「信長の忍び~姉川・石山篇~」第69~70話感想:織田包囲網始まる。男・森可成の戦いざまをとくと見やがれい!!

「信長の忍び」は、ヤングアニマル(白泉社)にて連載中の同名4コママンガ(作:重野なおき)を原作としたショートアニメなのだが、とにかく、戦国ギャグアニメとしての出来が秀逸で、隠れファンも多いはず。2016年10月にスタートし今期が3期ということになる。3期は、いよいよ、信長の天下統一への道の中でも重要となる「姉川の戦い」そして「石山合戦」が描かれる。歴史ファンなら、もう絶対にマストで見とかないとダメ!なヤツなのだ。


今回紹介する69~70話では、いよいよ「石山合戦」に端を発した信長包囲網が発動。その最先鋒である浅井・朝倉連合軍が、再び織田軍の背後に迫る!! どうなる織田家!?

第69話「逆襲の将」

本願寺勢力とそれに味方する雑賀衆からの攻撃で一気に劣勢になった織田軍。さすがにヤバいと思ったのか、あの裏切りの名手・松永久秀が信長に具申し、本願寺との和睦を申し出る。しかし、本願寺側はこれを拒否。本願寺側がなぜこうまであっさり和睦を拒否したのかと言えば、それは本願寺顕如がすでに用意していたある計画があったため。それが、「信長包囲網」である。


思えば信長は天下人まであと一歩というところまで来ていたものの、周囲は常に敵だらけ。東側は盟友の徳川家康が守っているとはいえ、甲斐の武田信玄が不穏な動きを見せているし、北には、先日大戦を繰り広げ、敗走させたばかりとはいえ、まだ越前に勢力を置く朝倉氏と同盟の浅井長政が控えている。その背後には越後の上杉謙信がいるし、西国には毛利家をはじめとした戦国大名勢がまだまだ強い勢力を誇っている。織田軍の主力が石山攻めで釘付けになっている間、その背後はガラ空きの状態。そこを一気に突かせ、織田軍を包囲殲滅するというのが、本願寺顕如の考えた信長包囲網というわけなのだ。何という策略家!! 坊主にしておくのはもったいない!!(笑)


そんなわけで、顕如は、この戦を機に諸侯に檄文を送ったわけだが、なかでもいち早く反応したのが、前年、織田軍に大敗を喫した浅井・朝倉連合である。特に、国内での一向一揆に悩まされていた越前の朝倉家にとっては、一向宗を束ねる顕如が一揆を押さえてくれることで、背後の憂慮がなくなり、全力で織田軍と対決できることになる。そういう事情もあり、ついに朝倉義景みずから総大将として出馬することに。目指すは京。京を落としてしまえば、それで織田家の主力を本願寺勢と挟み撃ちできるからである。


もちろん、「姉川の戦い」で一敗地にまみれた浅井長政も、信長に雪辱を果たすため立ち上がる。言うまでもなく、妻・お市は信長の妹であるが、お市はもう信長を兄だとは思っていないという。でも「厳しいようで情に厚く、優しく妹思いの赤の他人」と言ってしまうあたり、さすがは強力なブラコンである。


いっぽうの信長も、顕如の策略に気がつき、急ぎ千鳥を、京を守る宇佐山城へと使わす。今ガラ空きの京を浅井朝倉軍に攻められたら、ひとたまりもない。しかし、京の入り口を守る宇佐山城は、わずか千ばかりの手勢を携えた森可成(よしなり)が守っているのみだった。


その宇佐山城では、森可成が、迫り来る三万もの浅井・朝倉の軍勢を見守っていた。


・あらすじ
本願寺勢と雑賀衆の猛攻により、たちまち織田軍は不利な状況に。松永久秀の助言で、信長は和睦の交渉に出るが、顕如はこれを拒否。強気の顕如の態度に他にも手があると睨んだ信長は、京が狙われていることに気づく!?

第70話「絶対死守領域」

「攻めの三佐(さんざ)」の名で知られる槍の名手・森可成。後に有名になる信長の小姓・森蘭丸の父である。その可成がわずか千の手勢のみで出陣し、三万の浅井朝倉軍に立ち向かう。どう考えても不利な戦いであるが、獅子奮迅の戦いを繰り広げる可成らの働きにより、三万もの大群で押しかけた浅井朝倉勢も一時退却を余儀なくされる。さすがは、攻めの三佐。


そこへたどり着いた千鳥と助蔵。ひとまず可成が無事で安心するが、翌日は浅井朝倉勢も、再び攻撃を仕掛けてくるであろう。そうなれば今度は無事では済まない。可成は、千鳥だけでも逃がそうと、信長に「大勝利と報告しろ」と命ずるが、気配を察した千鳥は戻らず、一緒に戦うと言う。「死ぬ覚悟ならとっくにできてます!」という千鳥に、「馬鹿野郎!武士みてーな口をたたくな」と平手を据えようとする可成(交わされたけどw)。


「お前は忍びだろ! 忍びの本分は『生きる』ことにあるんじゃねーのか?」


はい、出ました。名言です。あとでテストに出るので、ちゃんと覚えるように。


「お前が助けるべきなのは、摂津国で戦っている信長様だ!」


そんな可成の威勢に圧倒される千鳥。あー、いいシーンだなー。ちょっとうるっときます。


だったらせめて、籠城して戦ってほしいという千鳥。しかし、そんなことをしたら、街道はガラ空きになり、浅井朝倉軍が京へ一気になだれ込んでしまう。それはできないと突っぱねる可成。


そのとき、浅井朝倉軍が再び侵攻を開始したとの報が寄せられる!

あらすじ
京を狙う浅井・朝倉軍三万に対し、宇佐山城主・森可成は、わずか一千の兵で迎え討つことに。織田家威信の為、天皇と将軍が住む京を奪われるわけにはいかない可成は、圧倒的不利にあったにも関わらず敵を追い返す!



(編集部・鎌田)

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