ち寄り、2018年夏アニメにおける注目作品について、自由に話し合ってもらった。ぜひ、今夏のアニメ選びの参考にしていただきたい。
編集長・鎌田(♂)の注目5選
・進撃の巨人 Season 3
・BANANA FISH
・ヤマノススメ サードシーズン
・少女☆歌劇 レヴュースタァライト
・ハッピーシュガーライフ
鎌田:まずは「進撃の巨人 Season 3」だけど、言わずもがなの人気作だしね。僕はコミックも全巻買ってるけど、ようやく3期かーって感じで、ファンなら間違いなく見るでしょ。今期からNHKで放送されるのも、安定感という点では注目。最近のNHKはアニメについてやたら攻めてるよね。「3月のライオン」しかり、「ピアノの森」しかり。
編集部K:NHKならずっとやってくれそうですよね。
鎌田:「進撃」まだ原作、全然消化できてないしね。NHKなら最後までちゃんとやってくれるんじゃないかと。
編集部U:再放送もしてくれるし、夏休みになったら一挙放送とかもやってくれそうですしね。
編集部A:国営放送がグロ描写がどこまで許されるんでしょうね?
鎌田:さすがにそこはわかってるでしょ。NHKさんも。次は「BANANA FISH」ですが、これはやっぱり僕ら世代(40代)では外せないかなと。
編集部K:私も原作マンガは大好きです。
鎌田:あまりにも名作なんで、外したら怖いなーって一抹の不安もあるんだけどね……。
編集部U:私はむしろ不安なんですけど。設定が現代っていうのがすでに……。あの時代じゃないと意味がないんじゃないのかなと。
鎌田:まあ、昔の名作マンガをアニメ化するときには必ずそういう不安がつきまとうよね。今さら~!って感じもあるけど、でもやっぱり見てみたいなと。あとは押さえ的に「ヤマノススメ サードシーズン」。1期、2期の出来・評判ともよかったので、当然ながら3期も期待ってことで。登山のハイシーズンだし、これは鉄板でしょう。
編集部K:「ヤマノススメ」いいんですけど、「ゆるキャン△」にちょっと食われたんじゃないかなという気もしますが。
鎌田:いや、まだイケると思うよ。
編集部A:「ゆるキャン」は山登りませんからね。
鎌田:僕の知り合いは「ゆるキャン」に影響されて、唐突にキャンプ道具そろえて、1人キャンプに行ってたよ(笑)。
編集部A:僕は、「ヤマノススメ セカンドシーズン」の放映時に、突然、友人に誘われて秩父の山登りにつきあわされた経験があります(笑)。
鎌田:あと2つは、期待も込めてというところで、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」「ハッピーシュガーライフ」かな。どちらもヒット要素は多分に持ってると思う。
編集部A:「レヴュースタァライト」は、「バンドリ」を仕掛けたブシロードが、今度はミュージカルだ!ってことで作った作品ですよね。
鎌田:アニメと2.5次元のコラボ作品ってのは珍しくないけど、普通はアニメが先で舞台が後だけど、舞台が先でアニメが後ってのが新しいよね。舞台は評判よかったみたいだし。
編集部K:「ハッピーシュガーライフ」は結構エグい話ですよね。
鎌田:なんだけど、かわいい絵柄と、それとは裏腹なホラー的展開ってのは、最近のアニメのトレンドのひとつかなーと。「少女終末旅行」とか「メイドインアビス」とか。最近の魔法少女系もそうだけど。
編集部U:そういえば、今期は魔法少女ものがないですね。最近多かったから、やり過ぎたのかも。
編集部A:その代わり、「○○荘」と「水際もの」がかぶってる。季節柄仕方ないですけどね。
編集部A(♂)の注目5選
・アンゴルモア 元寇合戦記
・ちおちゃんの通学路
・ハイスコアガール
・プラネット・ウィズ
・ISLAND(アイランド)
編集部A:僕はまず「アンゴルモア 元寇合戦記」ですね。原作がハードコアな歴史物で、元寇のときの対馬が舞台になってるんです。かなりリアルな戦国ものなので、どこまでクオリティを追求できるかがポイントかなと思いますが。
鎌田:どこが制作するんだっけ?
編集部A:NAZですね。過去に「はじめてのギャル」とか「ハマトラ」とか作ってますね。
編集部U:大丈夫かなあ。頑張ってほしいですけど。
編集部A:原作は面白いんですけど、下手に力を抜くと一気にチープになっちゃうので、そこは頑張ってほしいところで(笑)。
鎌田:声優陣は豪華だね。男ばっかだけど(笑)。
編集部A:おっさん率が異様に高い(笑)。
編集部U:戦国ものなんだから、そりゃそうでしょ。
編集部A:そういう男臭いところがいいんですよ。あと、イケメンが出ない(笑)。
編集部K:意外な女子ウケするかも。
編集部A:次が「ちおちゃんの通学路」です。
編集部U:そこ?(笑)
編集部A:原作は結構シュールなギャグマンガで面白いんですが、どこまであのテンションを出せるかが勝負ですね。
編集部U:5分アニメですか?
編集部A:いや30分もの。
編集部Z:30分も登校し続けるんですか!?(笑)
編集部A:そうなんだよ。
編集部U:学校のシーンはないの?
編集部A:ない。
編集部K:どういうこと??
編集部A:だから、登下校しかシーンがないのに、30分どう持たせるんだろうっていうところはあるんだけどね(笑)。10分くらいのエピソードを3つつなげるのか、どうするんだろうっていうのは、気になるところ。絵とかはヌルヌル動かしたほうが面白くなるとは思うんだけど。噂では、結構制作大変らしいんだけども。
次は「ハイスコアガール」ですね。これはもう満を持してのアニメ化です。数年前に著作権関係で問題があって一度は話が流れてしまったんですが、今回はメーカーの全面協力を得てのアニメ化ということで期待したいところです。ゲーム画面も実際にはめ込まれているらしく、しかもフルCGで作るということなんです。作るのはJ.C.STAFFなんですけど。
編集部Z:J.C.STAFFでフルCGって珍しい!
編集部A:実際初めてなんですよ。だからどんな感じの作画になるのかも注目です。ゲーム業界全面協力ですし、EDはやくしまるえつこという、サブカル感満載な感じで!
鎌田:すごいな!(笑)
編集部A:次が「プラネット・ウィズ」です。今期唯一のロボットアニメということで。
鎌田:オリジナル作品だっけ?
編集部A:そうです。水上悟志さんがマンガ原作とネームとキャラ原案をやっているという、ちょっと変わった作品ですね。
鎌田:絵を見たら、子供向けアニメかと思ったけど、違うんだね。
編集部A:そうなんですよ。ちょっと古い感じのメカデザインなんですが、まさに80年代、90年代のアニメを見てきた、僕ら世代向けのアニメなんですよね。最近、多いパターンなんですけど。
鎌田:しかも、こっちもJ.C.STAFFなんだ。
編集部U:そんなにやって、大丈夫なの?(笑)
編集部A:最近やや元気のないロボットアニメなんですけど、期待も込めて。
あとは、これはどうなるかわからないんですが「ISLAND(アイランド)」です。久々のPCゲーム原作アニメですね。「グリザイア」シリーズを作った「フロントウイング」が作ったゲームですが、「グリザイア」が結構面白かったので期待大です。
編集部U:某声優さんの降板が話題になりましたけどね。田村ゆかりさんが主演だし、鉄板ですね。
編集部A:久々の本格PCゲーム系アニメという感じです。まさに「おまえらのためのアニメ」っていう感じで(笑)。
鎌田:最近なかったよね。この手の。
編集部A:最近なかったですね。PCゲーム自体がやや斜陽っぽいので(笑)。
鎌田:制作は「feel.」なんだ。最近いい仕事してるよね。春アニメだと「ヒナまつり」とか。その前だと「月がきれい」とか。
編集部A:美少女系では定評ありますね。「おしえて!ギャル子ちゃん」とか。
編集部U(♀)の注目5選
・中間管理録トネガワ
・BANANA FISH
・Free!-Dive to the Future-
・はたらく細胞
・ゾイドワイルド
編集部U:私はまず「中間管理録トネガワ」ですね。
編集部K:言うと思った(笑)。
編集部U:好きなんです、この手の作品が。
編集部K:トネガワ役は森川智之さんですね。
編集部U:ただ、私的には、森川さんの声じゃ若すぎる気がしますね。もっとおじいちゃん的な声がよかったかなと。
編集部K:しかもナレーションが川平慈英!
編集部A:ギャグなの?
編集部U:全力でギャグです。「カイジ」みたいなシリアスなテンションじゃないです。
鎌田:これも見事にキャストが男だらけ……。
編集部Z:主題歌が「ゲスの極み乙女。」と「竹原ピストル」ってのもいいですよね。
編集部U:主題歌がめちゃくちゃ攻めてますよね! しかも、このために曲作ってますから!
編集部A:シリーズ構成は広田光毅さんですね。これはギャグに振り切る感じかな。
編集部U:です。火曜深夜に楽しく見たいなって感じです。あと、さすがに「BANANA FISH」は外せないかな。女子オタク的には。あと「Free!-Dive to the Future-」も。
鎌田:鉄板だねー。
編集部K:これって、前作からの続きものなの?
編集部U:数年後の世界ですね。主人公たちは大学生になっていて、岩鳶高校水泳部には別の高校の子たちが一緒になってくるんですけど、その子たちは映画版に出てきていた子たちなんです。なので、映画版を見ていたほうが楽しいとは思うんですけど、見てなくても十分楽しめるだろうなと。
編集部A:しかし「Free!」がこんなに息の長いシリーズになるとは思わなかったなあ。
鎌田:僕も1期、2期は面白く見てたけどね。
編集部A:監督変わるんですよね。以前は女性の監督で、男子の筋肉美とかを結構フィーチャーしてた感があったんだけど、今回男性監督になるので、そのへんがどう変わるのかなー。男目線だと(笑)。
編集部U:どうですかねー。男性目線で「君たちが見たいのはこれだろ」って押しつけられて、腐女子たちから「違うだろー!」っていう風にならなければいいですけど(笑)。
一同:(笑)。
編集部U:とにかく女子たちの期待がすごいですから、絶対外してほしくないぞと。新作が発表された瞬間のネット上の反応がすごかったですから。みんな泣いてましたよ。2年生の子たちが出ないことに泣いて、映画版の子たちが出るってのにそのファンの子たちがまた泣いてっていう(笑)。
編集部K:そしてグッズがまた飛ぶように売れるという(笑)。
編集部U:新キャラのフィギュアに期待大です!
編集部U:あとは「はたらく細胞」です。アニメ化発表される前から、CMでちょこちょこ流れてたじゃないですか。あの刷り込みですね(笑)。
鎌田:あのネタで30分とか大丈夫なんだろうか。
編集部U:だから、すごく身体のこととか教えてくれるんじゃないですか?(笑)
編集部K:健康についてものすごく詳しくなれるとか。
編集部A:今期アニメって、なんかこういう一点突破的な作品が多いような。「通学路」といい「細胞」といい(笑)。
鎌田:脚本家が泣きそうだなー。小ネタの作品を30分にふくらますのって(笑)。
編集部U:最後は悩んだんですが「ゾイドワイルド」で。
鎌田:ゾイド、好きなの?
編集部U:なんだかゾイドが気になって仕方ないんです。アニメ自体は以前にちょこっと見たことあるくらいなんですけど、この前、たまたまイベントの取材に行ったら、ゾイド(玩具)が動いているのがものすごくカッコよくて。
鎌田:この前、玩具のゾイドも新シリーズになったんだよね。
編集部U:12年ぶりに新シリーズが出ました。それと一緒にアニメ化というセットで。
鎌田:昔からある王道パターンだよね。スポンサーがおもちゃメーカーという。ミクロマンとかトランスフォーマーとか。
編集部A:ダイアクロンとか(笑)。でも、タカラトミーって、子供向けコンテンツが最近かなり充実してて、先日の「おもちゃショー」でも、バンダイがどちらかと言えば大人層をターゲットにしていたのに対して、タカラトミーは完全に子供向けという印象でしたね。女の子向けだと、プリパラとかリカちゃんなんかもそうですね。
鎌田:男子向けだとベイブレードとか、シンカリオンとかね。
編集部A:シンカリオンはすごい人気ですね。子供たちはもう夢中で。大宮が一躍脚光を浴びてますからね。
編集部U:その後番組として放送されるので、期待したいところです。
(後半に続く)
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