【インタビュー】石原夏織らしさが詰まったドラマティックな楽曲、「Against.」!

TVアニメ「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」のオープニングテーマ「Against.」を、5枚目のシングルとしてリリースする石原夏織。彼女が得意とするドラマチックな曲調の楽曲で、ミュージックビデオでは可憐なダンスも披露している。今まで以上に、アニメ作品に寄り添った楽曲になったという「Against.」。その魅力について語ってもらった!

「キミ戦」の切なさとかっこよさを合わせ持つ楽曲です


──新曲「Against.」は、「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」(キミ戦)のオープニングテーマです。楽曲の制作は、どのようにして始まったんですか?

石原 まず曲はコンペで選ばせていただいて、私も候補曲を聴かせていただきました。「キミ戦」はイスカとアリス(アリスリーゼ)という敵国同士の2人の主人公がいて、戦いを通して惹かれ合っていく物語で、置かれた状況が愛することを許さないという切なさと、激しい戦いの両方が見どころの作品です。オープニングテーマもそれに合わせて、切なさとかっこよさがある曲がいいなと思って、たくさんの曲を聴いて探しました。その中で一番作品の世界観に合っていて、さらに石原夏織らしさも感じられたのが、浦島健太さんとH.Shingさんが作ってくださったこの曲で、出会ったときはビビッと来ました。

──曲が決まったら、次は歌詞ですね。

石原 イスカとアリスの2人の関係性や心情が思い浮かぶ歌詞を、藤林聖子さんに書いていただきました。私もこういう気持ち、わかるなあと思えるところがたくさんあって、すごく素敵な歌詞をいただけたなと思いました。

──「Against.」と、タイトルにピリオドが付いているのは、どうしてなのでしょう?

石原 このピリオドは、運命にあらがって争いを終わらせる、終止符を打つという意味合いを持っているんです。作品も戦いを終わらせることがテーマになっているので、それに合わせてピリオドを付けました。

──僕はこの作品のストーリーを最初に読んだとき、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」みたいだと思ったんですよね。合っているかどうかはわからないんですけど、検索してみるとそういう解釈をしているファンは多かったです。

石原 私も、自分の中ではそういうふうに感じていました。藤林さんの歌詞はとてもロマンチックで、そこも「ロミオとジュリエット」に通じるかなって思います。

──Aメロの「違う色した流星が 真夜中で交差する」とかは、ロマンチックでありつつSFテイストも入っていて、かっこいいなと思いました。歌ってみて、いかがでしたか?

石原 ストーリーが思い浮かべやすい歌詞なので、感情移入できるところが多くて、演技をするように歌うことができました。切ない内容なので、歌ってみて気持ちよかったという表現が適しているかどうか迷いますが、感情をふるわせて歌うことができて、すごく楽しかったです。

──石原さんにとっては、歌いやすい系統の曲なのかなと思って聴きました。

石原 好きな系統の曲ですし、アーティストとしての歌のレコーディング自体にもだんだん慣れてきました。最初は大丈夫かな、できるかなと不安になりながらスタジオに向かったこともあったんですが、最近は自分がこう歌おうと思ったことをとりあえず出してみようと、気持ちを楽にして臨めるようになってきました。今回も、ちょっと大げさな歌い方でもいいから、自分の思い通りに歌おうと思いました。

──ちょっと大げさな歌い方というか、現実を抜け出して物語の中に入り込んだかのような歌い方が、似合う曲だと思います。

石原 そうですね。それこそ「ロミオとジュリエット」じゃないですけど、舞台でお芝居をしているようなイメージで歌ってみようと思ったんです。それを試してみたら、「いいんじゃない、その感じで。自信をもってやっていこう!」とディレクターさんがおっしゃってくださって、より気持ちを乗せることができました。いつものようにしっかり時間を取ってレコーディングしたんですけど、集中していたおかげで、体感的にはすごく短かったです。

──特にこだわったところはどこですか?

石原 好きなのはサビの「争う 意味が 護るためなら きっと」で、すごく感情が前に出るところです。ファルセットを使いながら歌ってみたんですが、今まであまり挑戦してこなかった歌い方だったので、うまくいったときは達成感がありました。自分のイメージ通り、かっこよさと切なさの両方を出すことができて、お気に入りの1曲になりました。

──歌い出しの「Shalala」という部分も、すごく素敵でした。

石原 うれしいです! 私もこの歌い出しが好きで、こだわってレコーディングしました。かっこよく歌うのか、軽やかに歌うのか、両方に振り切ったものから中間のものまで3~4パターン録ってみて、みんなで選びました。結局、私が最初に準備していた、かっこよさとさわやかさのバランスのいい歌い方を採用していただけました。

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