「太陽の牙ダグラム」のコンバットアーマー、その“ジミ渋い魅力”を、童友社の「ブッシュマン」を組み立てて満喫しちゃおう!【80年代B級アニメプラモ博物誌】第4回

「太陽の牙ダグラム」(1981年)といえば、プラモデル製品のヒットでテレビ放送が1年半に延期された、80年代ロボットプラモブームを象徴する作品だ。ヘリコプター状のキャノピーのみで顔面のないコンバットアーマー(以下、CBアーマー)という陸戦ロボット兵器が戦う世界で、主役のダグラムとてCBアーマーの一種にすぎない。1機のみしか存在しない新型のダグラムに対して、敵のCBアーマーは丸っこい顔のソルティックが複数登場……ああ、この対立図式はガンダム vs ザクだよね!
ということは、量産型のソルティックをベースにして「ガンダム」で言うグフ、ドム、ゲルググなどへ発展するわけだよね? ……と思い込んでいた少年の目に飛び込んできた第27話から登場のブッシュマン! 機体の名前はニカウさん主演コメディ映画(「ミラクル・ワールド ブッシュマン」 1980年公開)が由来っぽいのだが……、なんか手が細長くてコブシが大きい。猿っぽい。期待していたモビルスーツ的な発展とは違うし、ソルティックとの決定的な違いもわからない……猿っぽいということしかわからない! 僕のような素人にっては、CBアーマー特有の“地味に頭や手足の比率が違うだけのバリエーション展開”は渋すぎるようです。でも、このキットを組み立てれば、この地味で渋い魅力がわかるのかも?

▲ 商品名は「太陽の牙DOUGRAM」コレクターズシリーズ、ブッシュマン。タカラが低価格路線(300円)で展開していた「ビギナーズコレクション」の再販(復刻)ですね。いわゆる箱スケールで、全11種類の縮尺は1/80だったり1/144だったりバラバラでした

▲ ビギナーズコレクションの特徴といえば、このヒジ関節。腕が曲がらない。ヒザは曲がるんだけど、1983年の発売当時は「可動関節が少ない=模型製品としてスペックが低い」という考え方にとらわれていました(私の場合)。「だって、300円のガンダムはあんなに動くじゃん!」という気持ちですね。ガキだったんです、お恥ずかしい

「ダグラム」が放送延期され、商品展開が2年目に入った1983年には、日東科学からも200円のさらに安価なシリーズも発売されました。「ダグラム」は500円と1,000円の2ライン、スケールも1/72と1/48というミリタリーモデルの縮尺で統一されたSAK(スケールアニメキット)としてスタートしましたが、大型のCBアーマーは3,000円もの高額製品となってしまい、お小遣いの少ない小学生向けに、低額製品が望まれていたことがわかります。いずれのシリーズも童友社から復刻されたのですが、多分この黒い袋は復刻版のみのオマケでは……?

▲ えっ、名場面シール……? 全75話まで揃っているそうだけど、何をどう買ってもコンプリートは不可能では……? その点はメーカー側も理解しているらしく、「出来るだけ集めてみよう」との消極的な呼びかけが、袋に刷られている

▲ 第37話「選択の渡河作戦」のシールでした。ランダムに封入されているシールなので別にいいのですが、第37話にブッシュマンは出てきません(ソルティックとクラブガンナーのみ)。そういうハズレ感覚が、この手のオマケの面白さです

では、主人公クリンの顔がカラーで刷られた名場面シールを味わったところで、コレクターズシリーズ(元ビギナーズコレクション)を組み立てようではないか! はたして、この猿のようなCBアーマーを好きになれるのであろうか?

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