「カウボーイビバップ」から20年、山根公利が語るメカニックデザインの醍醐味【アニメ業界ウォッチング第47回】
2018年7月5日~8日、パリで「Japan Expo」が開催された。ミュージシャンやパフォーマーなどさまざまなジャンルの日本人に混じって、誕生20周年を迎えたアニメ「カウボーイビバップ」のメインスタッフも招待された。ビバップ号、ソードフィッシュIIなどの主役メカをデザインしたメカニックデザイナー、山根公利さんもパリで映画雑誌などから取材を受けたという。山根さんのデザインしたソードフィッシュIIは映画「レディ・プレイヤー1」にも出演を果たし、海外での知名度は抜群だ。なぜ、「ビバップ」のメカは海外で人気があるのか? どのようなアイデアのもとに生み出されたのか? フランスから帰国したばかりの山根さんに、羽田空港近くのホテルでお話をうかがった。
アートミックの設定画集に、アートミックの電話番号が印刷してあった
──メカデザイナーを目指そうと思ったキッカケは何だったのでしょう?
山根 70年代に始まるアニメブームももちろんなんですけど、初めて舞台装置としてのメカを意識したのは映画「戦略大作戦」に出てくるタイガー戦車です。T-34を改造したタイガーIなんですけど、子供心にもビックリしたんです。とてもよくできていて、「こういう作り物のメカにこだわっている大人がいるのか」と感心しました。「宇宙戦艦ヤマト」の絵を描いたりもしていたのですが、アニメの絵をそのまま模写するのではなくて、自分なりのアングルから描くのが好きでした。いま思えば、パースの勉強になっていのかも知れません。
それで自分はどうやら機械が好きらしいと勘違いして、工業高校の機械科に進学してしまったんです。製図をやらされながら、「俺は製図ではなくてデザインがやりたいんだよな……」とモヤモヤしていました。
──島根県の出身でしたよね。
山根 そう、定期的にコミケが開かれているような東京とは、あまりに環境が違ったんです。高校卒業後、とにかく情報を得ようと上野にあった千代田工科芸術専門学校のアニメーション科へ進学しました。親には迷惑をかけられないので、働きながら。未来少年コナンが、仲間を見つけに残され島を旅立つような心境でした(笑)。
だけど、専門学校ではアニメーターの求人はあってもメカデザイナーの求人なんてないわけですよ。困っていたら、クラスメイトが「メガゾーン23」の設定本を持っていて、その本の設定画にスタンプが印刷されていました。スタンプには、「メガゾーン」の企画やデザインをしていたアートミックの名前が電話番号と一緒に印刷してあったんです(笑)。おおらかな時代だったんでしょうね。
──それを見て、アートミックに電話したんですね?
山根 自分で描いたデザイン画を持って、何度か遊びに行くようになりました。荒牧伸志さん、柿沼秀樹さんのOVA作品のメカデザインを手伝うようになって、「キャシャーン」(1993年)と「GATCHAMAN」(1994年)ではデザインをひとりで任されるようになりました。それで「山根君という人は面白いよ」と出渕裕さんにサンライズに紹介していただいて、「機動武闘伝Gガンダム」(1994年)に参加することになりました。「Gガンダム」をプロデュースした南雅彦さん(現・ボンズ代表取締役)から「天空のエスカフローネ」(1996年)に誘われて、河森正治さんとの変形ロボット地獄が始まるわけです。
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