【ラノベ風ゲームレビュー!】「つみゲ部」第5話! つみゲ部3人組、超本格的な米づくりに挑む! 米は力だ!!「天穂のサクナヒメ」の巻

ここは積木橋(つみきばし)大学ゲーム研究部。略して「つみゲ部」の部室。研究とは名ばかりで、部員たちが各々の積んでいるゲーム、いわゆる「積みゲー」を持ち寄り、ただひたすら遊ぶだけの部活動である……。

そんな「つみゲ部」の日常をゆったりまったり描く、ラノベ風ゲームレビュー連載!

◆つみゲ部 部員紹介◆
紺ノ下ゆま(こんのした ゆま) 主人公。19歳の大学一年生。明るく素直で礼儀正しいがちょっと天然な性格。ゲームは雑多に、カジュアルに、興味があるものをいろいろとやるタイプで、どんなジャンルのゲームでも毛嫌いせずに楽しむ。
駅丘沙遊里(えきおか さゆり) 大学二年生の20歳で、つみゲ部の部長。語りだしたら止まらない熱血ゲーマーで、ゲームの知識が豊富。昔のゲーム(ファミコン以前のマニアックなものもカバー!)から最新のゲームまで幅広い知識を持ち、話題作からマニアックなものまで気になるゲームはなんでも買う。でも、ゲームの腕前はイマイチらしい。
切島スイ(きりしま すい) 大学二年生の20歳で、つみゲ部の副部長。沙遊里とは大学一年の春に出会った。沙遊里の影響でゲームにハマり、今ではすっかりゲーマーになったギャル系女子。どんなジャンルのゲームでもちょっと触ったらコツを掴んですぐにうまくなる天才肌ゲーマー。




ある日の夕方。今日も今日とてゲームで遊ぼうと、一年生の部員・紺ノ下(こんのした)ゆまが部室へとやってきて、そのドアを開けた。

お疲れ様ですー♪

その声に振り向いたのは、部長の二年生・駅丘沙遊里(えきおか さゆり)。と、振り向くなり、ゆまをズバッと指差して……。

稲作クイズ、第一問っ!

えっ、えっ?

1本の稲の穂には、おおよそ何粒程度の米が実るでしょうか!

え? えーっと……100とか、200とか、そのぐらいですかね?

なっ、正解だとっ!? ゆま、お前、まさか稲作経験者か!?

いえ、完全に勘ですが……。

と、もうひとりの部員である副部長の二年生・切島(きりしま)スイが、ゆまに向かって声を上げる。

ゆまっち、スゴいじゃん! これは、米づくりパートでの活躍、期待大だね♪

スイさん、お疲れ様です♪ というか、米づくりってなんの話ですか?

そう尋ねながら、ゆまは部室に入り、ゆっくりと着席する。

もちろんゲームの話♪ 今日はね、沙遊里が持ってきた「天穂(てんすい)のサクナヒメ」をやるんだよ。

あっ、これ知ってますよ! 本格的な米づくりができるっていう、話題のゲームですよね!

そうそう! ゲームショップでも売り切れ続出で、「令和の米騒動」とか呼ばれて騒がれてたよね。

ふっふっふ……そんな中、私は事前情報から、この「天穂のサクナヒメ」がヒットするであろうと予想し、抜かりなく予約をしていたのだ!

おお~! さすが部長さんですね♪

そうだろう、そうだろう! さあ、もっと私の先見の明を褒め称えてくれ!

さすがです!

よっ、部長!

情報通っ!

メガネっ!

ふっふっふ♪

はい、もう気が済んだでしょ。じゃあ、ゆまっちも来たことだし、さっそく遊ぼうよ!

はい♪

……ん? なんだかスイの褒め言葉、だいぶ適当だった気がするが……まあ、いいか……。

ぐうたらでちょっと生意気な女神様「サクナヒメ」が主人公! 鬼退治と米づくりで大忙し!

遊び始める前に、まずはストーリーについて語らせてもらうぞ!

お話の主人公は、パッケージにも描かれてる、この小さな女の子ですよね?

そのとおり。本作の主人公は、タイトルにもある「サクナヒメ」という神様だ。

えっ、この子、神様なんだ!? あたし、普通に将軍のお城とかに住んでるお姫様なのかと思ってたよ。

それは早合点だったな。サクナヒメは、武神と豊穣神の間に生まれた、格の高い上級神なんだ。物語の舞台は、神々が住む世界「頂の世(いただきのよ)」。ここでサクナヒメは、家の財産を食いつぶして、ぐうたらで自堕落な生活を送っていた。

ぐ、ぐうたらな生活ですか……? なんだか思ってた神様像と結構違いますね……!

神様って厳格で怖い存在ってイメージだけど、なんかサクナちゃんは人間くさい部分があるんだね。親近感湧くかも♪

スイさん、さっそく「ちゃん」付けで呼んでますしね♪

さて、そんなある日のこと。サクナヒメは神界に迷い込んだ人間たちを都に侵入させてしまい、さらに人間たちとのすったもんだの末に、主神であるカムヒツキへの献上物として備蓄していた米を全部だいなしにしてしまうんだ……。

あらら……。

主神って一番偉い神様ってことでしょ? サクナちゃん、大ピンチじゃん!

うむ……。大失態のサクナヒメは、カムヒツキから罰として、鬼が支配する「ヒノエ島」という地の調査を命じられて、都から追放され、人間たちとともに泣く泣く島へと渡ることになってしまう。

鬼が支配する島……怖そうな気配しかしないですね……。

そして、そのヒノエ島は、サクナの両親が悪神の大龍(オオミズチ)を退治したという伝説が残る島でもあるんだ。

おお、カッコいい! サクナちゃんのパパとママ、伝説になってるんだ♪

こうしてサクナは、両親が残した家や田んぼで人間たちとともに生活をしながら、鬼退治をすることとなった……というのが、「天穂のサクナヒメ」のあらすじだ。

サクナちゃんと一緒に暮らすことになった人間たちは、家族ですか……?

いや、一見そう見えるかも知れないが、実は彼らは家族ではない。みな、それぞれワケがあって、さまよい、「頂の世」へと迷い込んでしまった人々だ。

武芸はからっきしだが野良仕事が大好きな心やさしき侍「田右衛門(たうえもん)」、ほがらかな性格の異国の宣教師「ミルテ」、物作りの才能がある戦災孤児の「きんた」、織物や手芸の才能を持つ落ち着いた物腰の美少女「ゆい」、そして鳥や獣と心を通わせることができる幼い少年の「かいまる」と、ひとクセもふたクセもある個性的な面々が集まっているぞ。

性格だけじゃなくて、みんな見た目も個性があるね~。にぎやかなストーリーになりそうな予感がすっごくするよ♪

部長さん、あの~、サクナちゃんの近くで宙に浮いてる、緑色の子犬みたいな生き物はなんですか……?

これは「タマ爺」と言って、両親の代わりにサクナを育ててきた爺やなんだ。実はその正体は、最強の神剣「星魂剣(ほしだまのつるぎ)」なんだが、悪神・大龍との戦いで打ち折れてしまい、剣としての役割は果たせなくなっている。

タマ爺……! サクナちゃんもかわいいですけど、タマ爺もすっごくかわいいですね♪ ベロがぺろんって出ちゃってるのもかわいいです♪

ゆまっち、めっちゃ「かわいい」連呼するじゃん♪

「天穂のサクナヒメ」は、かわいい見た目ながらもぐうたらで態度がでかく、小生意気な神様であるサクナヒメが、個性豊かな人々とふれあい、助け合い、時に衝突もしながら、鬼退治と米づくりに励んでいくという成長物語になっているんだ。美しい和風のグラフィックも相まって、日本のおとぎ話や絵巻物を読んでいるような気持ちで楽しめるぞ!

かわいくて、ぐうたらで、態度がでかくて小生意気かぁ~……。ってことはサクナちゃん、ほぼほぼ沙遊里の生き写しって感じだねー♪

なっ!? そんなストレートにかわいいと言われると、さすがの私も照れてしまうな……。

いや、ぐうたらとか態度がでかいとかは別にツッコまないのかよ。

農具と羽衣を駆使して縦横無尽に突き進む、爽快な横スクロールアクション!

さて、ここからはゲームの核である部分について、実際にプレイしながら語っていくぞ! まずはアクション要素である「探索」からだ!

よっしゃ~、鬼退治だっ♪ 楽しみ!

ただ鬼を退治するだけじゃないぞ。料理に使う食材や道具の製作に使う素材を集めることも、探索の重要な目的となっている。

なるほど、ただの討伐じゃなくて、生活のためでもあるんですね。

というわけで、さっそくステージを探索してみよう! 誰かやってみたい人は……。

あたしやりたいっ! コントローラー、もーらいっ♪

す、素早いですねスイさん……!

うむ、やる気があるのはいいことだな……!

おお~、探索は横スクロールアクションなんだね。

そのとおり。ちなみに「天穂のサクナヒメ」の世界には四季の概念があり、あとで説明する米づくりパートに大きな影響を与えるんだが、探索で訪れるアクションステージも季節によって見た目が変わるようになっているんだ。

四季折々の風景が見れるっていうのは、まさに「和」のゲームならではですね♪

うーんと、できるアクションは、攻撃とジャンプが基本って感じかな。って、あれ? なんかいきなりジャンプじゃ越えられない段差が出てきたけど……?

ふっふっふ、それはな……。

あっ、わかった! このワイヤーみたいに伸びるやつ使うんだ♪ これってもしかして、サクナちゃんが着てる「羽衣(はごろも)」を伸ばしてる感じ?

なっ!? 私が語る前にすべてを把握してしまうとは……スイ、恐ろしい奴……!

羽衣で、壁とか天井につかまって移動するんですね! 楽しそう♪

うん、これかなり軽快だし、スピード感もあって面白いよ♪

ちなみに羽衣は移動だけではなく、敵をつかんだり、引き寄せて投げ飛ばしたりと、バトルでも大活躍するぞ。

おっ、先に進んだら敵が出てきた!

ついに鬼の登場ですね! って、なんか、ウサギみたい……?

それは「兎鬼」だっ! かわいい見た目だが、れっきとした鬼だぞ。気をつけろっ!

よっしゃ~、じゃあ退治しちゃうぞー♪ 攻撃、攻撃っ! って、これもしかしてサクナちゃん、農具使ってない?

おお、バトル中にそこに気づくとは、さすがだなスイ! サクナは鎌や鋤(すき)、鍬(くわ)などの農具を武器にして攻撃を繰り出していくんだ。武神の父と豊穣神の母を持つ、彼女ならではの戦い方と言えるな。

攻撃の種類には、威力は低めだが連続で攻撃できる「片手武器」と、逆に威力高めだが攻撃のスキがある「両手武器」がある。敵の群れに華麗に連続攻撃をキメていく爽快感はクセになるぞ♪

おっ、なんかカッコいい技が出たっ! しかも強いっ!

それは「武技」だな。技力というものを消費して繰り出せる強力な技だ。ちなみに武技には熟練度というステータスが存在していて、使えば使うほど熟練度が増し、強化される仕組みになっている。

戦えば戦うほど強くなってく感じ、好きだなー♪ やりごたえがあるね!

部長さん、「武技」は、どうやって新しいものを習得していくんですか? レベルアップとかですかね……?

いや、実はこの「天穂のサクナヒメ」には、レベルという概念は存在しないんだ。サクナの強化は、新しい武器を装備することで行い、また、夕餉(ゆうげ)の食事で一時的に強化を施すこともできる。しかし、最もキーとなるのは……。

なるのは……?

米づくりだっ!!

声でかっ! ビックリしてコントローラー落とすかと思ったじゃん!!

武神と豊穣神の子どもであるサクナは、立派な米を育てることでどんどん強くなっていく。「武技」も、米を育てることで習得する仕組みになっているぞ。

なるほど、アクション部分と米づくりの要素が、しっかり結びついてるんですね! 部長さん、私、米づくりやってみたいです!

うむ! スイのステージ探索もいつの間にかそろそろ終わりそうな様子だし、次は米づくりパートをゆまに体験してもらうとしよう!

ぁ~、アクション楽しかった~!  ステージの長さが、長すぎなくてサクサクッと遊べるのもいい感じ♪

うむうむ。ちなみに本作には「時間」と「満腹度」の概念がある。時間が夜になると視界が悪くなり強い敵が出現するので危険だぞ。さらに、「満腹度」がゼロになってしまうと体力が自動的に回復する「自然治癒」などの食事効果が発動しなくなるので、これも危険だ!

とにもかくにも、「食」が大切ってことですね!

なんか話を聞いてたら、あたしの満腹度も半分ぐらいになってきた感じがするな~。ねね、遊び終わったら、なんか食べ行かない? お米とか、お米とか……あと、お米とか♪

ぜ、全部米じゃないかっ!?

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