【インタビュー】勇気をくれる、熱いボーカル! ASCAがニューシングル「Howling」をリリース

TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」のオープニングテーマ「Howling」を、自身の7枚目のシングルとしてリリースするASCA。「魔法科高校の劣等生」5年ぶりの第2期となる今作のために作られた「Howling」は、今期からの主要キャラクター、リーナの視点で書かれたという。同時に、今の時代を生きる人みんなに向けた、強いメッセージがこめられた1曲になった。アニメジャケットの期間生産限定盤には、第1期の第2オープニングテーマ「grilletto」のカバーも!(オリジナルアーティストはGARNiDELiA) 最高のシングルを届けてくれるASCAに、話を聞いた!

リーナの思いを描きつつ、今を生きるみんなに届く曲になりました


──「Howling」の制作には、いつごろから取りかかったのでしょうか?

ASCA 1stアルバム「百歌繚乱」をリリースしての、ASCA初のツアーが昨年2019年12月にありまして、それを越えて間もなくの制作となりました。ですから、コロナによる自粛期間に入る前に制作自体は終わっていたんです。

──そこから、コロナ禍に巻き込まれてしまったという感じですね。

ASCA そうですね。4月から予定していたツアーが延期になり(後に中止)、声をかけていただいたイベントも、国内外問わず中止になっていきました。仕方がないことだと受け入れはしたんですけど、SNSでみんなにごめんねと思いながら、中止の告知をするのが本当に悔しくて、人生で初めて悔し泣きをしました。いろいろ不安が募る中で、自分自身を鼓舞できたのは「Howling」があったからだと思います。

──「Howling」のどういうところに、鼓舞されたのでしょうか?

ASCA 今回は自分で作詞をさせていただいたんですけど、アニメのスタッフの方々から、「魔法科高校の劣等生 来訪者編」の新キャラクター、リーナ(アンジェリーナ=クドウ=シールズ)の視点で歌詞を書いてほしいというオファーを受けていたんです。原作小説を読んでいく中で、リーナの生き方にすごく感化されて。明日は何が起こるかわからない混沌とした時代の中で、一緒に声を上げるというテーマが浮かんできました。リーナって、すごく強い女の子なんですよね。

──アメリカから来た留学生で最強クラスの魔法師という、すごい人です。


ASCA 強くてかわいくて、あっという間に好きになってしまいました。リーナは組織の人間なんですけど、自分はこういうふうに生きていきたいという思いがしっかりあって、葛藤しつつも前を向いて歩いているというのが自分自身と重なりました。私はリーナほど強くはないですけど、歌を歌っていく人生の中で何度も壁にぶつかってきたし、自分が信じられなくなった瞬間もあったけど、進んでくることができたなと。そういう思いを歌詞に書いたので、「Howling」は自分自身を力づける曲にもなったんです。しかも、今の状況にも重なる部分があって、生きているみんなにつながる曲になったんじゃないかなと思います。

──力強いメッセージがこめられた歌詞だと感じました。

ASCA 今って、生きているだけでえらいと思うんですよね。こんな毎日をがんばって生きているみんなと一緒に、声を上げていきたいという意志がこめられた曲です。

──「生きているだけでえらい」という言葉は、けっこう今、耳にするんですよね。

ASCA そういう時期なのかなって思います。私の中でも生きることへのハードルが下がってきているというか、今までって完璧じゃないといけない、もっといい歌を、いいライブを届けたいと思っている中で、いつの間にか視野が狭まってしまったところがあった気がするんです。でも自粛期間を経て、生きているだけでえらいじゃんって思うようになって。「Howling」の歌詞は自信を持って言い切っている分、みんなの背中を押すことができるんじゃないかと思っています。

──作曲・編曲は、デビューシングル「KOE」など多くの曲でご一緒しているSakuさんです。楽曲に関しては、どのような話し合いがあったんですか?

ASCA Sakuさんは「百歌繚乱」ツアーのバンドメンバーでもあって、制作がちょうどツアーの直後からだったので、ライブで映えるバンドサウンドにしていこうという話になりました。今までのASCAの曲は、ストリングスが入っていてドラマチックな構成が多かったので、今回は新たな挑戦でしたね。一緒にツアーを回ってなかったら、こういう曲にはなってなかったんじゃないかと思います。

──歌詞の力強さにも、バンドサウンドは合っていると思います。

ASCA 最初からトップギアという感じですよね。ファンのみんながライブで見せてくれた景色が、この曲の原動力になったし、少し狭くなっていた私の視野を広げてくれました。だから、歌詞の「独りじゃないだろ」という部分が私にとって大きな意味を持って、すべてのサビに入れました。

──みんなに伝えたいメッセージだということですね。

ASCA そうですね。それと同時に自分自身への言葉でもあります。孤独だと思ったときもあったんですけど、こうやって自粛期間に入ってひとりでいる時間が増えたとき、「自分はなんで孤独だなんて思っていたんだろう。ファンのみんなもスタッフも、こんなにすばらしい人たちに支えられて、歌を届けられていたじゃないか」と。今までも似たメッセージが入った歌詞を歌ってきたんですけど、今回ほど確信を持って歌えた曲は、なかったんじゃないかと思うくらいです。

──ボーカルも本当に力強かったです。レコーディングはいかがでしたか?

ASCA 自粛期間前ギリギリだったので、この次はいつスタジオで歌えるんだろうという思いがあって、込められるものは全部込めていきました。完成した曲を聴いたとき、「ボーカル、うるさいなあ」と思ったくらいです。とにかく今、この思いを届けたいんだよという切羽詰まった気持ちが、ボーカルに表れています。

──「Howling」というタイトルには、どういう思いを込めましたか?

ASCA サビで「叫び続けろ」と歌っているところから、こういう時代にみんなと一緒に声を上げていきたいという思いで名づけました。

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