三森すずこ、蒼井翔太らが舞台でも躍動! 2021年春放送の新作オリジナルアニメ「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD」制作発表会レポート

新作オリジナルテレビアニメ「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD」の制作発表会が2021年2月9日、明治座にて開催された。

「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD」(以下、「擾乱」)は、2021年4月より放送予定の新作テレビアニメーション。明治64年、徳川最後の将軍・徳川慶喜がいまだ健在というifの歴史を舞台に、重厚なストーリーと本格的なアクションが繰り広げられる。アニメーション制作はBAKKEN RECORDで、監督を工藤進氏、シリーズ構成を根津理香氏が手がける。

明治座で行なわれた制作発表会には、BAKKEN RECORDの大松裕プロデューサー、ブシロードの木谷高明会長、出演者より雪村咲羽役の三森すずこさん、月城真琴役の蒼井翔太さん、花風エレーナ役のRaychellさん、中村浅陽役の伊藤彩沙さん、葛原仁役の小林親弘さんが登壇。司会進行は日本テレビの伊藤遼アナウンサーが行なった。なお、発表会が行なわれた明治座は、アニメ版の声優と同一キャストがメインキャストを務める舞台版の上演劇場として予定されている。

アニメーション制作を手がけるBAKKEN RECORDは、老舗・タツノコプロが立ち上げた新しいレーベルで、伝統を継承しつつ新たな挑戦を続けることをコンセプトとしている。本作の企画や原案にも携わった大松裕プロデューサーは、「僕は歴史好きで、普段からいろいろな妄想をしているんです。もし戊辰戦争で徳川政府が勝っていたらどうなるのか、という長年の妄想を形にしました。挑戦的な企画をやろうというオーダーに応えて制作しました」と語っていた。

広報や音楽、2.5次元舞台の制作などを担当するブシロード・木谷高明会長は「このPVのクオリティでアニメが繰り広げられると思うと楽しみです。僕も歴史ファンなので、明治64年という言葉だけでも高まりますね。海外でもいけるんじゃないかと思っています。この作品はあまり制作には立ち入らず、あえてファン目線で楽しみたいです。だからいよいよ僕も自宅でHuluに入る日が来ました」とジョークを交えてコメントしていた。

三森すずこさんは演じる雪村咲羽について「難しいところしかなくて、毎晩これでいいのかと自問自答しながら、魂を削って演じています。心の底にある恨み、復讐のために生きている少女です」とコメント。三森さんによる咲羽の紹介では“特殊な力を持つ青い血の持ち主”“家族の仇を討つために”といったキーワードが聞かれた。

月城真琴役の蒼井翔太さんは男装の麗人を演じることについて、「僕も普段女形をよく演じさせてもらうので、月城の気持ちが少しはわかるのではないかと思っています」と、演じるうえでの使命感を語った。大松プロデューサーのコメントをうなずきながら聞いていた蒼井さんは、制作スタッフの愛と熱量を強く感じる作品であることを強調していた。

花風エレーナ役のRaychellさんは「第一印象としては、(エレーナは)すごく色っぽくて艶がある女性だなと思いました。娼婦の一面もある女性をどう演じたらいいのかと思い、キャストの皆さんや監督さんにアドバイスをもらいながら演じました」。キャラクター紹介の人情よりもお金というフレーズが印象的だ。

中村浅陽役の伊藤彩沙さんは「浅陽は純真無垢な7歳の女の子ですが、雪村に両親を処刑され、今はその雪村と暮らしているという複雑な立場です。浅陽は子供で、スタッフさんからはイノセントな存在だと言われています」とコメント。三森さんからは「浅陽は物語が進めば進むほどイノセント」との言葉もあった。

葛原仁役の小林親弘さんは「表向きは鵺(ぬえ)という処刑人組織を統括する存在で、何を考えているかわからないところがあります。まだ言えないことがたくさんあります」とミステリアスなコメントをしていた。

このほか、「擾乱」の主題歌はRAISE A SUILEN(以下、RAS)がオープニングテーマ「EXIST」、エンディングテーマ「Embrace of light」を担当することが発表された。RASのボーカルでもあるRaychellさんは、発表会の冒頭にMVを見て「(BGMに流れる「EXIST」に)聞いたような声がしましたね?」と笑いを取った。Raychellさんは楽曲について「どちらも作品に合わせた書き下ろしで、「擾乱」の世界観にぴったりの疾走感のある楽曲になっています。RASらしさに和のテイストが加わった新しい楽曲になっていると思います」と語っていた。CDは4月21日リリース予定で、ブックレット裏側には和装のRASメンバーが描き下ろされているとのことだ。なお音楽については、放送に先駆けて3月24日に、全41曲を収録したオリジナルサウンドトラックの配信が決定している。

発表会の後半では蒼井さんより、2021年秋の舞台化決定が明かされた。舞台でも声優キャストがそのまま出演するということで、三森さんは「明治座さんで大立ち回りをすると思うと高まります」。Raychellさんは「私なんて鞭を振りますから!」と興奮している様子。

最後の挨拶では、主演の三森さんが「毎話命がけで演じています。放送を楽しみにしてもらえたらと思います」と意気込みを語った。大松プロデューサーは「5人の人生を描き切ったと思います」、木谷会長は「この作品に関われたことを心から嬉しいと思います。せいいっぱい世の中に広げられるようにがんばっていきます」と語り、制作陣の言葉からも手ごたえが感じられた。

TVアニメ「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD」は日本テレビにて2021年4月6日から、BS日テレにて2021年4月7日から放送予定。Huluでは放送に先立って、各話1 週間の先行配信を予定している。

(取材・文/中里キリ)

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