生々しい人間ドラマを描きたかった――「メガロボクス」を作り上げた男たちが熱く語る! 森山洋監督、真辺克彦(脚本)、小嶋健作(脚本)インタビュー!
「あしたのジョー」連載開始50周年を記念して、この4〜6月に放送されたTVアニメ「メガロボクス」。「あしたのジョー」を原案としつつ、近未来を舞台に肉体とギアを融合させて戦う格闘技“メガロボクス”に関わる男たちのドラマを描いた、挑戦的なオリジナルアニメーション作品として人気を博した。
今回は全13話放送終了&Blu-ray BOXの発売(7月27日から順次発売)を記念して、「メガロボクス」を作り上げた男たちの鼎談インタビューを実施。監督の森山洋さん、脚本の真辺克彦さんと小嶋健作さんに、全話放送を終えた今だからこそ話せる企画の立ち上げから制作秘話、さらに「あしたのジョー」の魅力や「メガロボクス」でのこだわりまで、すべてを語っていただいた。
原作が持つ“生々しい人間ドラマ”や“人の生き様”
――全話放送を終えた、今の率直な感想をお聞かせください。
森山 企画段階で言えば約4年前から取りかかっていたので、ようやく最終回を迎えられてホッとしています。きちんと形にできた自負はありますし、やりきったという気持ちが大きいですね。
――本作は「あしたのジョー」連載開始50周年を記念して誕生しましたが、企画はどのようにスタートしたのでしょうか?
森山 最初は監督というより絵の素材を作るところに参加してほしいとプロデューサーの藤吉(美那子)さんから言われまして。同じタイミングで真辺さんは企画の概要や土台作りをお願いされた感じですね。
真辺 藤吉さんは「力石編」をやりたいと言っていたんですよ。「あしたのジョー」本編では描かれなかった、自分たちの知らない力石徹がどうやってボクシングに出会い、のめり込んでいったか。力石徹という男の生き様を描きたいと。
――そこから今の「メガロボクス」にはどういう流れで?
森山 僕と真辺さんと藤吉さんの3人で、「力石編」をどういう風にアニメ化できるか考えていたんですけど、どうにもうまくいかなくて。視聴者も含めて、外部の人間を納得させられるものができなかったんです。
そこで企画をいったん沈静化させ、改めて「力石編」にこだわらずにやることはできないかと考えました。最初は冗談で「近未来に置き換えてやってみようか」と話していたんですよ。それを具現化して「メガロボクス」になりました。
――いわゆるリメイクではなく、ここまで挑戦的にオリジナル要素を入れてきたのは驚きました。
真辺 今の技術で「あしたのジョー」をリメイクするという話もあったんですが、それをやってどうすんの?というのが正直なところで(笑)。俺らの世代にとって「あしたのジョー」はある種、生きるための糧になった作品なんです。それを原案にするわけだから、自分らが感動したように心を動かすものにしないといけないなと。
――リメイクではないとはいえ「あしたのジョー」の芯になる部分というか、本質となるテーマは残さなければいけないわけで。そういう意味で意識した点を教えてください。
真辺 生きるということ、命を燃焼させることに対して、ここまでやり切るんだと。泥臭くて冷笑されるかもしれないけど、そういう生き様をちゃんと見せたいなと思いました。昔気質でヒーロー的なところかもしれないけど、そういうベースは生かさなければと。ただ、そこまで明確なテーマがあったわけではないです。
小嶋 僕は企画が「メガロボクス」になってから参加したんですけど、はっきりとテーマを決めていたわけではなく自然に出てきたものを確かめていた感じですね。その時点ですでに「メガロボクス」の骨子はできていたので、それをベースに勇利という宿命のライバルと対決することにどう突っ走っていくかを考えていきました。
森山 ストーリーの軸としては、原作の「矢吹丈と力石徹の出会いから、再会して戦うまで」という物語を抽出してオリジナルにしています。でも、原作から一番抽出した部分は“人間ドラマの生々しさ”だと思うんです。小嶋さんが初めて「あしたのジョー」を見た感想として「すごく生々しい」とおっしゃっていたように、生々しい人間の生き様をオリジナルの物語として描こうと。敢えて言うならそれがテーマだったかもしれないです。
小嶋 すごく劇画的だしケレン味もあるんですけど、それ以上に生きている人の気骨のようなものを生々しく感じて。それは、ちばてつや先生であり高森朝雄(梶原一騎)先生のものかもしれないですけど、近未来に置き換えたからといって絵空事にはしないで、人間ドラマを作っていこうと思いました。
――皆さんは本作に関わる以前に「あしたのジョー」を読んだり見たりしていたのでしょうか?
小嶋 存在はもちろん知っていましたけど、(世代的に)読んでいなくて。原作をちゃんと読んだりアニメを見たのは、この作品がきっかけでした。
森山 僕はリアルタイムではなく、だいぶ成長してからですね。最初は漫画を読んだんですけど、生っぽいドラマというか漫画というくくりではなくドラマとしての面白さに惹かれて。ほかの漫画とは違った体験でしたね。
真辺 リアルタイムで見たのはアニメの「あしたのジョー2」ですね。でも、再放送でいつも流れていたし、原作も腐るほど読みました。漫画が学校の教室に全部置いてあったので(笑)。
2人が言っていたように、地に足の着いた物語だなと。あんな生き様なんてなかなかできねぇし、やっぱ憧れるじゃないですか。ただ、(戦った後に)みんな不幸になっていくのが切なくて。それもある種ネガティブな魅力ではあるんですけど。
森山 不幸ということでは、今のアニメってものすごくショッキングなことを求められることも多いと思うんです。だからと言ってその要望に応える気はなかったですし、そこに関しては「あしたのジョー」に引っ張られずに、「メガロボクス」としての物語の終わりをきっちり考えようと話していました。
真辺 アラガキにしろ樹生にしろ、ジョーと戦った人間は新たな生を取り戻すわけだけど、それをテーマとして描いたわけではなく結果としてそうなっただけなんです。(自然と)力石は死んでカーロスは廃人になる“ということではないもの”を描きたかったのかなと。それも後で考えれば、ですけどね。
――ということは、「メガロボクス」のジョーは最終話の後でも相手の顔にパンチできますよね?(※原作では力石が死んだトラウマで顔にパンチを打つことができなくなってしまう)
真辺 そこはわからへん(笑)。
森山 顔を殴れるかはわからないですけど、勇利との試合を機にジョーはリングを降りたということが全てですね。
原作に近づけるためではなく、物語に負けないようにこだわった映像
――ギアを使った“メガロボクス”という競技は、どのような着想で生まれたのでしょうか?
森山 最初はもう少しメカ要素が強かったです。グローブもつけていなくて、鉄板をつけてやるところからスタートしましたから。でも、それだとすぐ死ぬなと(笑)。
――イメージとしては、ボディガードとして登場するポチョムキン東のような感じ?
森山 そうです。ヘッドギアは一応つけさせようかなとか、どこまでメカ成分をボクシングに入れようかなと。絵を作る段階では設定としてメカを突き詰めていきますけど、物語を作る段階ではそこまで細かく考えていなかったです。「近未来の世界に存在するボクシング」ぐらいで。
小嶋 ただ、AI搭載の(白都)樹生のギアだけは脚本作りの段階ですごく悩みました。どういう性能で、どこに弱点があり、ジョーはどこに勝機を見出すのかと。
森山 そうですね。それ以外は「ギアってどうやって動くんだっけ?」とか言っていましたからね(笑)。
真辺 というか、ここまで「機械同士の戦い」みたいに見られるとは思っていなかったんですよ。でも、意外と期待していた人がいて。「そうか!『メガロボクス』だもんな」と(笑)。そりゃ怒るよな。しかも、「おいおい、最後は普通のボクシングになっとるやんけ!」って(笑)。
森山 タイトルにしたのがよくなかったかもしれないです(笑)。
真辺 それよりも、“地に足の着いた人間ドラマ”が「あしたのジョー」の魅力なわけだから、そこはドラマとして絶対にしっかり作ろうと。勉強のために今やっているアニメも見たんですけど、それとはだいぶズレているなと思いましたよ。それでも、必ず面白いはずだからと思って作り続けたんです。
――真辺さんや小嶋さんはもともとアニメ畑ではなく映像畑ですよね。アニメと映像の違いは感じましたか?
真辺 シナリオ自体はそんなに違わないですけど、表現の仕方が違いましたね。たとえば、実写ならキャラクターが黙っていても何を考えているか視聴者に伝わることでも、アニメだと全然伝わらないと言われて。アニメだと「……」がどういう意思を持っているか言わせないとダメなんです。「本当はこう思っているけど真逆のことを言ってしまう」というのもアニメだと難しい。アニメだとその言葉通りにしか見えなくなることもあるんだと。いろいろ勉強させてもらいました。
小嶋 初めてだったので、わからないなりにやってみて森山さんや藤吉さんのジャッジを仰いだ感じです。実写の時よりも書き過ぎぐらいを意識して、言い過ぎだったら抑えるというか。自分自身もテンションを上げていかないと、アニメの脚本としては弱いものになると思ったので、そこは意識しましたね。
アフレコも見学させていただいたんですが、皆さんが息のお芝居もしっかり作られていて。雰囲気で「……」と繋いではいけないんだなと思いました。
――森山監督も初監督ではありますが、アニメーターの経験を生かしてストーリーボードをしっかり描いて伝えたとお聞きしました。
森山 自分にできることは絵を描くことだと思って。オリジナルだから手探り状態で進んで行かないといけないので、手がかりになるものをなるべく提示しようと思って描けるだけ描いた感じです。初監督は難しかったですが、初めてをあまり意識せずに最後まで楽しくできたと思います。
真辺 森山さんが文字上のものを絵に起こして世界を構築していくわけですが、それを参考資料として見せてもらうと共通認識を持つことができたので、次のシナリオの作業に大きく役立ってくれました。すごくありがたかったですし、作業自体も楽しかったです。
――実際の映像では、線の使い方や映像をセル画のように見せるといったこだわりも感じました。
森山 おっしゃる通りで、セル画調の線にするとか、映像をちょっと荒くして昔のブラウン管テレビに映っていたぐらいに画質を落とすところはこだわりました。
「メガロボクス」は、1話の絵の作業に入る前に全話分の脚本が完成していたんですよ。だからこそ、この物語をちゃんと作るのであれば、それに負けないぐらいの強い映像にしないと絵がついていかないと思って。当初はもう少しあっさりした感じを想像していたんですが、線や画質の荒れ具合を強めにして作りました。
――すごく特徴的だし、インパクトがありますよね。
森山 昔の「あしたのジョー」の映像に近づけたと思われる方がいるかもしれないですけど、それが目的なのではなく、この話を語るのであれば映像も強くしようという発想でこうなりました。
力石徹への思い入れから生まれた目の表現やプライド
――物語を作るうえで、苦労したエピソードや印象に残った話数があれば教えて下さい。
真辺 苦労したのは樹生がらみの話ですね。彼の策略からどうやって試合に勝つかは、脚本作りも時間がかかりました。勇利と戦った後にどうなっていくかは、いろいろ案はあったけどなんとなく見えていたので。
――終わらせ方として別案もあったのですか?
真辺 ありました。「試合後にジョーはどこかへ消えてしまって、ラストで地下のリングに彼が現れる」とか。でも、目が見えなくなった南部のおっさんを置いていなくなるのもなぁと(笑)。
――小嶋さんはいかがですか?
小嶋 やっぱり樹生編ですね。僕が担当した8話は試合シーンがない、いわゆる謎解き回で。白都コンツェルン内の権力争いやギアのことなど、南部が探偵のように調べあげていくところのしゃべり芝居をアニメとしてどう面白くできるのか。最後のセレモニー会場に乗り込んでいく、その手前のところで苦労しました。
森山 樹生編の3話(7〜9話)が一番時間かかりましたからね。プロットからひっくり返してどうしようかと。一番変更があった部分でもあります。
小嶋 最初のアイデアでは、ゆき子をどう信用させてメガロニアへのチケットを手に入れるかという構成を考えていたんですよ。でも、そのためにはジョーと対決するキャラクターが必要じゃないかということで樹生を登場させて、それで複雑になっていったんです。
森山 最初は「ジョーたち vs. ゆき子」という構図でやっていたので、対戦相手は割とどうでもよかったというか(笑)。
小嶋 勇利の下でくすぶっている注目してなかったやつ、という感じでしたよね。
真辺 そうそう。(「あしたのジョー」の)ウルフ金串というか、シャーク鮫島的なキャラクターで“同じチームで勇利にコンプレックスを抱いている男”というぐらいでしたね。ただ、対戦相手としては弱いんじゃないかと考え直したら結構かかって。
――シャーク鮫島もそうですが、「あしたのジョー」を知っている人からすると名前や風貌でニヤッとするところも散りばめられています。
森山 名前は決め打ちではなく、脚本を作る段階で思いついたものをつけてもらいました。最初から小ネタを散りばめていきましょう、という話をしたわけではないんですよ。
真辺 そう誤解されると嫌やねん(笑)。みんなを喜ばせようと思っていろいろ仕掛けたわけではなく、あくまでちょっとしたサービス精神ぐらいで。わかってくれる人が見たら面白いかなという程度で。
森山 デザイン的にメインキャラクターを「あしたのジョー」に寄せるというのはあったんですけど、サブキャラクターや小ネタはお遊び的なところですね。
真辺 ジョーだけは違うんですよね。あの絵柄でジョーをほうふつさせるデザインはないだろうと(笑)。
――見た目では、南部がわかりやすいほど丹下段平です。
真辺 トレーナーである南部は別の絵の想像がつかなかったんじゃないかな(笑)。ただ、南部の人格はかなり問題があるじゃないですか。かつては選手としてもトレーナーとしても一流だったけど、酒浸りギャンブル浸りになって世の中を斜に構えていた男が、ジョーの戦いを見るにつれて変わっていく……。そのキャラクターを考えた時に、見た目はやっぱり丹下に寄せる方向でいこうとなりましたね。
――逆に勇利は普段の見た目は違いますが、アップになったときの目つきが完全に力石徹ですよね。
真辺 絵コンテがあがってきた時に、「あ! 力石だ」という感じでした(笑)。シナリオを書いている時にはわからなかったんですが、こういう風に力石として見せるんだと。
森山 関係性からすれば、これがジョーであいつが力石だというのは明白だと思うんですよ。「力石編」として企画を進めていたこともあって、力石というキャラクターにすごく思い入れがあったので、目つきの表現はやりたいと思っていました。
――最後にギアを全部取ってジョーと対決するのも力石っぽいですよね。力石は矢吹丈と戦うために超減量しましたから。
森山 主人公と戦うための儀式というか試練というか。そこは「あしたのジョー」でも強く表現されていた部分なので、「メガロボクス」でもやらせたいなと。かなり初期から決まっていた流れではあります。
真辺 減量というものを何に翻訳するのかと考えて、ギアを外すということにしたんです。でも、もともと(「あしたのジョー」では)ボクシングをよくわかっていなくて力石の体格を間違えて描いてしまい、それが面白くなったらしいんですよ(笑)。あれって「ジョーが階級を上げたらええやん」となるかもですが、そう言ったら力石はノーと答えると思うんです。プライドというか、そういう男なんでしょうね。
――2人が間の階級で妥協したら、物語として面白くないですからね(笑)。
真辺 そんな「あしたのジョー」は嫌ですわ(笑)。
やっぱり、自分がマイナス部分を背負ってでも俺はお前に勝つ、という自負心とプライドが力石の大事なところだから。それは原作を踏襲してどう翻案するか考えました。
6時間半の映画のつもりで全話通して見てほしい
――ドラマ性も含めて、特に思い入れの深いキャラクターやお気に入りのキャラクターを教えて下さい。
森山 アラガキですね。キャラクターとしても気に入っているし、役割としても重要なので思い入れが強いです。彼を中心とした5話、6話のストーリーが個人的にいい物語になったと思っているので、彼の人間関係や表情は特に印象に残っています。
真辺 サチオたちですかね。原作(サチやキノコたち)よりもちょっと内側に入っているというか、特にサチオの関わり方は原作と違っていて。親の復讐のためにジョーを利用しようと思っていた少年が、そうじゃねぇと自分の生き方を選択するのはいいよなと。車の中でゆき子に復讐してこいと言われたシーンもいいなと思ったし。
小嶋 僕はゆき子なんですよね。「メガロボクス」を成立させないといけない立場として感情を露わにできない中、状況を受け止めて、でも負けないというプライドの高さを崩さなかったところが印象に残っています。彼女もひとりの人間なんだと、もうひとつの人間ドラマとして感じてくれたら嬉しいです。
――やはり人間ドラマの部分が印象に残っているのですね。
小嶋 そうですね。以前「あしたのジョー」の原画展を見に行ったら、白木葉子が「すきなのよ矢吹くん あなたが!!」というシーンの原画があって。ちば先生のコメントとして「白木葉子が高貴な人というのが実感としてわからなかったけど、ここを描いた時にこの人も人間なんだとやっとわかった」というようなことが書いてあったんです。僕も脚本を書いている時は、こんなにお金持ちの人がどういう暮らしをしているかつかめないままやっていたんですよ。なので、最後にそういう(人間らしい)部分を出せてよかったなと感じました。
――ちなみに、ゆき子は最後に何と言っていたのですか? 口パクの感じでは「ありがとう」かなと思ったのですが。
森山 「ありがとう」です。
実は台本には「……」とだけ書かれていて、アフレコで森なな子さんが音響監督に何と言えばいいか聞いていたんです。「あの尺に合うぐらいのもので、それまでを表現する言葉をください」ということで、森さんは「ありがとう」と言われていました。映像としては音を消しているんですけど、実際にそういうお芝居をしていたんですよ。
――そのほかに、アフレコで印象的だったことがあれば教えてください。
森山 シリーズを通してアフレコ現場を体験するのは初めてだったので、圧倒されっぱなしでした。ジョーが特にそうなんですけど、どういう人間でどういうしゃべり方をするのかは絵も脚本もあるので何となくのイメージはあったんですが、細谷さんの声がハマるまでは今ひとつピタッとこなくて。細谷さんがセリフを当てられたことで完成したのを第1話ですごく感じました。誰がというよりは、第1話のアフレコ現場がすごく印象に残っています。
――音の面で言えば音楽も印象的で、キャラクターにラップを歌わせて物語を説明しているのが面白かったです。
森山 誰に歌ってもらうかはともかく、ラップをやろうとは最初から考えていました。
真辺 古今東西の吟遊詩人みたいなものですね。
森山 音楽も浮いたものにしたくなくて、この世界に流れる音楽のイメージで劇伴を作りたかったんです。こういう街ならヒップホップでありラップは流れているだろうなって。
――7月27日からはBlu-ray BOXが発売されます。こちらには新作映像も収録されますが、どのような内容なのでしょうか?
森山 ジョーと南部が出会った頃のお話になります。初めてジョーを地下の八百長のリングに立たせて、自分の世界に引きずり込むところを描いた、第1話の前日譚ですね。
最終話まで見た後に見返すと不思議な感じかもしれないですが、関係性がまだ作られていない、より殺伐とした2人が見られます。ジョーがどうして八百長をやることになったのか、どうやってオンボロギアをつけるに至ったのか。“ジャンクドッグ”の由来や、なぜ名乗ることになったのかも語られています。
――毎週見てくれた方、これからBlu-rayや配信で見る方、皆さんへメッセージをお願いします。
森山 配信やBlu-rayだと全話続けて見られるのが大きいと思います。週に一度30分見るという体験と、ぶっ続けで13本見る体験では違った印象になると思いますので、ぜひ見ていただけたら嬉しいです。
真辺 30分のアニメを13本だから「6時間半の映画をやるつもりで」という考え方で作った作品なので、一気に見ると伏線はここに張ってあったんだということもわかると思います。実際に視聴者がもっと引っかかるかなと思っていたのが意外とスルーされた部分もあるし(笑)。最終話まで見て、また1話の前の話から見返して……円環のようにぐるぐる見て楽しんでほしいなと思います。
――具体的にスルーされたポイントはどのあたりですか?
真辺 例えば、南部が藤巻と交わしていた約束が“メガロニアで優勝すること”ではなく“メガロニアでイカサマすること”なのはバレるかなと思っていて。
森山 10話で裏取引がジョーたちに知られるんですけど、そこまでの話数でも南部の表情などで何かしら内緒にしていることがあるのを表現しています。一気に見返してもらうと、そういうところも際立って見えると思いますね。
真辺 試合前に何かを言おうとするシーンとかね。彼は言うも地獄、言わぬも地獄と思っていたんでしょうね。
――小嶋さんからもメッセージをお願いします。
小嶋 お2人がおっしゃった通りなので、僕も一気見してみようと思います!!
真辺 なんやねん、それ!(笑)
(取材・文/千葉研一)
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