XFLAGスタジオ新作アニメ「約束の七夜祭り」主人公・三波羅星真役の斉藤壮馬インタビュー!

XFLAG スタジオのオリジナルアニメ「約束の七夜祭り」が、いよいよ本日19時よりYouTubeチャンネルでの配信をスタートする。


小学校の卒業式で別れたきりの幼なじみ・藤井敦史の誘いを受け、「棚機七夜祭り」に参加しに来た高校1年生の三波羅星真。そこで彦星役をあてがわれる。祭りの進行役であるカンナ、紹介された織姫役の瀬ノ沢志織。星真は、さまざまな謎に翻弄される中で大切なものを見つけ出す……。

そんな配信当日のスペシャルインタビュー第3弾は、主人公の星真を演じる斉藤壮馬さん。話は、自然体で演じられたという普通の高校1年生について、そして斉藤さんの不思議な体験についても及んだ。

かっこよくしすぎないよう脚本に身を任せ

――シナリオをもらったときの印象を教えていただけますか?

斉藤壮馬(以下、斉藤) 爽やかでちょっぴり切ない、夏に見たくなるような作品だと思いました。しかも、ボーイ・ミーツ・ガールあり、アクションあり、SF要素あり。こういう話はすごく好きなので携わらせてもらえるのが嬉しいですし、収録が楽しみでした。

――演じられた星真の第一印象はいかがでしたか?

斉藤 よくも悪くも「高校1年生らしい男の子」ですね。幼くはないですが完全な大人でもないという揺らぎのある感じがまっすぐで、主人公らしいキャラクターだと演じる前から感じていました。監督からも、内省的ではなく、志織ちゃんが同い年だとわかると「タメ口でいいよ」とすぐに言えるようなフランクさがある点や、知らない村でお祭りがあると聞いても順応できるところが現代っ子っぽいとは言われていたので、かっこよくしすぎない感じを目指しました。

――現実にいそうな男子高校生感というか。

斎藤 そうですね。すごくノリがよくて休み時間はいつも校庭でサッカーしている、というタイプではなさそうなので。ストレートな、ありのままの感じが出せればいいなとは思っていました。

――監督や音響監督から何か演じるうえでのオーダーはありましたか?

斉藤 いえ、ほとんどお任せでした。さっきお話ししたことを聞いたあとでテストに臨んだら、「その感じで」と言っていただけました。

――演じていて難しさを感じたシーンはありましたか?

斉藤 状況によってびっくりしたりとまどったり憤ったりはしても、戦うシーンになったらかっこよくなる、といったキャラクターがぶれてしまうようなことはないように気を付けました。特に、回想シーンで小学6年生や中学1年生の星真くんも演じていましたし、そこは結構重要なシーンだったので。高校1年生をベースに声を作っていましたが、そこからタイムスリップした感じで敦史くんと同年代感をしっかり出せるようにするのは物理的にも難しかったですね。でも、シナリオもセリフ回しも複雑なことをやるわけではないので、流れに心と体を委ねれば大丈夫、というような脚本でした。役者同士のかけ合いであるとか、その場のテリトリーで生まれるものを生かせたと思います。

――志織ちゃんとカンナちゃんは斉藤さんから見て、どのような女の子に映りましたか?

斉藤 2人とも内面にどこか凛としたところがあるのがすごく魅力的で、タイプは違いますが頼れる2人だとアフレコのときは思っていました。志織ちゃんは年齢のわりに大人びているところが素敵で、もし僕が高校1年生のときにあの村へ迷い込み、志織ちゃんに出会っていたらかなり早い段階で好きになったと思います(笑)。カンナちゃんは人間ではありませんが、見た目は幼い女の子なのに非常に高度で複雑な内容をしゃべるというギャップを好きになる人はいるでしょうね。カンナちゃんはバトルシーンが一番多く、特に亡霊の姫と戦うシーンはかっこいいですね。

――印象的なシーンやセリフはありましたか?

斉藤 監督は「仮想空間ではあるけど、不本意な形で会えなくなってしまった人との最後の別れを再び経験することで心の整理をつける」とおっしゃっていて、それを表現した志織ちゃんとお姉ちゃんや、星真くんと敦史くんの最後のやり取りにはぐっときましたね。あと、楽しかったのは、襲いかかってくる武者たちは融合して巨大な合体武者みたいになるんですが、その声をみんなでやったときのことですね。ずっと唸り続けていたんですが、終わったときには誰からともなく「一体感ありましたね」「俺達今、合体してましたね」みたいな声があがって楽しかったです。終盤だったので、多分、ちょっと変なテンションにみんながなっていたのかもしれないですね。

――アフレコ以外で、現場で何か印象に残っているエピソードはありますか?

斉藤 今回、9時間くらいの長時間の収録だったんです。いろいろな方向からお腹が鳴る音が聞こえてきました(笑)。あと、お昼休憩のときに多種多様のお弁当を用意していただいたんですが、卵が置いてあって、聞いたら、カツ重の上に割って半熟卵を追加して食べるらしくて。

――追い卵ですか?

斉藤 そう。それも印象に残っていますね。僕は青椒肉絲(チンジャオロースー)弁当を食べたんですが(笑)。

ゲームでは対戦相手を「ナーイス!」と称賛

――今回はYouTubeでの配信ということで、繰り返し視聴される方も多いと思います。注目してほしいシーンはありますか?

斉藤 監督が描く街やコミュニティがとても素敵で、普通のお祭りとは違うその風景がどう描かれるのか、僕自身もすごく楽しみです。太鼓などの音が加わることで、みなさんにも心躍る気分になっていただけるんじゃないかな。星真くん、志織ちゃん、カンナちゃんが話の主軸になっていますが、見るたびに視点を変えるとストーリーの違う面白みが見えてくると思います。

――今お話に「心躍る」とありましたが、斉藤さんにとってお祭りのイメージは?

斉藤 僕は屋台が好きで、特に紐を引く景品くじを子供の頃はよくやっていました。でも、景品に「PlayStation 2」などがありましたが1回も当たったことがなくて。大きいエアガンくらいなら当たった子いましたけど。なので、大人になってからは形に残るものをお祭りで手に入れようとするのはやめました。ビール、焼きそば、たこ焼きで十分です。

――では、今でもお祭りに足を運ぶことが?

斉藤 この間、友達と「お祭りに行きたくない?」って話をしていたら、駅前にラーメン屋の屋台が来ていて。でも、入ったらおでん屋さんだったんですよ(笑)。そこで少し、お祭りの雰囲気を感じることができましたね。

――今作は、ゲームアプリ「ファイトリーグ」や「モンスターストライク」とも連動しており、そちらに星真たちも登場します。こちらではどのようなセリフが聞けるのでしょうか?

斉藤 ファイトリーグのほうでは、技名などを叫ぶのかと思ったら台本にはありませんでしたね。「いけー!」といった叫ぶセリフはありますが。状況に巻き込まれる星真くんらしいところですね。戦うタイプではないですからね。対戦相手を称賛する「ナーイス!」というのがありますよ(笑)。あと、ほかのキャラクターとタイミングを合わせたセリフがあるので、それはどういう風になるのか楽しみです。ファイトリーグの星真くんはアニメよりもキリッとしているかもしれません。彦星の衣装で登場するようなので、来年の七夕を迎えるまで遊んでいただけたら、と思います。

――七夕は作品の中で重要なモチーフとなっていますが、斉藤さんが七夕と聞いて思い出すエピソードはありますか?

斉藤 そうですね。小学生の頃に七夕の日に給食でゼリーが出たことがあって、ふたをめくったら裏に「織姫と彦星は年に1度しか会えないのです」って七夕に関することが書いてあったんですね。それを読んで、「かわいそう」「遠恋とかちょっと無理だなあ」と思いましたね。

――それは何歳くらいの頃に?

斉藤 9歳のときです(笑)。

――なかなか大人びた子供だったんですね(笑)。最後に、作品にちなんで斉藤さんが体験した不思議なエピソードも教えていただけますか。

斉藤 実は僕、オカルトがすごく好きなんですよ! 最初はやっぱり妖怪やミュータント現象、神話といったところから入ったんですが、今では都市伝説を含め、幅広く興味を持っていて、「スマホでMU~SEN」(『スマホでUSEN』と月刊ムーのコラボレーションラジオ)にも出させていただいたことがあります。弊社(81プロデュース)には「羽多野渉」という先輩がおりまして(笑)、「羽多野-斉藤」というオカルトラインも存在しています。でも、こっちが求めているからか、僕自身はオカルトな体験をしたことはあまりなくて。ただ、僕が上京して最初に住んだアパートは、来た人たちがやたらと心霊現象を体験したと話すんです。トイレに行って蛇口をひねったら、大人数の「わっはっはっは」という笑い声が聞こえて、蛇口を閉めるとそれが止むとか。泊っていった先輩からは「深夜3時くらいにドアノブをずっとガチャガチャされていた」と言われました。そのときは「部屋間違えたんですかね」なんて話をしましたが。あと、パンツをよく盗まれるとか。

――最後のは人間の仕業のような……。

斉藤 そうですね(笑)。でも、僕は去年の12月にアセンション(魂の次元が上昇すること)したと各所で言っていまして。

――先日発売した3rdシングルの「デート」にもそういう歌詞が。

斉藤 はい。それ以降、自宅の電化製品が次々と壊れてしまうようになったんです。帰宅して部屋の電気をつけたら電球が切れるというのが1か月に何回もあるとか、スピーカーやルンバが壊れるとか。収録中にも影響があって、僕だけノイズが入るとか。マイクを変えたのにそれでも。もし僕がゲームにキャラクターとして出たら必殺技はきっとそれですね。相手の武器を壊すとか(笑)。

――ここでぜひアピールしておきましょう(笑)。ありがとうございました!


(取材・文・撮影/清水耕司)

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