アニメライターが選ぶ、2018年夏アニメ注目の5作品を紹介!【アニメコラム】

アキバ総研調べによると、2018年夏の新作アニメの本数は47本。今回はコミック原作の話題作5本をピックアップしました。
大ヒット作のスピンオフ「中間管理録トネガワ」、「COMICメテオ」の同居コメディ「邪神ちゃんドロップキック」、「ComicWalker」連載の時代アクション「アンゴルモア元寇合戦記」、「月刊少年シリウス」の擬人化マンガ「はたらく細胞」、「ヤングアニマル」の女子中学生コメディ「あそびあそばせ」をご紹介!


中間管理録トネガワ

福本伸行のギャンブルマンガ「賭博黙示録カイジ」のスピンオフがついにアニメ化。主人公は帝愛グループ幹部・利根川幸雄。オリジナル版ではカイジら債務者をクズ呼ばわりして説教をかまし、大物のオーラをまとっていたが、本作では上司と部下に翻弄される小市民としての苦悩が描かれている。兵藤会長のワガママに付き合わされたり、部下の黒服たちの見分けがつかなくて悩んだりする姿に、思わず感情移入してしまう。
制作は「カイジ」のアニメを手がけたマッドハウスが続投。キャラクターの輪郭線を強調したデザインはそのままで、アニメからのファンも違和感なく楽しめそうだ。利根川役は森川智之が担当。声優事務所の社長も務める森川が中間管理職の悲哀をどう演じるのだろうか。カイジ役の萩原聖人もキャスティングされており、その出演シーンも気になるところ。



邪神ちゃんドロップキック

下半身はヘビ、上半身はギャルという魔界の悪魔・邪神ちゃんが、ちょっぴりブラックな女子大生・花園ゆりねに召喚されて、ひとつ屋根の下で暮らす同居コメディ。召喚者が死ねば魔界に帰れるため、邪神ちゃんは殺人ドロップキックでゆりねを亡き者にしようとするものの、毎度のように返り討ちにあってしまう……。
ゆりねのお仕置きは、大鉈で尻尾をぶった切りにしたり、チェーンソーで全身をミンチにしたりと、かなり過激。PVでは召喚シーンが正統派ファンタジーと見まごう重厚なタッチで描かれており、2人のバトルも見どころになりそうだ。キャストが本物のドロップキックを研究するために女子プロ観戦するなど、異色のプロモーションも話題に。キュートとバイオレンスが同居した今夏の注目作!



アンゴルモア 元寇合戦記

罪人として対馬に送られた鎌倉武士・朽井迅三郎(くちいじんざぶろう)が、モンゴル帝国の対馬来攻に立ち向かう歴史大河ロマン。戦国ではなく鎌倉時代を舞台とした歴史アニメは珍しく、1274年に起こった文永の役を史実に踏まえて描いている。当時の武士が着用していた深紅の大鎧や、馬上で弓を射る騎射などがていねいに表現された。和紙を乗せたような効果がかかった画面も特徴的で、歴史ものの雰囲気を盛り上げていく。
原作では流血を交えた合戦が披露されており、戦の恐ろしさを痛感させられる場面も多い。テレビアニメでどこまで描けるのか期待したい。放送に先駆けて、舞台の地である対馬では先行上映会を開催。自然豊かな対馬の動植物や風景も堪能できそうだ。



はたらく細胞

世の中のありとあらゆるものが擬人化されてきたが、本作では人間の体内細胞がキャラクターに変身。人間の体内は街になっており、体中に酸素を運ぶ赤血球をはじめ、バラエティ豊かな細胞たちの日常を垣間見ることができる。とくに細菌を倒す白血球は、髪や服装にいたるまで全身真っ白でインパクト抜群。そんな彼が「この雑菌野郎!!」と細菌をダガーナイフで駆除し、相手の血(?)で体を真っ赤に染める姿は、バトルアニメの雰囲気すら漂っている。
もちろん医療アニメとしての要素もあり、キラーT細胞やマクロファージなど、聞いたことはあるがよく知らない細胞たちの機能も学習可能だ。キャストは赤血球役に花澤香菜、白血球役に前野智昭と実力派が集結。2017年に制作されたスペシャルアニメを見ておけば、作品をより楽しめるだろう。



あそびあそばせ

遊び人研究会を結成した女子中学生3人が織りなすガールズコメディ。原作は繊細かつ可憐な絵柄が魅力的だが、本編はそこから想像ができないほどシュール。突然リアルタッチな絵に変わったり、はたまた極端なデフォルメが施されたりと、波乱の展開に。百面相の顔芸がアニメでも繰り出されることになる。
監督は「天体戦士サンレッド」や「月がきれい」の岸誠二が担当。本作でも声優の芝居を先に収録するプレスコ方式を採用しており、息の合ったかけ合いが見られそうだ。メインキャストの木野日菜、長江里加、小原好美はオープニング・エンディングの主題歌も務め、歌声でも作品を表現する。



(文/高橋克則)

(C) 福本伸行・萩原天晴・三好智樹・橋本智広/講談社・帝愛グループ 広報部
(C) ユキヲ・COMICメテオ/邪神ちゃんドロップキック製作委員会
(C) 2018 たかぎ七彦/KADOKAWA/アンゴルモア元寇合戦記製作委員会
(C) 清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
(C) 涼川りん・白泉社/「あそびあそばせ」製作委員会

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