緊急事態宣言延長の今だからこそ! 旅好きライターが写真とともに振り返るレポート第2弾「聖地巡礼アニメの聖地を巡礼してみた」3選!【アキバ総研ライターが選ぶ、アニメ三昧セレクション 第10回】

2020年は新型コロナウイルスの影響で、エンタメ業界はもちろん、観光業界も大きな打撃を受けました。

そして迎えた2021年。新年早々、首都圏をはじめとした、感染者数が特に増加傾向にある地域には昨年4月に続き、ふたたび「緊急事態宣言」が発出されました。人々の流れも制限され、旅行好きの私も大変寂しい思いをしております。

まだまだ油断のならない状況が続きますが、コロナの早期収束を祈りつつ、アニメ作品の「聖地」の見どころを、再度旅行記とともにお届けします!

テキストと写真で、旅行気分を味わっていただけると幸いです。

夏色キセキ

2012年4月~6月にかけて放送されたテレビアニメで、静岡・下田市に住む4人の女子中学生が主人公の(藤子・F不二雄先生風に表すと)SF(少しふしぎ)作品。

あることがきっかけで心がバラバラになってしまった4人が、「御石様」とよばれる石に願掛けをすることにより、さまざまな奇跡を体験するようになります。

筆者は2012年夏に、中学校時代からの友人3人(全員男性です)と一緒に温泉旅行を兼ねて聖地巡礼してきました。メインキャストを声優ユニット「スフィア」の4人が務めているということで、2009年開催の初ワンマンライブ「スフィア 1st Stream~スフィアとアニメの音楽会~」を取材させていただいた私としては、ぜひとも聖地巡礼をしたかったということで、友人たちに猛プッシュしました(笑)。

少し話がズレてしまいましたが、自称「乗り鉄」の私としては「リゾート21」(名前だけ聞くと「特急列車かな?」と思う方もいるかもしれませんが、普通列車として運用されていますので、特急券は必要ありません)を使って景色を眺めながら行きたかったところですが、このときは自動車を使用しました。気の置けない仲間たちと室内でバカ話やオタクトークに花を咲かせ……それはそれで楽しかったですけどね。

ただ、旅行当日はあいにくの雨模様。気を取り直して伊豆急下田駅前の「ローソン」で買い物をし、「下田ロープウェイ」でメインキャスト4人のアナウンスを満喫。天気がよければ絶景が堪能できたはずですが、こればっかりは仕方ありません。

そんな中、私にとっては最大のミッションであった、本作のキービジュアルに使用されている、4人が手すりつきの階段を降りていく姿を友人と一緒に再現。たまたま近くにいた観光客の方に、それなりのお値段がする愛機の一眼レフカメラを託し(撮る側もカメラを渡す側もお互いに緊張しますので、あまりオススメできません)、記念撮影。確か私は戸松遥さん演じる花木優香ポジションで撮影したと思います。

その夜はホテルの温泉でゆったりとしたひと時を過ごしました。やっぱり、伊豆の温泉は最高ですね!

レヱル・ロマネスク


大廃線により鉄路のほとんどが失われてしまった国「日ノ本」を舞台に、鉄道車輌制御用人形モジュール「レイルロオド」が活躍する「聖地巡礼振興アニメ」。2020年10月~12月の期間で放送されました。

観光振興により、鉄道復興の聖地となった九洲の隈元県御一夜市(熊本県人吉市がモデル)を舞台に「レイルロオドサミット」が開催され、全国から集まったレイルロオドたちがグッズ開発に挑みます。鉄道・聖地巡礼好きとしては最高のアニメ作品です。

去る2020年12月26日と27日、栃木県の下館駅~茂木駅を走る「真岡鐵道」にて、「SLすずしろ号」が走るというイベントが開催されました。上坂すみれさん演じる「すずしろ」のヘッドマークをつけたレアなSLが走ったほか、しろがね役・上條千尋さん(1日目)、かかあ役・永井真衣さん(2日目)が同乗し、原案・シリーズ構成を担当された進行豹氏の司会のもと、トークショーが行なわれました。

2日とも快晴に恵まれ、快適な鉄道の旅をしながら、出演声優さんのトークに耳を傾けるという至高の時間を過ごすことができたうえに、空き時間を使ってご当地グルメ(茂木駅はそばが有名だそうです)も堪能できました。

なにより、沿線から住民や見物客のみなさんが手を振ってくれるのがすごく楽しいんですよね。走行中は換気のために窓を開けながらだったのですが、客席内に入ってくる「すす」の匂いまで旅情を誘います。

ちなみに、一緒に乗り込んだイベント参加者は、「アニメファン」、「鉄道ファン」、「その両方」と、それぞれの「属性」の方が混在していたように思います。

晩御飯は、この日の宿泊地である「益子焼き」でも有名な益子駅近くの居酒屋で、おいしい料理とお酒をたっぷり堪能。なお、宿には露天風呂がついていましたが、冬場で配水管が凍結しており、利用することができませんでした……。

もっとも、昼間は長袖の腕をまくれるくらい暖かかったのに、夜になるとえらく冷え込んだため、露天風呂に入る勇気はありませんでしたが(笑)。

黄色いヘルメットを被り、車庫に停まるSLを激写。さながら「タ●リ倶楽部」の企画のようで、大興奮でした。「タ●リ倶楽部」と言えば、すずしろ役の上坂すみれさんもご出演経験がありますね。ものすごく広い意味で共演……と言ってもよいでしょうか(笑)?

おちこぼれフルーツタルト

同じく、2020年10月~12月の期間で放送されていた「おちこぼれフルーツタルト」。岡山県からアイドルを目指して上京してきた高校生・桜衣乃が、同居人である売れないタレントたちと、寮の存続をかけたアイドルグループ活動をしていく物語です。

本作は東京都小金井市が舞台ということで、首都圏に住む私としては大変巡礼しやすい場所にあるため、気軽な気持ちで訪れることができました。

野球観戦やライブ取材のために訪れることの多い「メットライフドーム(西武ドーム)」に向かう際に利用する経路を通っていったため、車窓も見慣れたものです。

昨年から配信開始された位置情報ゲーム「テクテクライフ」を起動し、地図をぬりつぶしながら移動。時間を有効に使います。


作品の舞台となった場所は、主にJR中央線の東小金井駅と武蔵小金井駅の周辺にあります。

逆に言うと、聖地がまとまっていることで非常に回りやすいので、聖地巡礼ビギナーにもおすすめです。

今回はインタビュー取材を兼ねての巡礼だったので、地域振興のため日々奮闘されているコラボ企画担当者の方にお力を借りることができました。

登場キャラクターのポップが設置されているお店の中には、作品にも登場したところもあれば、コラボ企画が大好評だったのを知って「うちもあやかりたい!」と手を上げたところもあるそうです(笑)。

店舗の営業時間も業態もピンきりで、すべてのお店の従業員さんにお話を聞くことはできませんでしたが、みなさんとても親切に応対してくださいました。そして、お土産として洋菓子もバッチリ買って帰りました。

ちなみに、夕方にはちょうど開業直前の「ところざわサクラタウン」(JR武蔵野線・新所沢駅近く)のメディア向け内覧会が行なわれ、私も新施設の数々を取材。この日はくしくも「1日KADOKAWAさんデー」となったのでした。

キャラクターのポップが設置されたお店・施設は、東小金井駅・武蔵小金井駅から徒歩で行ける圏内にあります。

【番外編】
petit milady(横浜~尼崎~大阪)

最後は、悠木碧さんと竹達彩奈さんによる人気声優ユニット「petit milady」のイベント取材記です。

5thアルバム「Howling!!」の発売記念イベントが2019年1月12日、13日の両日に開催されました。

初日は神奈川県の横浜・イオンシネマみなとみらい、2日目の昼は兵庫県・あまがさきキューズモール、そして夜は大阪府・アニメイト日本橋にて開催されるという、悠木さん、竹達さんにとって、また追いかけるファンにとってもハードな行程でした。

初日のイベント終了後、お2人への簡単なコメント録りと写真撮影をさせていただき、この日は帰宅。時計はすでに23時を指していたと思います。

翌日、私の自宅から一番近いのが新横浜駅ということで、早朝6時発の東海道新幹線1番列車「ひかり号 広島行」に乗車。当駅始発ということもあって、繁忙期でも自由席に座ることができるため、マツダスタジアムでの広島カープの野球観戦、および山口県の実家への帰省にも使っている、とても便利な列車です(途中・西明石駅まで、後発ののぞみ号よりも先に行きます)。

新大阪には午前8時過ぎに到着。ロケハンを兼ねて東海道線に乗り換えて尼崎駅に向かいます。8時半過ぎには到着し、イベント会場の下見も早々に終えたため、駅前を散策することに。

尼崎と言えばお笑い芸人・ダウンタウンの出身地。実は尼崎に降り立つのは初めてということで、町並みを楽しみにしていました。

駅から南のほうへ向かって歩いてみると、閑静な住宅街が広がっていました。朝日を浴びながら見知らぬ街を歩くのは乙なものです。

いっぽう、コロナ禍となってしまった現在では珍しくないかもしれませんが、午前中からお酒を飲めるようなお店もあったり、見どころ満載の街だということがわかりました。

13時からの公演(屋外でした)を取材したのち、次のイベントは大阪の「アニメイト日本橋」で18時から行なわれるということで、JR新今宮駅前にとっていた宿に一度戻ります。

宿に着いたのが確か15時くらいということで、中途半端な時間になってしまったため、ふたたび駅前を散策することに。

当駅には、学生時代によく貧乏旅行で利用した格安ビジネスホテルがありましたが、あくまでも夜に泊まるだけで、付近をじっくりと歩いたことはありませんでした。

別方向に行くと、すぐに通天閣でおなじみの新世界や、戸松さんのギャグでおなじみの(?)「“日本一の”あべのハルカス」があったのですが、そちらは観光や食事で利用する機会が多いため、この日は、いわゆる「あいりん地区」と呼ばれる場所を巡ってみることに。

もちろん、それなりの知識はありますので、一眼レフカメラなどの高価なものは置いて、身軽な状態で宿を出ました。感想は……「予想通り」でした(笑)。

散策を終えたあとは、歩いてアニメイト日本橋へ。実は新今宮~日本橋間は、それほど距離がなく、ちょうどいい運動になります。

何事もなく取材を終えたあとは、現地で待ち合わせた知り合いと一緒に、難波のアーケード街まで繰り出して「軽く一杯」。ちなみに、日本橋から難波は目と鼻の先です。

そして翌朝。新大阪駅にて、大阪土産の定番「551蓬莱」の肉まんを購入し、新幹線に乗り込みました。ちなみにこの日の夕方からは、某声優アーティストさんのインタビューが入っており、現場に肉まんをお持ちしたら大変よろこばれました。

いつになっても、大安定のお土産ですね!

イベントを待つファンのみなさま。こうした光景が次に見られるのは、いつのことでしょうか……。

<ライター紹介>

佐伯 敦史

さえき あつし

アニメ・声優・ゲーム・アイドルなどの情報をご紹介するポータルサイト「れポたま!」で編集・ライターを務める。

「ムーンライトながら」廃止のニュースにショックを受けつつ、年末の「レヱル・ロマネスク」真岡鐵道取材で「鉄分」を大量に吸収し、もう少し頑張れそう。今年はマツダスタジアムに広島カープの試合を観に行きたいなあ……。できれば「青春18きっぷ」を使って。

ちなみに、鉄道関連の宝物は、以前取材でごあいさつさせてもらったホリプロ・南田裕介氏(知る人ぞ知る、鉄道知識が豊富なマネージャー)の名刺。最近お気に入りの鉄道系YouTuberは、現役大学生の西園寺(さいおんじ)さん。

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