【インタビュー】作家活動15周年。ヒゲドライバーが、みずから手がけたアニソンをまとめたアルバム「ひげこれ!」をリリース!!
作詞家兼サウンドクリエーターとして、数々のアニソンを手がけているヒゲドライバー。今年、作家活動15周年を迎えた彼が、自作のアニソンをまとめたワークベストアルバム「ひげこれ!」をリリースする。ピコピコした電子音のポップサウンドを得意としつつ、楽曲ごとに多彩な世界を見せ、歌う声優&アーティスト陣もバラエティ豊か。ヒゲドライバーの軌跡をたどりつつ、ポップアルバムとしても聴きごたえのある1枚になった!
最初に影響を受けた音楽は、スピッツやミスチルといったJ-POPでした
──作家活動15周年と、自作のアニソンを集めたアルバム「ひげこれ!」のリリース、おめでとうございます。
ヒゲドライバー ありがとうございます。少し前に神前暁さんのアルバムが出ましたが、作曲者くくりでのアルバムというのはなかなか出せないものなので、機会をいただけたことがありがたいです。今回はKADOKAWAさんのアニメの曲をまとめたアルバムなのですが、それでも、これだけの作品をやってきたんだなあという歴史を感じました。
──TVアニメ「機巧少女は傷つかない」のエンディングテーマ「回レ! 雪月花」から始まって全16曲。いろいろな作品の曲な並ぶ中で、もっとも多くの曲が収録されているのは、TVアニメ「NEW GAME!」でした。
ヒゲドライバー 「NEW GAME!」にはけっこうな数の曲を作っていて、その中から4曲を選びました。アニソンの世界に入って、そんなに時間が経ってないころに関わらせていただいた作品で、主人公たちはゲーム会社の新入社員ということもあって、共感するところが多かったです。特に6曲目に収録されている「CONTINUE...?」は、今でも思い入れが強い曲ですね。もちろんキャラソンなので、歌っている涼風青葉(CV:高田憂希)の思いを表現しているんですけど、自分自身の思いも投影した曲になっていて、これをこの時期に作れてよかったなと思っています。
──「ひげこれ!」のジャケットイラストは、「NEW GAME!」の原作者・得能正太郎さんの描き下ろしですね。
ヒゲドライバー 金髪で眼鏡でハットという僕の特徴を入れつつ、今回のアルバムの楽曲を歌っているのはすべて女性なので、女の子を描いていただきました。さらに、ヒゲドライバーという名前から、付けヒゲも足していただいてます。ハットのバッジは各作品のヒロインを8ビット絵にしたもので、得能先生のアイデアです。かわいいバッジがアクセントになって、素敵なイラストになりました。
──ポップなアルバムの内容と、ヒゲドライバーさんのイメージを見事に表現したジャケットだと思いました。アルバムの内容に入る前に、ヒゲドライバーさんの音楽遍歴を聞かせていただけますか?
ヒゲドライバー 僕は山口県出身で、子ども時代はまだインターネットが発展していなかったので、情報源はテレビかラジオでした。そこでJ-POPをよく聴くようになって、生まれて初めて買ったCDは、そのころ大ヒットしていたスピッツの「ロビンソン」でした。
──「ロビンソン」は1995年のヒット曲です。
ヒゲドライバー そこから、スピッツ、ミスチル(Mr.Children)と王道のJ-POPを好んで聴くようになっていって、楽器を始めたのは中学2年のときでした。兄が買ってきたギターを借りて練習するようになったんです。そのころ、ラジオではゆずのデビュー曲「夏色」が猛プッシュされていて、アコースティックギターのデュオだったので、こういう音楽だったら、自分にもできるんじゃないかなと安易に考えて(笑)、オリジナル曲を作るようになっていきました。
──アコギを持っての曲作りというのが、最初だったんですね。アニメやゲームの音楽も、当時からお好きだったのでしょうか?
ヒゲドライバー 学生時代からアニメやゲームは好きで、思い出に残っている楽曲もいろいろありますが、音楽的に強く影響を受けたということはなかったですね。やっぱり基本はJ-POPでした。のちにアニソンを作るようになって、昔好きだった曲を聴き直したら、アニソンとしての完成度の高さに、今さらながらに気づくという感じです。
──その後は、どうなっていくのでしょう?
ヒゲドライバー 大学生になって福岡に行ったころには時代が移り変わり、今度は青春パンクとかメロコアのブームが来るんです。軽音サークルに入って、プロ志向のパンクバンドを作ろうと思ったんですけど、プロになろうと考える人は周囲にいなくて。どうしたものかなと思ってほかの道をいろいろ調べていた中でたどり着いたのが、パソコンを使っての曲作りでした。これだったらひとりでできると思って、ヒゲドライバーという名前でピコピコした音楽を作り始めました。ちょうどニコニコ動画やYouTubeが流行り出し、ボカロの曲で賑わっていた時期で、インターネットにも可能性を感じました。
──大学を出た後はフリーターだった時期もあったということですが?
ヒゲドライバー そうですね。フリーターをしながら、福岡でヒゲドライバーとして活動していました。大学を出してくれた親には申し訳なく思ったんですけど、音楽で挑戦してみたいから3年くらいは自由にやらせてくれないかと相談したら、わりとすんなり納得してくれて。逆に、「がんばりな」と言ってくれました。
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