【サイン色紙をプレゼント!】「自分には縁のない作品じゃないかと思っていました」──伝説の「なろう系」作品「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」、前世の男を演じる杉田智和にインタビュー!

小説投稿サイト「小説家になろう」にて大ヒットを記録した「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」(通称「無職転生」)のテレビアニメが2021年1月より放送開始。主人公・ルーデウスの“前世”である男を演じた杉田智和さんに、演じ方や作品への想いなどを語っていただいた。

「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」は、「理不尽な孫の手」さんが、2012年から2015年まで小説投稿サイト「小説家になろう」で連載した大人気小説。昨今多くの作品が生み出されている「異世界転生系ラノベ」「なろう系小説」の、まさに先駆者的作品だ。TVアニメ化にあたって、監督とシリーズ構成を岡本学さん、キャラクターデザインを杉山和隆さん、音楽を藤澤慶昌さんが務め、アニメーション制作をスタジオバインドが担当する。

親の死にともない、家を追い出されてしまった34歳無職の男性が、交通事故死をきっかけに剣や魔法が存在する異世界に転生。前世のトラウマを乗り越えるため、懸命に生きることを誓う……というストーリーの本作。

不遇な運命に翻弄される“男”を杉田智和さんはどう演じたのだろうか?

アニメカラー(水色)見出し彼に「並行宇宙に存在する、自分の未来」を感じました

――最初に役が決まったときの感想をお願いします。

杉田 最初に浮かんだのは「並行宇宙に存在する、自分の未来」だったので、恐怖しました。「今の人生でよかったな」と。だから、彼に対する「かわいそう」、「わかるよ」、「がんばってね」という気持ちは、いずれもあてはまらなかったんです。距離の置き方が難しい作品なのですが、とても大切なことを言っているな、というのは感じました。単に読むだけなら面白いでしょうし、「みんな、この作品は面白いからぜひ読んでみてね!」で終わらせられるのならばそうしたいところですが、演者として参加させていただいている以上、そうはいきませんので(笑)。

――作品の所感を教えてください。

杉田 「女神転生」というゲームがあります。脳が構成する2つの思想、イデオロギーをもとにした、載せてはいけないものが乗った天秤を持たされて「ロウ(秩序)」と「カオス(混沌)」の両方から板ばさみになるような作品なのですが、それに近いものを感じます。本作で描かれている物語は、彼が転生したからといって前世のことを全部忘れてリセットして、理想の生き方やほしかったものが手に入る……というものではないんです。「転生した。そこからどうする?」と考えないと役を演じることができないし、作品の意味もないんじゃないかと。何かを導いてくれる女神様が現れるわけでもないし、自分のことを好きでいてくれる協力者に囲まれながら前向きな介護をうけるような「転生もの」作品とは少し違う。

――演じた人物については、どうお考えですか?

杉田 「天才って、何をもって天才なんだろう?」と考えたことがありますが、自分の生き方や努力の仕方が最速で思いつき、それに向かって素直に力を注いで努力ができる人なんじゃないか、と。ルーデウスは天才ではあると思いますが、悪い方向にいかなくてよかったな、と思います。前世で受けた仕打ちを考えると「人間なんてろくな者がいないんだから、滅ぼしてやる」と考える可能性もあったかもしれない。でも、そういう思いに至らなかったのがよかったんじゃないでしょうか。彼は仲間に恵まれて本当によかったと思います。自分が努力しないと応えてくれない人たちばかりですし。

――ちなみに、先ほど出てきた「並行宇宙の自分」は普段から考えてらっしゃるのでしょうか?

杉田 いつもではないです。そんなことを考えてばかりいたら頭がおかしくなってしまうので(笑)。

でも、僕みたいに「世の中にある程度自分の顔が出てしまっている人」は、それを演じなくてはならないと思うんです。本人なのに本人を演じる、というのはすごいことだと思うのですが。そういう時には並行宇宙の自分と向き合ったりはしますね。

――アフレコの感想をお願いします。

杉田 生まれた瞬間から引きこもりはいないと思うんです。そこはある程度自分の想像の域ですけどね。彼は人一倍同情してほしいし認めてほしいんですけど、いっぽうで同情してほしくないし、認めてほしくない。今回、僕は他人との「適正距離」をうまく見つけられるように考え、オーディションでもその方向で演じた結果、役をいただけました。あとは転生後のキャスト(内山夕実さん)との呼吸が大事になってきますので、2人一緒に録れる機会があったのはよかったですね。



自分が納得する「本気」って、人によって違うと思う

――「無職転生」という作品は、もともとご存知でしたか?

杉田 はい。でも、自分には縁のない作品じゃないかと思っていました。もっと若い子たちが演じる作品なんじゃないかと。ポジティブな人のほうが向いている作品だと思っていたので、こうして縁があってうれしいと思う半面「怖いな」という気持ちもありました。

――本作は「なろう系」と呼ばれるジャンルの作品の先駆けとも言われていますが。

杉田 実は本作のような、いわゆる「異世界転生もの」と呼ばれるような作品自体、これまであまり縁がなかったんです。前に所属していた事務所のマネージャーから「え? 杉田さん、どの作品で受けるつもりだったんですか?」と言われるくらいだったので(笑)。自分がこの作品に合うかどうかもわからないまま、オーディションに臨みました。

――かなり特殊な役回りということで、どのようなところを意識してアフレコに臨まれたのでしょうか?

杉田 内山さんと一緒に録った時、彼女の演技を耳に返してもらって、そこをちゃんと意識するようにしました。内山さんが僕の演技を聴いて、それを踏まえて演じ、僕のほうも今のルーデウスを見ながら演じなくてはならないので、そこで複雑なキャッチボールが生まれました。

――杉田さんご自身が気になっている登場キャラクターはいますか?

杉田 放送開始前なので詳しくは言えないんですが、あるキャラクターがいます。ルーデウスにひたすら語りかけてくるのですが、もうひとりの自分でもないし、別の運命に対する概念体かもしれないですし……。別ベクトルに怖いですね。並行宇宙の自分よりも怖いかもしれません。

――ちなみに杉田さんが人生のなかで一番「本気を出した」瞬間はありますか?

杉田 「本気ってなんだよ?」と思うんですよね。生きている限り、いつも何かしらに本気だと思っているんですよね。僕は「蛇口のひねり方」をたとえに使って、若手の役者にアドバイスをしたことがあって。常に100パーセントの芝居が求められているわけじゃなく、40パーセントや60パーセントの芝居が要求されることもあるんです。蛇口を絞る(100パーセント以外の演技をする)というのは、決してサボるということではなく、状況に合わせることなんだと教えました。自分が納得する「本気」って人によって違うと思うし、「何を本気でやった?」ということに対して「●●です」と答えた場合、「じゃあそれ以外は真面目にやってなかったの?」と思われてしまうんじゃないかと。

――最後に、メッセージをお願いします。

杉田 前世男に「世の中に言うことがあるのか?」と聞いても「ない!」と答えるかもしれませんね。ともすれば、作品を見てほしくないと言い出すかもしれませんが、みなさんは観てくださいね(笑)。適正距離で、やさしい心で「無職転生」をご覧になっていただける方がひとりでも多くいらっしゃいましたら幸いです。よろしくお願いします。


(取材・文・写真/佐伯敦史)


プレゼントキャンペーン概要

<賞品>
■「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」放送記念 杉田智和サイン色紙


<応募要項>
・応募期間:2021年1月10日(日)~2020年1月17日(日)23:59
・当選人数:1名様
・当選発表:賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます
・賞品発送:順次発送予定
・応募方法:以下の専用応募フォームにて受付

<注意事項>
・応募には会員登録(無料)が必要です。
・応募はひとり1回に限らせていただきます。
・抽選結果・発送状況に関するお問い合わせには応じられません。
・当選された賞品もしくは権利を第三者に譲渡・転売することを禁じます。
・カカクコムグループ社員、および関係者は参加できません。
・賞品の発送は国内に限らせていただきます。
・梱包には細心の注意を払いますが、万が一運送中の事故により破損等した場合でも、返品・交換等は受け付けられませんので、あらかじめご了承ください。
・下記の場合は、当選を無効とさせていただきますので、ご注意ください。
 同一住所または同一世帯で複数回ご当選されている場合
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 賞品お届け先ご連絡締切日までに、ご連絡いただけなかった場合
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