「2020年夏アニメ人気投票」結果発表! 事前人気を大きくくつがえし1位になったのは、ほのぼのした雰囲気が特徴の釣りアニメ!

2020年9月23日~10月6日の期間で開催されていた、アキバ総研公式投票企画「どれがおもしろかった? 2020年夏アニメ人気投票」。その結果を発表しよう。


2020年夏アニメとして本投票企画にノミネートされた作品は全部で38本。新型コロナウイルスの影響は、アニメ制作の現場にも大きな影を投げかけており、今期放送された作品は、いつものクールの半数程度にとどまった。元々は春アニメとして予定されていたものが、夏アニメとしてスライドしてきたケースも多く、やや波乱含みのオンエアとなったのだが、人気作品の続編・完結編などもあり、それなりに見応えのあったシーズンとなったように思う。

そんな2020年夏アニメで、アキバ総研ユーザーの皆さんが面白かったと思った作品はどんなものになったのだろうか。以下、投票数が多かった順にベスト10の結果となる。


1位:「放課後ていぼう日誌」・・・・・・101票
2位:「Lapis Re:LiGHTs(ラピスリライツ)」・・・・・・97票
3位:「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 2ndクール」・・・・・・95票
4位:「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」・・・・・・65票
5位:「ハクション大魔王2020」・・・・・・50票
6位:「宇崎ちゃんは遊びたい!」・・・・・・38票
7位:「デカダンス」・・・・・・35票
8位:「フルーツバスケット 2nd season」・・・・・・32票
9位:「魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~」・・・・・・31票
10位:「Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)」・・・・・・29票


いくつもの大作・人気作の続編を押しのけて、堂々の1位となったのは、意外や意外のダークホース的存在ともいえる、女子高生日常コメディの「放課後ていぼう日誌」だった。本作は、九州のとある海沿いの町を舞台に、釣りなどしたことのない高校生の主人公・鶴木陽渚(つるきひな)が、ていぼう部に入部することになり、釣りの楽しさに目覚めていくというストーリー。一見すると、芳文社の「きらら系」作品かと思いきや、実は青年誌「ヤングチャンピオン烈」で連載中という変わり種の作品である本作だが、単なる女子高生のゆるふわ系日常を描いているわけではなく、「釣り」というテーマに対してはいたって大まじめかつていねいに描いており、釣り好きはもちろん、釣りの初心者にとっても、大変ためになる作品に仕上がっていた。また、ていぼう部の部員それぞれが非常に個性的でかつ仲がよく、九州の田舎町というほのぼのした風景とも相まって、何かと大変だった今夏の癒やし的作品となったという人も多いことと思われる。事前に行われた「来期は何を観る!? 観たい夏アニメ人気投票!」では、ベスト10にも入っていなかったダークホース的作品だが、終わってみれば、実にほのぼのした良作であった。


この「放課後ていぼう日誌」と熾烈な1位争いを繰り広げ、わずか4票差で2位となったのが、「Lapis Re:LiGHTs(ラピスリライツ)」である。KLab GamesとKADOKAWAによる同名メディアミックスプロジェクトの一端を担う本作は、最近のアニメでは鉄板と思われる「魔法」と「アイドル」をテーマにした作品。魔法少女学園ものとしての魅力にプラスして、スクールアイドル的な要素を加えたということで、放送前はどのような展開になるのかと思われていたが、始まってみれば、起伏に富んだストーリーとかわいいキャラクター、そしてていねいな作画、そこに最大の武器である音楽という要素が加わり、多くのファンの心をつかんだ。メディアミックスプロジェクトということで、ゲームやコミック、ライブなどの展開もなされており、今後の展開も楽しみだ。


この2作品は完全新作のアニメ作品となるが、3位には、今期の大作続編の一角である「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 2ndクール」がランクイン。圧倒的人気を誇る「ソードアート・オンライン(SAO)」シリーズの中でも、もっともボリュームが大きくなおかつストーリーが複雑と言われる「アリシゼーション編」。そのラストを締めくくる最終クールということもあって、事前の期待値では堂々の1位だった。もちろん、作品としても素晴らしい仕上がりで、ファンの満足度も十分に高かったものと思われるが、コロナ禍という特殊な状況の中、放送されたこともあって、本作のシリアスなストーリー展開よりも、上記の1位、2位作品のような、ほのぼのさのほうがより支持されたということなのかもしれない。


4位以下のラインアップを見ても、比較的シリアスな作品が事前の人気予想よりも順位を下げているいっぽうで、コメディ作品や、ほのぼのした世界観の作品が順位を上げているという傾向が見て取れる。たとえば、5位の「ハクション大魔王2020」や6位の「宇崎ちゃんは遊びたい!」などはその代表格。8位の「フルーツバスケット 2nd season」もその一端の作品ということができるだろう。いずれも、理屈抜きで楽しめる作品であり、コロナ禍でややストレスフルな視聴者の心にとって一種の清涼剤となったように思われる。また、いわゆる「俺TUEEE系」作品である「魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~」についても9位にランクインしており(事前人気7位)、こちらもストレスフルで見られる気軽さが支持されたものと思われる。


これに対して、事前人気では上位を占めていた大作の続編系作品は、全体的に順位を落とした。4位「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」(事前人気2位)、10位「Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)」(同4位)といったように、順位を下げており、ベスト10圏外でも、「炎炎ノ消防隊 弐ノ章」が16位(同3位)、「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所(第2期)」が17位(同5位)といった具合だ。いずれも決して作品としての出来が悪かったわけでもなく、見応えのある作品であったことは間違いないが、展開がややシリアスあるいは難解であり、コロナ禍の中ではあまり気軽には見られなかったということも影響しているのかもしれない。特に10位に沈んだ「Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)」については、シリアス過ぎる展開がやや敬遠された感もありそうだ。ただ、本作はまだ完結していないので、最終的な作品としての評価はまだ先になるだろう。


こうした混沌とした状況の中、比較的健闘したといえるのが、7位の「デカダンス」だ。完全新作のアニメ作品であり、しかもストーリーもやや複雑なパラレルワールド設定で、観る人も選ぶ作品であったように思うが、骨太なSF作品として人気を博し、最終的には上々の結末となった。


なお、11位以下の作品の結果については、下記を参照いただきたい。

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