TVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」放送スタート記念企画! ニジガクメンバーを掘り下げるソロ曲レビューまとめ!

2020年10月からスタートした注目の秋アニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」。本作は「ラブライブ!」シリーズのお約束展開あり、ハイクオリティなライブシーンありと、最初から胸躍る展開が続き、これから先、どんな展開が待っているのか気になって仕方ないという方も多いのではないだろうか。

TVアニメ版では、高咲侑(たかさきゆう)というキャラクターの目を通して、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(以下、ニジガク)のメンバーたちを追うストーリーになっていきそうだが、現実世界のニジガクのキャストたちは3年前から活動をスタート。すでに大きなライブを何度か経験している。

今回は、これまでのライブで歌われてきた、彼女たちのソロ曲を紹介しつつ、各キャラクターの魅力を探っていきたい。楽曲は、アプリゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS(通称、スクスタ)」のキズナストーリーともリンクしているのだが、今回はそこにはあえて触れず、楽曲とこれまでのライブの模様を中心に振り返ってみたいと思う。

また、すでに発売されている1stアルバム「TOKIMEKI Runners」、2ndアルバム「Love U my friends」、3rdアルバム「Just Believe!!!」は、それぞれ1st、2nd、3rdと表記する。

■上原歩夢(CV:大西亜玖璃)

ニジガクの2年生で、何事もコツコツ取り組む努力家の上原歩夢(うえはらあゆむ)。 

「夢への一歩」(1st)は、彼女が夢に向かってがんばる姿が描かれていて、彼女が何のために歌っているのかというところもわかる曲になっており、「開花宣言」(2nd)も、いつか花を咲かせたいという彼女の強い気持ちが歌になっている。2曲ともミドルテンポの王道ポップチューンで、歌詞にある想いをストレートに伝えるというのが、大きな魅力になっている。大西さんの歌声も真っ直ぐでピュアなので、曲調に素晴らしくマッチしている。

「Say Good-Bye 涙」(3rd)は初のアップテンポな曲。これまでの2曲を通しても成長が見られた大西さんだが、この曲でも大きな成長が感じられる。サビでは涙とサヨナラして、前に進むんだという力強さすらある。

楽曲とともに、どんどん成長していく上原歩夢を、ずっと見ていたいし、もっと応援したい!と思えるような3曲だ。

■中須かすみ(CV:相良茉優)

ニジガクの1年生で、かわいいものが大好き。スクールアイドルへの憧れは人一倍な中須かすみ。

彼女は「かすみん王国」の女王だ。1stライブで大きなフラッグを振っていたのがとても印象に残っている。中原かすみは基本的に、元気でかわいい曲を歌っていて、「ダイアモンド」(1st)は、何と言っても途中の「L・O・V・E! かすみん!」のかけ声が最高にアガる。ライブの一体感も圧巻だ。「☆ワンダーランド☆」(2nd)も中毒性があって、ワチャワチャした感じが癖になる。

さらに、「新曲を歌えるのは1人だけ!?アニメーションPV付きシングル総選挙」で1位を獲得した結果、ほかのメンバーに先駆けてソロでのシングルデビューを果たしているのだが、その楽曲「無敵級*ビリーバー」は名曲! 相良さん自身がファンと語っているDECO*27さんが作曲を担当しており、何と言ってもメロディがキャッチー。これまでの2曲が持つワチャワチャ感、アイドル感を残しつつ、彼女の内面部分も描かれて、どこか切なさも感じられる。そしてレインボーブリッジを舞台にしたアニメーションPVも、超絶かわいいのでこれまた必見だ。


ここまで、ライブで盛り上がる楽曲が多かったかすみんだが、「Margaret」(3rd)は、切なさが全面に出ているミディアムナンバーで、イントロのギターリフも印象的。彼女がどんな気持ちでステージに立っているのか、ファンと向き合っているのかがわかる歌詞にキュンとしてしまう。

■桜坂しずく(CV:前田佳織里)

ニジガクの1年生で、しっかり者の優等生。演劇部とスクールアイドル同好会を兼部している桜坂しずく。

「あなたの理想のヒロイン」(1st)は切ないラブソングで、そのストーリーや情景が浮かんでくるような1曲となっている。ゆったりした曲を、表現力豊かに歌い上げる前田さんの歌唱力も素晴らしい。少しシリアスで歌謡曲のような趣もある「オードリー」(2nd)は、“そうよ私は大女優”と力強く歌っている。自分自身が何であるのか、何を大事にしているのか、彼女の矜持が垣間見える楽曲だ。

「やがてひとつの物語」(3rd)はミュージカル調の曲で、テンポがコロコロ変わるし、コーラスもあるし、途中に台詞パートもある。とにかく難易度が高い楽曲だ。この曲も自分とは何なのか、私らしさとは?というテーマがあって、“演じてしまう事だって きっと私らしさだって 教えてくれた人”という歌詞がすべてのような気がするし、かなり“あなた(スクスタに登場、ニジガクをサポートするキャラ。アニメ版では高咲侑が同ポジションを務める)”に向けた歌という印象がある。

■朝香果林(CV:久保田未夢)

ニジガクの3年生で、高校生離れしたルックスとプロポーションを持っていて、読者モデルをしている朝香果林(あさかかりん)。口調がやたらと大人っぽいキャラだが、歌からもそういうキャラクター性がガンガン感じられる。

ゴリッゴリの攻めたダンスチューン「Starlight」(1st)は、ライブハウスよりダンスフロアがよく似合う。この曲をセクシーなダンスと歌声で披露する久保田さんのパフォーマンスには、ぜひ注目してほしい。

そして「Wish」(2nd)はガラッと雰囲気を変えて、歌い上げ系のバラードとなっている。内面の弱さをさらけ出し、壊れるほど愛してほしいという歌詞もなかなかに大人っぽい。

ここまでかなり振り幅の大きい2曲だったが、「Fire Bird」(3rd)にはさらに驚かされた。ラテン系の情熱的なノリできたか!と。この曲は、ライブでのかけ合いも楽しそうだし、何か吹っ切った果林の一面が見られる。いろんなテイストの大人な魅力が感じられる3曲が、果林のソロ曲の魅力と言えるかもしれない。

■宮下愛(CV:村上奈津実)

ニジガクの2年生で、運動神経抜群。さまざまな部の助っ人をしている宮下愛。

「めっちゃGoing!!」(1st)は楽しいことが大好きで、行動力のある彼女らしい陽気な曲で、かけ合いやコール&レスポンスパートもあるので、ライブで確実に盛り上がる。でも、村上さんの歌声からは、そんな中にもちょっとだけ切なさも感じてしまうところがいい。

「友 & 愛」(2nd)も“つまり愛 愛 愛 みんな友 友 友”は、彼女を見事に表現した、なかなかのパワーワードだと思う。しかもこの曲の台詞パートも、タイトルがいろんなかかり方をして、ほぼダジャレになっている。これは実際に聴いてニヤッとしてほしい。

ラップがカッコいい「楽しいの天才」(3rd)では、彼女が楽しそうにしているのは、自分から楽しいことを見つけているからだとわかるほか、2番ではなぜ彼女がそういう性格になったのかもうかがえる。歌詞も、やはり名言だらけで、本当に“愛さん ハンパなーい!”って曲である。

■近江彼方(CV:鬼頭明里)

ニジガクの3年生で、いつも眠そうにしている。料理することと妹をかわいがることに関して情熱を燃やすという近江彼方(このえかなた)。

ほかのメンバーには盛り上がったり感動したりする曲が多い中、すやすやと眠りにつきたくなるという、彼方ならではの曲が「眠れる森に行きたいな」(1st)だ。この曲は、ライブでも大きなベッドに座って歌い、最後は夢の世界にいってしまう演出が印象的な曲なのだが、透明感のある鬼頭さんの歌声が、これまた曲にマッチしている。

「My Own Fairy-Tale」もブレス多めに歌うボーカルが絶妙で素晴らしい。この曲では、もう夢の世界に行っちゃっているので、ただただ心地よい歌声に身をゆだねていれば、誰もが幸せな笑顔になれるはず。ヘッドホンでの鑑賞を推奨したい。

「Märchen Star」(3rd)もタイトル通りメルヘンな楽曲。ワルツのリズムも彼方の世界観にピッタリだった。この曲も子守唄のように心地いい曲なのだが、ライブで登場した大きな月のオブジェの印象もかなり強い。楽曲だけでなく視覚的にもメルヘンで、非常に癒やされたものだ。

■優木せつ菜(CV:楠木ともり)

ニジガクの2年生。元気いっぱいの笑顔と力強いパフォーマンスが持ち味の優木せつ菜。

優木せつ菜と言えばロック!というくらい、楽曲の世界観がカッコいい存在だ。「CHASE!」(1st)は、とにかくキーが高いし、ずっと張り上げて歌っているし、かなりハードだと思うのだが、それでもお構いなしにぶちかます終盤のシャウトが最高。これはぜひライブで見てほしい。ちなみにこの曲は、TVアニメの1話の劇中でも歌われていた曲である。

「MELODY」(2nd)も、スクールアイドルをしている自分自身が歌う意味を歌ったロックナンバーでカッコいい。

「LIKE IT!LOVE IT!」(3rd)は、イントロから叫んでいるところがエモい! ギターロックで、サビがとてもキャッチーなのだが、そこの“誰かが否定をしたとしても 私は絶対味方だから”という歌詞は、かなりのパワーワードだと思う。ファンのみんなを引っ張っていくような求心力を感じる名曲である。

■エマ・ヴェルデ(CV:指出毬亜)

ニジガクの3年生。スイスからやってきた留学生で、おっとりマイペースで自然を愛するエマ・ヴェルデ。

「Evergreen」(1st)は、異国情緒あふれる、まさにエバーグリーンな曲。指出さんの歌声も、とても真っ直ぐでどこまでも広がっていくような大きさがあるので心にスッと入ってくる。コーラスがとても美しいのポイントだ。

「声繋ごうよ」(2nd)は、1stライブでキッズダンサーとのパフォーマンスが印象的な1曲で、透明感のある歌声が印象的だった前作に比べ、共感力のある陽気な歌声になっていたり、より幅広くなった表現力も感じられる1曲となっている。

エマの楽曲はさらに大きな変化を見せ、「哀温ノ詩」(3rd)はなんと和テイストのバラードとなっている。曲自体も素晴らしいのだが、なぜエマが日本に来たのか、日本が好きなのかとか、着物への憧れや彼女のやさしさ、温かさ……いろんなものを内包した曲となっており、かなり感動的だ。



■天王寺璃奈(CV:田中ちえ美)

ニジガクの1年生。感情を顔に出すことが苦手で無愛想だと思われがちだが、本当は人懐っこい天王寺璃奈(てんのうじりな)。

「ドキピポ☆エモーション」(1st)は、いわゆる電波ソングで、中毒性のあるメロディが印象的だが、いっぽうで歌で思いを伝えたいという彼女の切実な思いも感じられるハイブリッドな仕上がり。この曲における田中さんのライブパフォーマンスも素晴らしく、彼女のステージを見ればみんなが笑顔になれるはずだ。

「テレテレパシー」(2nd) は、「ああしたい」「こうしたい」と歌っていた「ドキピポ~」から、さらに成長した彼女が感じられる。みんなとつながろう、テレパシーを届けようとしているところがかわいらしい。Dメロのエモさやメロディのよさも聴きどころだ。

そして、ここまでデジタルな感じの曲を歌ってきた彼女が歌う新曲が、「アナログハート」(3rd)というタイトルなのが面白い。「アナログ」と言いつつ、曲調はデジタルなのだが。この曲でもまた成長が感じられて、ついにボードなしで素顔を披露し“スマイルはもう隠さない”と歌っている。「ドキピポ~」で“いつか素顔を見せる日が来たら そのときは笑顔でいたい”と歌っていた伏線をここで回収するというところにも感動してしまった。

いかがだろうか?

ニジガクは、ソロが主体のグループと言われていて、9人がそれぞれ違うジャンルの歌を歌っていたりするのが魅力的なのだが、最近では全員曲も増えてきたり、ユニットも3つ生まれたりして、さらなる音楽的な広がりを見せてくれている。

そしてついにスタートしたTVアニメでも、どんどん新曲が増えていきそうだ。この波に乗るなら、今しかないでしょう!

おすすめ記事