クラウドファンディングで完成!「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー」上映記念、佐倉綾音×三森すずこ×井澤美香子インタビュー
フロントウィングが制作するノベルゲーム「グリザイアの果実」「グリザイアの迷宮」「グリザイアの楽園」の続編にあたる、「グリザイア」シリーズ最新作「グリザイア ファントムトリガー」。そのアニメ作品が「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION」となる。
2019年3月に、劇場版アニメ(OVA)として、原作ゲームの1~2巻に当たる、Vol.01「SORD」とVol.02「ソウルスピード」が公開。そして2020年11月27日からは、ゲーム3巻を原作とする「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー」が劇場上映される。
本作は、Vol.01、Vol.02に引き続き制作資金の一部がクラウドファンディングによって集められ、一般のファンからの熱い支持、支援によって完成に至った。
そんなファンと一体となって完成した今回のエピソードで活躍する、トーカ役・佐倉綾音さん、グミ役・三森すずこさん、有坂秋桜里役・井澤美香子さんの3名に本作についてのお話をうかがった。
今回はトーカの過去と未来が繋がっていく話
──「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー」が劇場作品として公開されると聞いたときの気持ちを教えてください。
佐倉 前作よりさらに以前にスタッフさんから、「できるところまでは、ゲームをちゃんとアニメーションにしたいんです」というお話があったので、それを信じて待ち続けていたのですが、順調にVol.03までがアニメ化されていてとても嬉しいです。この調子ですべてのエピソードがアニメーションになるまで、私はがんばって声優でいるぞ!と思いながら関わり続けています。
──そういう意味でも、クラウドファンディングで作品が続いていくところもいいですよね。
佐倉 みなさんの応援が直接こちらに届くので、それに応えていかなければという覚悟が決まるような感じがして、非常にありがたく、愛のある作品になっているなと思います。
──井澤さんや三森さんはいかがですか?
井澤 前作を劇場で拝見した時に、非常にカッコよいいし、絵がよく動くし、キャラクターの表情はよく変わるし、音響も素晴らしい。すごいクオリティの作品を見せてもらったなと思ったんです。だから続きが見られるのを、私もすごく楽しみに待っていました。
なので今回、このような形で第3弾を上映できることを本当に嬉しく思うし、自分自身も早く劇場で見たいな!という気持ちでいっぱいです。
三森 私は今作からの参加なんですけど、Vol.01~02のポスターがアフレコスタジオに貼ってあって、やっているんだ!って知ったんですよ。でもまだ私は呼ばれていないから残念に思っていたんですけど、今回、やっとグミが登場することになって、本当に待っていました!と思いました。待望の出演という感じでしたし、動くグミが見られて感動しました。
──第3巻はゲームでも人気のエピソードですからね。
三森 嬉しいです! ゲームを収録したのは結構前なんですけど、そうだったなぁって思い出しながら演じていました。アニメーションになるとキャラのかけ合いもあるし、より詳しく復習できた感じがしましたね。
佐倉綾音さん
──それぞれのキャラクター目線からでいいのですが、今回の「スターゲイザー」は、どういうお話か教えていただけますか?
佐倉 トーカの過去と未来に繋がっていく話なんですよね。今まで彼女に何があって、何がトーカをトーカたらしめているのかというのと、その過去を経たトーカが、これからどんなふうに歩んでいくのかというのを象徴するエピソードだと思うんです。そういう意味でも、新たに登場したグミをはじめ、重要な要素が一気に増えたなと思いました。
井澤 有坂先生は、前の2作では、初めてSORD(※民間委託型工作諜報員育成機関のことで、トーカたちは同機関の特殊技能訓練校・美浜学園に通っている)の子たちと会って、混乱したり、驚いて巻き込まれて、いつの間にか事件が終わっているという受け身な部分が多かったんですけど、今作では海外合宿に初めて同行するということで、先生的にもひとつ前に踏み出したように思いました。みんなが実際に戦闘をしているところを見て、彼女たちがやっていることを理解しようとしたうえで、何が正しくて、何が注意するべきことなのかというのを、大人として子供たちに一歩踏み込んで向き合っていくような話だったのかなと思います。
三森 今回はグミにとって大事なシーンがたくさんある話でした。なぜ同じ狙撃手であるトーカと出会うことになったのか、観測手でもある有泉志保先輩とどんなストーリーがあったのか……。あまり多くを語れないんですけど(笑)、重要なシーンだらけだった印象です。
──今回のエピソードの根幹に関わってくることばかりですからね。導入としては、グミは組織から逃亡した脱柵者として、仲間から追われているというお話であることをわかって見ると楽しめるのかなと思いました。
三森 いろいろな策略ゆえに、グミもかわいそうな運命を辿っていきそうになるんですけど、そこに手を差し伸べようとしてくれる人がいたり……、グミのことをすごくたくさん知ることができる話でしたね。
──今回のエピソードで新たにわかった部分などをふまえて、自身の演じるキャラクターについて教えてください。
佐倉 前作を見たり、ゲームをプレイしている方はご存知の通り、トーカは本当に口が悪くて、暴れ犬というか暴れ猫みたいな感じです(笑)。人にあまり懐かず、一匹狼のような雰囲気をまとっている小さな女の子なんですけど、そのかわいらしくて幼く見える小さいトーカという少女が、なぜそういう性格になったのかとか、他人との関わり方などのヒントは、ちゃんと過去にあったので、暴れん坊に見えて、いろんなことが理由づけされて成り立っている子だなと思いました。
──キャラクターのバックボーンは、演じるうえでも大事ですよね。
佐倉 非常にありがたいです。キャラクター作りというのはこうでなくては!とあらためて思いました。ただただ口が悪いとか、ただただ傍若無人なのって、嫌われる要素でしかないと思うんですよ(笑)。これはただのエゴかもしれませんが、作品を楽しんでもらうためには、キャラクターを好きになってほしいと願ってしまうところがあるので、彼女がこういうふるまいをして、こういう口調で相手に語りかけるのには理由があるんだよって、そのキャラクターの人生やバックボーンを描いてくれている作品は、とってもありがたいなと、役者として痛感しています。
──何かあるんだろうなと思うから、最初から嫌いになれないキャラクターでしたし。
佐倉 そうなんですよね。それが後々ちゃんとわかってくるということが、ストレスなく臨ませていただけている大きな理由だと感じています。
──有坂先生は、どんなところが見られましたか?
井澤 有坂先生は、一般教科の担当なので戦闘や戦術のこともまったくわからない素人なんですけど、最初に生徒に会ったときは、とまどって、おどおどしているばかりだったんです。ただ、そんな先生も、自分の正義みたいなものはすごく持っていて、子供たちを大切に思うからこそ、みんなが仕事としているものを危険だからと一方的に奪うことはせず、それに向き合いながら手を差し伸べてあげるような存在になっていたなと思いました。
──個人的には、ほっこりポジションでもあったのかなと思いました。
井澤 あははは。確かにほっこり感はありますね(笑)。みんなが全然気にしないことをひとりだけ必死に気にしていたり。あと、リアクションがかわいいと思います。カエルとかニワトリとか、衝撃的なことがあるたびに顔を全部動かしながらリアクションをしていたところが、好感を持てますね。
三森すずこさん
──殺伐とした世界での話なので、先生がいることでそれが緩和されていると思いました。グミはしゃべり方も特徴的でしたが、どんなキャラクターでしたか?
三森 グミはすごく真面目で、軍人然としたキャラですね。見た目はすごくはかないイメージなんですけど、中身がすごく日本兵みたいな感じで、口調もすごく特徴的なんです(笑)。グミの正義感が間違ったほうに進まなければいいんだけど……というような台詞があったんですけど、グミは自分の使命のためなら自分の命をいくらでも投げ出せるタイプなので、そういう正義感の強さが行き過ぎてしまうところはあるかもしれません。
──演じるときは、少し幼さを意識したりしていましたか?
三森 めちゃめちゃ小っちゃいわけではないんですけど、志保先輩やトーカ先輩が周りにいて、常に下というか、後輩ポジションにはあると思うので、未熟な感じで、心が成長し切っていない感じで演じてはいました。
今回の注目キャラはレナ!?
──本作のクオリティの高さについては、これまでも何度か話題に出ましたが、特に今作で見てほしいところを教えてください。
佐倉 いくつか印象に残っているシーンがあって、そのひとつがオープニングのレナの臨戦態勢のシーンです。アフレコ現場で見た段階でもゴリゴリ動いていて、よくこんな細い線をたくさん動かせるなと感じるくらい緻密だったので驚きました。
それとアフレコの時から気になっていたのは、すごく自然にトーカがレナにひざ枕をしていたんですよ! 彼女たちの距離感ってすごく不思議なんですよね。口では言い合っているけど、背中はちゃんと預けあっている。お互いの腕は信用しているんだなというのが、そのひざ枕に表れていた気がして、ほっこりしたというか、いいカットだなと思いながら見ていました。
──レナは、今回はちょっとにぎやかし的なポジションでしたけどね(笑)。
佐倉 そうなんですよ。でも、ほかのエピソードではめちゃくちゃ活躍しているので。
三森 ラーメン食べてたよね(笑)。
佐倉 よく何かを食べていますよね(笑)。
井澤 私も少しかぶるんですけど、レナさんが印象的でした。レナとマキが今回はお留守番するポジションなんですけど、その2人のからみが、ダンボールの中の子犬みたいな感じで。マスター(※ハルトのこと)帰ってこないね、いつ帰ってくるのかな? みたいに2人でじゃれ合っている感じで癒やされました。
遠征組はピリピリしている中、合間に挟まる、レナとマキのほほえましいやり取りというのが、すごく素敵だなと感じました。蒼井くん(ハルト)がいないと干からびちゃうレナが、マキがいることで自我を保っているというところも、かわいいなって思います。
佐倉 ベンチでレナがマキにある台詞を言うんですけど、あの感覚って巷の女子たちは理解できるのかなと思いました。私、全然理解できないんですよ(笑)。
(一同笑)
佐倉 やっぱり特殊な考えの子なんだなというのが、そこで端的に表れていた気がして、レナがどんな子なのか何となくわかるのも面白いなと思って見ていました。
井澤美香子さん
──ここから見る人は、レナとマキやハルトについては、前作も見てほしいですね。三森さんはいかがですか?
三森 ちょいちょい出てくる有坂先生が振り回されているシーンは面白かったです。唯一の一般人なので、見ている私たちと同じ目線の人なんですよね。だから、大変そうだし、かわいそうだなって思いながら見ていました(笑)。
──癒やしポイントでしたね。では、この作品はファンに支えられている作品でもあるので、最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします!
佐倉 私たちが順調に、動くキャラクターたちを見ることができているのは、本当にひとえにみなさまの応援のおかげだと思っています。だからこそ私たちキャスト陣もとても気合いを入れて、レナやトーカたちの命をかけた日常を演じるということに臨むことができました。これからもみなさまと一緒に作り上げていく作品にしていきたいと思いますので、今回の「スターゲイザー」も、前作やゲームと合わせて、お楽しみいただけますと幸いです。
井澤 たくさんの方にクラウドファンディングでご支援いただいたということで、本作に対する期待値の高さを実感しています。そんなみなさんの期待を裏切ることがない、ハイクオリティな作品になっています。いろいろな懸念もあるご時世ですが、ぜひ劇場で、大スクリーンで、大きな音で、作品の世界に浸っていただけたら嬉しいです。
新キャラクターもたくさん登場して、これまでのキャラクターのバックボーンも深堀りされるなど、作品のことをもっと好きになれる要素がたくさんあるので、「グリザイア ファントムトリガー」の世界に、一緒に足を踏み入れていただけたら嬉しく思います。
三森 クラウドファンディングでこんなにもたくさんの方に支援をいただいて、このシリーズの歴史や、ファン層の厚さを実感しています。ゲームだけでもボリュームのある、壮大なスケールの物語だったのが、アニメーションになって、さらにていねいに描いていただけて、役者としてすごくありがたいことだなと思いました。それによって私も、グミと一心同体になれたような感じがしています。今回は、初参加でアニメーションに登場できてすごく嬉しかったです。ありがとうございます!
(取材・文/塚越淳一)
【作品情報】
■グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー
上映開始:2020年11月27日(金)劇場上映スタート
<作品紹介>
原作ゲームでも屈指の人気を誇る狙撃手たちのエピソードが『グリザイア:ファントムト リガー THE ANIMATION スターゲイザー』として劇場上映!キャラクターデザインは< 物語>シリーズなどで知られる渡辺明夫。原作・製作のフロントウイングが実施したクラ ウドファンディングでは、国内外から累計2340人の支援を集め、ファンとつくるアニメ としても注目を集めています。
佐倉綾音、内田真礼、名塚佳織、種﨑敦美、南條愛乃、井澤美香子、代永翼に加え、今作 から新たに三森すずこの出演が決定! 過去と未来が交錯するガンアクションバトル!
<あらすじ>
過去を撃ち抜くたび、少女は大人になる――。
特殊技能訓練校・美浜学園の狙撃手トーカは、民間委託型工作諜報員育成機関SORDのメンバーたちと共に聖エール外国人学校と の海外合同合宿のためフィリピン離島へと向かう。 しかし武器密造組織壊滅を目的とした極秘作戦の"トラブル"に巻き込まれ、聖エールの脱走者グミを追う作戦に参加することに。 任務に際しトーカは、両親との記憶や、昔の友人・シホとの果たされることのなかった約束と邂逅し、グミの境遇に想いを馳せる。 それぞれの思惑が交差する中、トーカの導き出した答えとは――?
<スタッフ>
原作・製作:フロントウイング(代表作:グリザイアシリーズ)
監督:村山公輔
企画・プロデューサー:山川竜一郎
制作総指揮・シリーズ構成:天衝
キャラクターデザイン・総作画監督:渡辺明夫(代表作:〈物語〉シリーズ)
原案:藤崎竜太
WEBサイト・PV制作:.MP
アニメーション制作:バイブリ―アニメーションスタジオ
配給:角川 ANIMATION/MBS アニメーション
製作:©Frontwing
<キャスト>
トーカ 佐倉綾音
グミ 三森すずこ
レナ 内田真礼
マキ 南條愛乃
クリス 名塚佳織
ムラサキ 種﨑敦美
有坂秋桜里 井澤美香子
ハルト 代永翼
シルヴィア 長妻樹里
ベルベット 小見川千明
シホ 依田菜津
タナトス 友永朱音
<主題歌>
OPテーマ「幻想の輪舞」 黒崎真音
EDテーマ「涙流るるまま」南條愛乃
【チケット情報】
■ゲーマーズ限定 第2弾キービジュアルタペストリー(B2サイズ)付きムビチケ前売券
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