アニメライターが選ぶ、2020年秋アニメ注目の5作品を紹介!【アニメコラム】

2020年秋の新作アニメはアキバ総研調べで50本以上。その中から注目タイトルを紹介します。愛と幸せの夫婦コメディ「トニカクカワイイ」、麻枝准×P.A.WORKSのオリジナルアニメ第3弾「神様になった日」、90年代の「週刊少年ジャンプ」を代表する大ヒット作「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」、キャラクターラッププロジェクト『「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」Rhyme Anima』、ブシロードのメディアミックス企画「D4DJ First Mix」の5本をピックアップしました。

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トニカクカワイイ


畑健二郎が「週刊少年サンデー」で連載中のラブコメディが原作。主人公・由崎星空(ナサ)が謎の美少女・司(ツカサ)と運命の出会いを果たし、婚姻適齢年齢の18歳と16歳という若さで結婚。告白をいかに引き延ばすかというラブコメの定石に反して、主人公とヒロインの甘い結婚生活を展開しているのがポイントで、風呂なし1DKという手狭な住まいが夫婦のイチャイチャを加速させる。
メインスタッフは監督の博史池畠を筆頭に、「それが声優!」のアニメに関わったメンバーが揃った。原作では見開きを使って婚姻届を見せるという大胆なページで読者を驚かせたが、PVでも竹取物語の絵巻がそのまま使われており、ユニークな演出にも注目したい。



神様になった日


2010年放送の「Angel Beats!」、2015年放送の「Charlotte(シャーロット)」に続く、Key×アニプレックス×P.A.WORKSによるオリジナルアニメ。高校最後の夏休みを過ごす主人公・成神陽太の前に、全知の神を自称する謎の少女・ひなが現れるというストーリーだ。PVではひなに振り回される日常がマシンガントークを交えながらコミカルに描かれているが、ラストの「30日後にこの世界は終わる」というセリフが重い余韻を残す。
シナリオライター・麻枝准が過去2作品と同様に原作・脚本・音楽を担当。公式サイトには「麻枝准は原点回帰する」や「“ボーイ・ミーツ・ガール”の到達点」などの惹句が踊っており、ファンの涙を誘う意外な展開を予感させる。ピッチャーの投球シーンもあることから、過去作と同様に気合いの入った野球回にも期待がふくらむ。



ドラゴンクエスト ダイの大冒険


国民的RPG「ドラゴンクエスト」シリーズ初の長期連載マンガが完全新作アニメとして28年ぶりに復活。勇者に憧れる少年・ダイが大魔王バーンによって危機に陥った世界を救う大冒険を、CGと作画のハイブリッドで描き出す。PVではダイが暮らすデルムリン島のモンスターたちを生き生きとした姿で表現。「ドラクエ」シリーズ初期のモンスターが揃っているところも郷愁を誘われる。
ゲームの世界観を楽しめるだけでなく、オリジナルの技や呪文も魅力。とくにダイの師匠・アバンが伝授するアバンストラッシュは、少年時代に誰もが構えをマネた必殺技である。アバンストラッシュが放たれるシーンを想像するだけでファンのテンションは高まっていく。



「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」Rhyme Anima


2017年に始動したキャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」がついにアニメ化。兵器ではなく言葉が力を持つようになった近未来の日本を舞台に、各区画を代表するMCグループが領土を拡張するためラップバトルに身を投じる。2018年度の声優アワードでは歌唱賞に輝くなど話題性は抜群。プロジェクトをリードしてきた木村昴をはじめ、実力派のキャストが紡ぐリリックに耳を澄ませたい。
「ゾンビランドサガ」、「アグレッシブ烈子」、「日本沈没2020」、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」など、近年は“ラップ回”のあるタイトルが目立っているが、ラップそのものを主題とした作品は珍しい。人の精神に干渉する特殊なマイク「ヒプノシスマイク」を用いたバトルがアニメのラップ表現に革新をもたらす!



D4DJ First Mix


ブシロードのメディアミックスプロジェクト「D4DJ」はDJライブがテーマ。帰国子女の愛本りんくが陽葉学園に転校し、友人たちを巻き込んでDJユニット「Happy Around!」を結成。ほかのユニットと交流しながらパフォーマンスの腕を磨き上げていく。
OP主題歌「ぐるぐるDJ TURN!!」を用いたスペシャルムービーはミュージックビデオのような洗練された仕上がりだ。キュートな振り付けを見せるメンバー4人はもちろん、なぜかフンコロガシまで登場。ターンテーブルさながらにフンを回しまくるというノリのいい映像はなぜか何度も見たくなってしまう。「D4DJ」のゲームやライブでは古今東西のアニソンがカバーされているが、アニメでも披露されるのかも気になるところ。アニメーション制作はサンジゲン、監督はアニソンDJとしての一面を持つ水島精二が務める。



(文・高橋克則)

(C) 畑健二郎・小学館/トニカクカワイイ製作委員会
(C) VISUAL ARTS / Key / 「神様になった日」Project
(C) 三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会 (C) SQUARE ENIX LTD.All Rights Reserved.
(C)『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima 製作委員会
(C) bushiroad All Rights Reserved.

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