茶道をたしなむ文化系……かと思いきや意外と茶(チャ)らい?ヒーロー・茶神888 降臨!! 【ご当地ヒーロー超大全 第5回】

今回5回目に登場するヒーローは……!?

前回のキタキュウマンから紹介された中部・東海地方の静岡県を守っているご当地ヒーロー「茶神888(サジン・ハチジュウハチヤー)」を紹介するゾ!


第5回茶神888:中部・東海地方 静岡県



茶神888は「サジン・ハチジュウハチヤー」と読みます。チャカミでもハッピャクハチジュウハチでもありません。そして茶神888は神様なのです。

日本各地で活躍している超人や戦士とは違うのです。静岡県全土を守護するために降臨した茶を司る神様であり、その見目姿はご尊顔に大きく茶の文字を配し、胸には黄金に輝く茶器が埋め込まれていて、両肩に銀色に輝く茶碗。そして身体を保護している甲冑は玉虫色に輝いています。これはマジョーラカラーという大変珍しい素材で、「仮面ライダー響鬼」の鬼たちの鎧も同じ素材である事は、特撮事情に詳しいアニキ達ならご存知のハズです。この高級なマジョーラカラーを初めて使用したご当地ヒーローこそ茶神888なのです。


静岡県

中部・東海地方にある静岡県は総人口3,659,018人(推計人口、2018年6月1日)、全国の都道府県で10位の人口を誇ります。県の木はキンモクセイ、県の花はツツジ、県の鳥はサンコウチョウ、県の日は8月21日。静岡県は旧令制国の伊豆国、駿河国、遠江国が主だって合併してできた県であるため、同じ県でも文化や風習が異なっている一面もあります。

その昔、ヤマトタケルが蝦夷征討の時に剣を振るい草薙剣の名前の由来になった地であり、東海道五十三次では、その大部分のエリアを占めている風光明媚な県です。

静岡は東部、中部、西部の3つのエリアに区分けされます。

観光地が多いのは東部。ハトヤでおなじみの伊東温泉、熱海温泉、伊豆など関東近辺の人たちのリゾート地として有名です。中部には県庁があり、西部は最近では夏フェスが盛んに行われている掛川が有名なスポットです。そしてなんと言っても日本一の富士山を忘れてはなりません。静岡県側から見える富士山は通称「表富士」と言われています。またサッカー王国であるほか、茶は全国の収穫量の40%を占めるほどの名産地としても知られています。



茶神の降臨

茶神888が降臨されたのは歴史上では2度で、最初の降臨は神話の時代までさかのぼります。

神代(かみよ)、駿河湾に四畳半の神秘的な茶室が存在しました。人々の憩いの場所でもあったこの茶室で、茶神と茶を介して交流をしていたのです。しかし初春の激しい凍霜害のために茶室は沈んでしまい、茶神も御姿を隠してしまいます。そして時は過ぎて2009年、茶神888は人情や茶の心、茶文化が失われつつあるのを憂いて、再度降臨したのです。

2018年現在、その知名度は全国区に広がった茶神888ですが、降臨当初、観光地・名所が多い静岡県ではさまざまなヒーローが活躍していました。先にご紹介したとおり、3エリアで歴史が異なるため、各エリアで個性的なヒーローが群雄割拠していたのです。

今ほどSNSは普及しておらず、メインのメディアはブログであったため、他の地域のヒーローの情報はなかなか知ることができませんでした。その当時はヒーローショウがもっとも知名度を広げることができる手段でした。

そんな中、茶神888は派手なアクションはせず、茶道をたしなみ、書を愛する本格派な文化系ヒーローという新しいヒーロー像のパイオニアとなったのです。まさに、その様相は和魂(にぎみたま)[神様の柔和な表情のこと]のようでした。

ところが、その様相は2014年の「壁ドン事件」以降、様変わりしていきます。



壁ドン荒魂からマチズモへ

2014年当時は「壁ドン」ブームが社会をにぎわせていました。この年に開催されたヒーローイベントにみずから「壁」を持参し降臨した茶神888は、「草冠カイザーナックル」で壁にドーン!とパンチを決めて、蜘蛛の巣状のヒビを入れます。そしてイベントに遊びに来た多くの女性ファンと、この壁を使い、壁ドンポーズの写真を数え切れないほど撮り、話題になります。その際、「抱くぞ!」という男らしいセリフまで飛び出した茶神888。……荒魂(あらみたま)[神様の荒々しい側面]のような様相です。この「壁ドン」と「抱くぞ!」そして「アゴくい」(女性のアゴをクイッと上げる仕草)のコンボはSNSを介して瞬く間に全国に広がり、女性ファンのみならず、あちこちのご当地ヒロイン、女幹部、女怪人を虜にしました。

さらに話題の「壁ドン」の壁はYahoo!オークションに出品され、まとめ系ニュースブログにも取り上げられ、ヒーローファン以外の一般層にもその名を知らしめることになります。「壁ドン」、「抱くぞ!」、「アゴくい」で、浮き名を流した茶(チャ)ら男の茶神888。

最近もその活躍が業界を騒がしております。身体をバキバキに鍛えあげ、アメリカンコミックのヒーローさながらの肉体美を誇っているのです。街のお祭りでふざけて茶神888にちょっかいを出すようなやんちゃなキッズ達に、「バキバキに割れたシックスパックを触らせ黙らせる拳」という、新しい必殺技も披露しているようです。

キッズ達に本能的に強い者を認識させるあたり、「さすが神様!」というほかありません。変身スーツ、ヒーロースーツ、ボディアーマーをバージョンアップするヒーローが多い中、己の肉体そのものをバージョンアップした茶神888は、完全にオラオラ武闘派荒魂路線を突っ走っているようです。これからもこの調子で茶の文化を全国に広めて行ってほしいと願う今日この頃です。

茶神888のスペックはコチラ。

茶神888ヒーロー スペック
・身長:185cm 体重:73kg

・必殺技:呈茶 霜無双前回 八十八切り  特殊能力:茶道 華道 書道 

・武器:霜無双 茶柱ブレード 

・ビークル:なし

・変身前:なし 職業:神様

人情や茶の心、茶文化が失われつつある今茶室で行われていた茶事を通じての和の心(輪の心)を伝えるため、そしてお茶を守るために生まれたのがハチジュウハチヤーだ。

次回は徳島県徳島市を守っている「蒼竜神マヴェル」をご紹介します!

次回も括目せよ!

(文/ヒセキGFX、協力/株式会社野中工房)



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