飯田里穂、2年ぶりのニューシングルはfripSide・八木沼悟志サウンドプロデュース! アニメ「キングスレイド」新ED「One Wish」リリース記念インタビュー!

飯田里穂さんにとっておよそ2年ぶりのニューシングル「One Wish」が、2021年2月10日にリリースされる。

この曲はTVアニメ「キングスレイド 意志を継ぐものたち」の新エンディングテーマとして、すでに放送されており、作詞・作曲をfripSideの八木沼悟志さんが担当。これまでと違った飯田里穂を見せてくれる楽曲で、話題となっている。

いっぽう、カップリング曲の「Won’t lie never ever」は、昨年彼女自身が感じたことをストレートに綴った歌詞が胸に響くEDMとなっており、強力な2曲が収録されたシングルとなっている。今回は、新境地を切り開いた新曲についてたっぷり語ってもらった。



レコーディングに向けてトレーニングもバッチリ!

ーー昨年はアーティストデビュー5周年でしたが、コロナ禍もあり、予定していた通りにはできないことが多かったと思います。

飯田 アーティストデビュー5周年だけではなく、自分自身の芸能生活20周年でもあったので、2020年はお祝いイヤーということで、いろいろ準備もしていたんです。締めくくりとして、ハワイでのファンミーティングツアーも企画していたり……。それらはできなくなってしまいましたけど、その代案として、自宅でパンケーキを焼いてYouTubeライブをしたり(笑)、5周年ライブもアコースティックにして無観客での配信にしたり、もともと企画していたものに見合うかどうかはわからないけど、それをしたことでファンのみんなとの絆がすごく生まれた気がしました。

ーーみんなで同じ思いを共有している感じはありますよね。

飯田 普段は気づかないようなことも、オンラインライブをやることで、「みんなはこういう感じで受け入れてくれるんだ」と知ることもありましたね。10月には「Riho Iida BirthdayParty2020 ~off-line&on-line~」というバースデイイベントを、久々にお客さんを入れてやったんですけど、みんなに直接会えたときの感動はすごいものがありました! ファンの皆さんには、友達よりもたくさん会うことができる時期もあるじゃないですか。そういう方たちに、長い期間会えないことが、こんなに寂しいことなんだって思いましたし、再会できた時はひとつの戦いを乗り切って、再びこの地で出会えた仲間!みたいな感動がありましたね。

ーーよく元気で生きていたね!って思いますよね。

飯田 本当にそう! みんな元気な笑顔が見れてよかったなぁって思いました(笑)。

ーー自分を、見つめ直すタイミングなどはありましたか?

飯田 それはまさにカップリングの「Won’t lie never ever」の話になるんですけど、昨年の外出自粛期間中は、20年の活動を振り返ったり、考える時間も多かったので、そこから生まれた歌詞になっているんです。

ーーでは、それは後ほど聞きましょう! まずは、2月10日にリリースされるシングルの表題曲「One Wish」についてですが、TVアニメ「キングスレイド 意志を継ぐものたち」の新エンディングテーマであり、fripSideの八木沼悟志さんがプロデュースをしていることでも話題になっています。この曲にはどのような形で携わっていったのでしょうか。

飯田 「今回はアニメタイアップをやります! 曲はこれです!」と、曲を受け取ったときに全部を知ったんです。だから逆に、「え? いいんですか?」「八木沼さんの曲を歌っていいんですか?」みたいな感じだったんです(笑)。楽曲を聴かせてもらった時は、八木沼さんイズムがあると思ったのと同時に、これを私が歌えるのかという不安が出てきたんですけど……。

ーー八木沼さんは、「飯田さんと『キングスレイド』にどんな楽曲が似合うのかを焦点に作り上げた」というコメントを発しているので、飯田さんにも合う曲を考えて作られたのかなと思うのですが。

飯田 どうなんだろう~。でも歌詞がすごく前向きで、後ろを振り返っていない感じは私っぽいですかね(笑)。芯がある真っ直ぐさというか。〈2度と来ない今日を生きてるから〉とかは、私もいつも思っていることだなぁとは思いました。

ーー2番は特に、飯田さんらしいというか、背中を押してくれそうな歌詞だなと思いました。八木沼さんとお会いしたときはどんな感じだったのですか?

飯田 八木沼さんとはこれまで挨拶くらいしかしたことがなく、あまり話をする機会がなかったので、今回、レコーディングでディレクションをいただいたのが、初めてちゃんと会話する機会だったんです。まだ私のことも知ってもらえてないだろうなと思ったから、レコーディング前にたくさんお話をしました。私のことをちょっとでも知ってもらってからブースに入ったほうがいいと思ったので。

ーー飯田さんの、八木沼さんに対する印象はどうだったのですか?

飯田 あまりしゃべらないクールな感じの方かと思っていたんですよ。アーティストのビジュアルもスッとされているので、気安く話しかけちゃいけない人なのかと思ったら、とても親しみやすくて会話も弾んで楽しかったです。

ーー歌うのも大変な曲だと思いますが、歌録りはいかがでしたか?

飯田 まずがっかりされたらどうしようって思いました(笑)。しかもレーベルメイトでもあるから、がっかりさせたとしても逃げ道がないじゃないですか。緊張しながら一発目を歌ったのは覚えています。でも、レコーディング前に個人的にボイトレにも通ったり、準備はしっかりして行ったんですよ。それで1回目に「大丈夫そうだね」と言ってもらえたので、安心してテイクを重ねていくことができました。

ーーボーカルは、どんなアプローチで作っていったのですか。

飯田 まず、曲の強さやスピード感に負けない強さで歌うということ。あとは主人公のカーセルにずっと付いて行っているフレイという女の子視点の曲だと思ったので、フレイに感情移入をしながら歌った感じでした。「One Wish」というタイトル通り、願う感じは出そうと思いました。

ーーMVも、これまでになかったテイストですね。

飯田 私が希望を伝えたら、自分の好きなものはできるだろうけど、楽曲との違和感になるような気もしたので、MVもお任せするのが一番じゃないのかなと思いました。だから私がその中でどう動けるかというところでがんばった感じです。

これまでロケが多かったので、スタジオだけで撮ったMVも初めてだし、バックバンドがいるのも初めてだったので、すべてが新鮮でした。スタンドマイクがあるけど、どう扱えばいいんですか?って感じだったので、とりあえず回しましたけど(笑)。衣装も世界観も曲も新しい感じだったので、とりあえず動いてみて、その映像を確認して、こう動いたほうがいいですよねって提案しながら撮っていく作業でした。

ーー後半にはちょっとしたサプライズもありましたね。

飯田 そうですね。バックバンドとしてあの方も登場しているので、楽しみにしていてください。今回は、アニメには騎士が出てくることから、ジャンヌ・ダルクのようなイメージでアー写やジャケットやMVを撮影したので笑顔がないんですよ。この飯田里穂から笑顔を一切抜いた!みたいなのは、新たな挑戦だなって思います(笑)。

カップリング曲は、20年間の芸能活動の中で気づいたメッセージ

ーーカップリングの「Won’t lie never ever」ですが、すごくメッセージ性がある曲だと思いました。

飯田 今回はPA-NONさんと2人で作詞をしているんですけど、次にシングルがあるのなら、カップリングの歌詞は私に書かせてくださいというのは、前もってお願いしていたんです。時間の関係もあって共作になったんですけど、楽曲はタイトル曲が強かったので、そちらとバランスを取るのではなく、あえて両方強い曲で行こうと思って、同じフレーズを繰り返すような耳に残るEDMにしたいという希望を出しました。

ーーそこから届いた曲に、どんな歌詞を付けていこうと?

飯田 本当に、その時書きたかったことを書いているんですけど、芸能活動20周年を迎え、「どういうことが飯田さんが20年やってきた理念になっていますか?」みたいな質問をよく聞かれたんです。それを下の子たちに伝えてあげてくださいとか。でも、最初は何を答えていいかわからなかったんですね。ただやっていたら20年経っていただけなんだけどなぁって。

でも、自分の背中を見てくれる子たちも最近は増えたので、ちゃんと考えなければいけないと思って、去年の(緊急事態宣言下の)外出自粛期間中に考えていたんですね。そこからだんだんまた仕事ができるようになってきた時、ふっと答えが落ちてきて、それが「嘘はつかない、嘘がつけない」ということだったんです。

芸能界って、すごくキラキラした世界だけど、めちゃめちゃリアルで、嘘をつくとすぐにバレるんですよ! たとえば、仕事でクールに見せようと思っても、すぐにバレてしまう。きらびやかな世界だけど、そこには嘘がないんだよっていうことを後輩に伝えたいなと思ったんです。

ーーでも、なかなか自分を出すって難しいですよね。

飯田 ありのままで仕事をしていると不安になるんですよ。キャラクターの濃い方が周りにいっぱいいるから、自分には何もないんじゃないかと思ってしまう。自分らしくいることってすごく勇気がいるけど、だからと言って嘘をつくとバレるから、自分を見つけて、しっかり生きていくことが大事なんだと思うんです。

ーー歌詞にも〈偽りのない 自分でいるという勇気〉とありますからね。飯田さんも“自分らしさ”を見つけるのには時間がかかりました?

飯田 本当に20年間、闇雲にやってきたので、私も、最近考える時間があって、あらためて気づいた感じなんですよね。

ーーそうやって気づいたことを伝えようと思ったんですね。

飯田 そうですね。事務所にレッスンで来ている子たちの授業を、志願して見に行ったりしたんです。そのときに芽生えた気持ちとかも歌詞に入れているんですけど、みんな迷っていて、私にも何か教えられることがあるのかもしれないなと思って、今回歌詞に残してみたんですよね。いつか迷ったら、この歌詞を見てもらいたいなって。

でも、よく自分が言いたかったことがこんなに歌詞に入ったなと思います(笑)。私が伝えたいことを話して、PA-NONさんが曲にはめていってくれたんですけど、一緒じゃなければたぶん不可能だったと思います。

それに曲ができあがってみると、去年の一年間、いろいろなことに迷った方がいると思うんですけど、そういう方も後押しできるような、背中を押せるような曲になっているなと思いました。

ーー曲的には、すごくノれる曲だから、聴いて踊って楽しむこともできるし、歌詞を見ると刺さる言葉があるので、いろいろな楽しみ方ができる曲ですね。特にタイトルにもある、サビ頭の〈I won't lie never ever〉が気持ちよかったです。

飯田 この言葉を探すのがものすごく苦労したんですよ! PA-NONさんのツテで英語に詳しい方に聞いたりしながら。だからこの言葉が出てきてからは、結構早くできた気がします。

ーーこの激強な2曲が収録されたシングル「One Wish」で2021年がスタートしていきますが、どんな1年にしたいですか?

飯田 やっぱり新しく出した曲を、いつかみんながいる前で歌いたいですね。それはどんなアーティストさんも願っていることだと思います。歌って、会場でどうやって曲を作り上げていくかというのも楽しいので、またその感覚を味わいたいですね。

(取材・文/塚越淳一)

【CD情報】

■One Wish

・発売日:2021年2月10日

・価格:<初回限定盤 (CD+DVD)>1,800円(税別)、<通常盤 (CD)>1,200円(税別)

・発売元、販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

<CD収録曲>

01.One Wish (TVアニメ『キングスレイド 意志を継ぐものたち』新エンディングテーマ)

作詞・作曲:八木沼悟志 編曲:齋藤真也

02.Won’t lie never ever

作詞:飯田里穂/PA-NON 作曲・編曲:彦田元気

03.One Wish <instrumental>

04.Won’t lie never ever <instrumental>

<初回限定盤DVD収録内容>

「One Wish」MV

「One Wish」MV Making

※ 12月26日(土)より「One Wish」ダウンロード先行配信中!

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