「アキバ総研」編集Aがざっくりレビュー! 絶対観るべき2018年夏アニメ10選はこれだ!!
2018年夏アニメもほぼ出そろいましたが、皆さんはどの作品にはまってますか?
放送開始前は、どうもパンチが弱いというか、「これ!」という目玉作品に乏しいような……。という印象だった2018年夏アニメ。しかし、いざふたを開けてみればどれもしっかり作り込まれている作品ばかりで、「観るとちゃんと面白い」作品が多くてびっくり。
また、「ゆるふわ日常系かと思いきや顔芸全開のギャグものだった」とか、「青春部活ものかと思いきや下ネタ全開だった」とか、「萌え部活ものかと思いきや燃え部活ものだった」とか、「アイドルものかと思いきや極道ものだった」とか、「SAOかと思いきやあの花だった」とか……いわゆる「思ってたんと違う作品」が多めで、見た目と中身のギャップに毎日驚かされています。
そんなひと筋縄ではいかない今期のアニメですが、第1話もひと通り放送されたということで、今回は「アキバ総研」編集Aがざっくり第1話を視聴。ビビッとセンサーに反応した10作品をチョイスしてみました。
あそびあそばせ
「ゆるふわ日常系かと思いきや顔芸全開のギャグものだった」アニメがこちら。
女子高生ギャグものとしては「ちおちゃんの通学路」と双璧をなす本作ですが、随所に登場する過剰な顔芸ギャグや、ゆるふわなOPとコアメタル系なEDのギャップなど、油断できない内容から、こちらに軍配をあげさせていただきました。
ぐらんぶる
「青春部活ものかと思いきや下ネタ全開だった」のが本作。てっきり「あまんちゅ」的な、「海がきれい~」「男女の甘酸っぱい青春~」な作品を予想してたら、いきなり全裸のマッチョメンが酒盛りしてるところからスタート(股間には黒丸で修正入り)!
監督は高松信司さん。ああ、そうですよね。この方が監督にクレジットされてる時点で疑ってかかるべきでした(笑)。ということで、ギャグのノリも「銀魂」シリーズを彷彿とさせるノリのよさ!
頭を空っぽにして楽しめます。
あ、声オタ的には内田雄馬さん、内田真礼さんの姉弟共演もポイント。今後のからみに注目です。
少女☆歌劇 レヴュースタァライト
ミュージカルとアニメーションが連動する二層展開式コンテンツの本作。先行して上演されていたミュージカルを観てからアニメを観ると、キャラクターの向こうにキャストの表情が見えるようで、不思議な立体感をおぼえますね。
ぐりぐりと動くアクションシーンの見応えも十分。学園ものとしても、アイドルものとしても(ちょっと違うけど)、アクションものとしてもかなり高いレベルでまとまっていると思います。
そして本作を手がける古川知宏監督は、「少女革命ウテナ」や「輪るピングドラム」「ユリ熊嵐」の幾原邦彦監督と組むことも多く、幾原イズムを濃厚に継承しているクリエイターと言えます。そんなこともあってか、意味深かつインパクト大なビジュアルもビシバシ登場。
細かい演出も冴えており、周回視聴推奨作品と言えるでしょう。
ただ、どうやら制作会社のキネマシトラス社長のツイートによると、現場はなかなかの危機的状況な様子……。シリーズ途中で息切れしないことを祈っております。
深夜!天才バカボン
「おそ松さん」に続く赤塚不二夫作品のリメイクが登場!
「おそ松さん」は声優ファンに強烈にアピールする布陣で、大好評を博しましたが、本作はどちらかというと赤塚不二夫原理主義な、王道リメイク。バカボンのパパを中心に、第1話からスラップスティックなギャグが炸裂します。
個人的にはYOSHIKIが登場したシーンで爆笑。そうそう、もともと「バカボン」ってこういう時事ネタや芸能ネタもやったりしてたんだよね。さらにパパがイケボになったり(CV:福山潤)、バカボンを6つ子にして放逐したり、ハジメちゃんを犯罪者に仕立て上げようとしたり、それをママに怒られてシュンとしたりと、やりたい放題&お決まりの展開がうまい具合にミックスされててスタッフの赤塚愛がビシバシと伝わってきます。ひと言で言うと、「わかってるね」!
どうしても先行する「おそ松さん」と比較されるんでしょうが、明らかに目指す方向性は別。本作は本作ならではのスタイルで、赤塚イズムを表現してもらいたいところです。
ゾイドワイルド
2000年代前半に少年時代を過ごした世代にはたまらない「ゾイド」シリーズ12年ぶりの最新作は、人間と機械生命体・ゾイドのバディもの。人々を支配する帝国との戦いや、お宝を探すハンターたちの活躍を軸に、主人公・アラシとワイルドライガーのバトルや成長を描きます。
まずはなんと言ってもCGで描かれるゾイドのかっこよさに注目! 各ゾイドの魅力を存分にアピールするアクション描写は、思わずそのままおもちゃ屋さんに駆け込んでキットを手に入れたくなること間違いなし。
キャラクターも子ども向けアニメらしい、ストレートで気持ちのいい連中ばかり。とにかくわかりやすくて、熱くて、ワクワクする作品となっています。
天狼 Sirius the Jaeger
P.A.WORKS期待の新作です。本作は昭和初期の日本を舞台に、吸血鬼と人間の戦いを描くバトルアクションもの。レトロな雰囲気や、どこか退廃的な時代の空気感などが、好きな人にはたまらない作品となっています。
吸血鬼と戦うのは「狩人」と呼ばれるスペシャリスト集団。個性的なメンツがそろっており、群像劇、チームものとして期待できそう。また、美麗な映像で定評のあるP.A.WORKSだけあって、アクションシーンの迫力もかなりのもの。じっくり腰を据えて観たい作品ですね。
ハイスコアガール
なんやかんやあって、ようやく実現したアニメ化! それだけでまずはスタンディングオベーション。
内容は90年代のゲームセンターを中心に繰り広げられる、少年少女の甘酸っぱい青春ドラマです。なんと言っても「本当にゲーム画面やサウンドが使われている」という点が注目ポイント。「ストリートファイターII」や「スプラッターハウス」「ファイナルファイト」といったアラサー中盤以上の世代にドストライクのアーケードゲームが続々登場します(ちなみにアニメで使用されているゲーム動画は、高田馬場にあるゲームセンター「ミカド」店長の池田さんや常連プレーヤーらのプレイを撮影したもの)。
それに付随して、コインを筐体に並べて順番を待つとか、対戦台ごしの罵倒合戦、駄菓子屋のババアのいやがらせなど、日本各地で見られた懐かしの風景が描かれ、これまたニヤリ。
また原作ではひと言もセリフのない大野さんですが、演じるのはアーツビジョンのニューフェイス・鈴代紗弓さん。鼻息や言葉にならないうなり声で、大野さんの喜怒哀楽を見事に演じています。
アニメ版ではどこまで原作を再現するのか気になりますが、ぜひ高校生編までじっくりと描いてもらいたいところです。
はたらく細胞
擬人化ものもここまできかた! という感じですが、ふたを開けてみればどこか昔からある学習系漫画を彷彿とさせる、非常にためになるアニメでした。人体の仕組みや細胞の働きがよ~くわかる第1話だったと思います。
肺炎球菌が人体に侵入した結果、感染者が病気になり死に至ることを、「この世界が崩壊する!」と表現するくだりは「うまいな~」と感心。
また、肺炎球菌VS白血球のバトルはコメディものアニメとは思えないダイナミックさで、肺炎球菌の触手攻撃の迫力はなかなかのもの。アクション作監の三室健太さんは「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」でも、その手腕を発揮したアクション派アニメーターです。コミカルな細胞擬人化ストーリーと、派手なアクションシーン。ひと粒で二度おいしい作品です。
はねバド!
女子高校生たちによるバドミントン部活もの! ということで、キャッキャうふふな内容を想像してみたら、想像以上にシリアスでリアルな人間ドラマが描かれてました。
勝利にこだわる荒垣なぎさと、圧倒的な実力を持ちながらもバドミントンを避ける羽咲綾乃。ふたりの試合から始まった物語は、開幕から重々しい空気を漂わせています。
特筆すべきは、筋肉の躍動すら感じさせる試合描写。まるで本当にバドミントンの試合を見ているかのような説得力をもって視聴者に迫ります。
勝負に青春をかける女子高校生たちの物語から目が離せません。
Back Street Girls-ゴクドルズ-
「アイドルものかと思いきや極道ものだった」、何を言っているのかわからねーと思うが、そんな作品。
へまをやらかした極道3人が、落とし前をつけるために性転換&整形手術を施され、アイドルグループとしてデビューしちゃった! といういきなりぶっ飛んだストーリーが展開します。
特徴として、絵が動かざること山のごとし。クレジットを見ると、原画が1名という今時珍しい省エネスタイル。それでもグイグイ見せてくれるのは、演出と脚本の力でしょうか。それとも印象的な絵があれば、動きは少なくてもアニメは成立すると言うことでしょうか。まあ、日本独自のアニメ表現であるリミテッドアニメの最先端と言えなくもないか。
ショートエピソードを積み重ねる構成も、本作のテンポのよさにひと役買っています。
また、主人公のゴクドルズ3人を演じる女性声優陣の演技も最高です。かわいい声なのに話してる内容が、極道のおっさんたちの会話っていうギャップが何ともおかしくてついつい笑っちゃいます。
こういう肩の力を抜いて楽しめるアニメもあるのが、今期のいいところですね。
という感じで10作品をチョイスしてみました。
次点としては、「SAOかと思ったらあの花だった」という「七星のスバル」もあげておきたいと思います。
本当はここにあげた作品以外にも面白い作品ばかりで、選出にはかなり悩みました。
引き続き嬉しい悲鳴をあげつつ、2018年夏アニメを楽しんで観ていきたいと思います。
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