「Back Street Girls-ゴクドルズ-」第1話感想:中身はヤクザなアイドル「ゴクドルズ」誕生!
“ぶっ飛んだ”アイドルアニメが始まった。極道渡世に身も心も捧げた生粋の極道男3人は、やらかしちゃった落とし前にアイドルデビューすることになる。ただし、普通のアイドルになるわけではないのがこの作品のポイント。漢(オトコ)な3人衆は、性転換&全身整形し、かわいらしい女の子アイドルとしてデビューするというものなのだ。
予告をチラリと見たときには、「そんなこと可能なのか……」と半信半疑だったが、放送された第1話で、アイドルとしてデビューするまでの道のり(といっても説明は短め(笑))を見たら、なるほど“売れないわけはない”と納得してしまったのである。
まずはアイドルらしいオープニングからスタート。振り付けも絵柄もかわいいし、一緒に歌って踊りたくなるキャッチーな楽曲で、“この子たちを応援したい!”と思ってしまった。オープニング「ゴクドルミュージック」を楽曲提供したのは、「ようこそジャパリパークへ」などの楽曲提供でも知られる大石昌良。初回で一気に心をつかまれるはずだ! と納得である。ゴクドルズ虹組の歌うアイドルらしいオープニングもいいけれど、ゴクドルズの中身――極道な男たちバージョンもいつか聴いてみたいところだ。
ちなみに、OP映像のダンスシルエットは、ウィッグをつけた今千秋監督なのだそう。ひとりで3キャラを踊り分け、なんと驚異の17テイクを重ねて完成したという渾身作なのだ。本編は、動かないアニメ、いわゆる紙芝居風の演出に対して、オープニングはガンガン動きまくるというギャップもこのアニメのおもしろさのひとつかもしれない。
さて。いよいよ本編へ。第1話は原作の1話〜5話までのエピソードを映像化している。男の中の男だった極道3人組がアイドルになった経緯からマネージャー登場シーン、そして、尊敬する“カシラ”とのエピソードを中心に描かれている。原作再現率の高い作品なので、原作好きの方も満足できるはず! 原作を知らなくても、テンポのよさや、すれ違いネタ&ギャップの鉄板ギャグのおかげで、とんでもない世界観でも入り込みやすい作品にしあがっている。
見どころは何と言っても外見と中身のギャップ。かわいい女の子アイドルの中身は、極道のおっさんなのである。アイドルなのに、一升瓶やウイスキーのボトルを直接一気飲みしたり、パンツ丸出しで足を開いて座ったり、タバコの煙をもくもくさせたり……。中身はおっさんとわかっていても、見た目とのギャップに笑ってしまう。
ゴクドルズの正統派リーダー・山本アイリ(CV:貫井柚佳)の中身は、角刈りの頼れる兄貴・山本健太郎(CV:小野大輔)。クールなお姉様ポジの立花マリ(CV:前田佳織里)の中身は、オールバックでダンディな武闘派・立花リョウ(CV:日野聡)。ゴクドルズのラブラブピョンピョン、かわいらしい妹キャラ・杉原チカ(CV:赤尾ひかる)の中身は、パンチパーマの元気な鉄砲玉・杉原和彦(CV:興津和幸)。
アイドルの外見と、おっさんの中身が同時に画面に登場し、気持ちをぶちまけるシーンは、必見。同一人物を演じる男性&女性キャストのコラボレーションを楽しもう。
クセの強いキャラクターの筆頭、犬金組の組長でありゴクドルズの生みの親でもある犬金組長(CV:藤原啓治)の序盤での怖さは半端ない。やらかしてしまった兄貴・リョウ・カズの3人が、「命だけは……」と懇願すると、とんでもない提案をするのだ。5秒で選べ! と提示された選択肢は「アイドルになる・足を切る・臓器を売る」。そんなの選べるかーい! とツッコミを入れたくなるのだが、与えられた時間は5秒。考える間もなく、「アイドルになります!」と答えてしまい、翌朝、タイへと飛ばされる3人。無事(!?)に性転換と全身整形手術は成功。そして1年に渡る洗脳と修行により、晴れて「裏路地アイドル ゴクドルズ」として生まれ変わった。
アイドルを目指すための1年間の矯正期間は、地獄のような時間だった模様。あっさりと紹介されていたのだが、3畳の部屋に閉じ込められ、15時間のアイドル映像を見せられる洗脳教育に始まり、山奥に閉じ込められ、滝の中での歌の特訓、さらに寝る時間を削っての滝ダンス。想像を絶する修行期間を過ごしていた。
すっかりかわいいアイドルになった3人と同じくらい変化してしまったのが犬金組長。「親分じゃない! 先生と呼べ!」とすっかりプロデューサー気取り……かと思えば、撮影前日のアイドルにハイキックをお見舞いし、顔を腫れ上がらせてしまうという親分気質もしっかり残している。犬金組長もある意味二面性が楽しめるキャラかもしれない。
さらにマネージャー界の生きる伝説、マンダリン木下(諏訪部順一)も登場し、ここからアイドル街道まっしぐらか!と思いきや、ゴクドルズをブレイクさせたのは、熱狂的なファンだったというオチ。ゴクドルズの握手会に、宿敵にして指名手配中の小黒田組長がやってきて、セクハラ発言混じりで執拗にアイリに迫ってくる。復讐に燃えるゴクドルズが敵討ちするのか! と思った瞬間、「アイリちゃんを泣かせた!」と勘違いしたファンたちがやっつけてくれるのだ。「ファンは強し!」なのである。事件はニュースで取り上げられ、敵討ちと地上波デビューを果たしたゴクドルズ。
ん? これで物語は完結なのか? という終わり方ではあったのだが、ここからがアイドル「ゴクドルズ」の新たなスタートだと期待がふくらむ瞬間でもあった。ヤクザが性転換してアイドルになる。そんなヘンテコな設定で大丈夫なのか?という心配は必要なかったと感じる、満足の第1話だった。アイドルとして、そして極道としての3人のこれからをしっかり見守っていきたい。
(文/タナカシノブ)
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