ゆま、ナイトシティに降り立つ! 圧倒的ボリュームのオープンワールドRPG「サイバーパンク2077」の巻【つみゲ部! 第6話】

ここは積木橋(つみきばし)大学ゲーム研究部。略して「つみゲ部」の部室。

研究とは名ばかりで、部員たちが各々の積んでいるゲーム、いわゆる「積みゲー」を持ち寄り、ただひたすら遊ぶだけの部活動である……。
そんな「つみゲ部」の日常をゆったりまったり描く、ラノベ風ゲームレビュー連載!

◆つみゲ部 部員紹介◆
紺ノ下ゆま(こんのした ゆま) 主人公。19歳の大学一年生。明るく素直で礼儀正しいがちょっと天然な性格。ゲームは雑多に、カジュアルに、興味があるものをいろいろとやるタイプで、どんなジャンルのゲームでも毛嫌いせずに楽しむ。
駅丘沙遊里(えきおか さゆり) 大学二年生の20歳で、つみゲ部の部長。語りだしたら止まらない熱血ゲーマーで、ゲームの知識が豊富。昔のゲーム(ファミコン以前のマニアックなものもカバー!)から最新のゲームまで幅広い知識を持ち、話題作からマニアックなものまで気になるゲームはなんでも買う。でも、ゲームの腕前はイマイチらしい。
切島スイ(きりしま すい) 大学二年生の20歳で、つみゲ部の副部長。沙遊里とは大学一年の春に出会った。沙遊里の影響でゲームにハマり、今ではすっかりゲーマーになったギャル系女子。どんなジャンルのゲームでもちょっと触ったらコツを掴んですぐにうまくなる天才肌ゲーマー。

ある日の夕方。今日も今日とてゲームで遊ぼうと、一年生の部員・紺ノ下(こんのした)ゆまが部室へとやってきて、そのドアを開けた。

お疲れ様ですー♪

部室では、部長の二年生・駅丘沙遊里(えきおか さゆり)と、もうひとりの部員である副部長の二年生・切島(きりしま)スイが、何やら神妙な面持ちで会話をしていた。

ううむ、私にはできないな……。前頭葉や神経系を機械に換えるというのは、想像しただけでかなり怖い……。

そう? あたしは換えれるとこは全部まるっと機械に換えちゃってもいいけどな~。だって脳とか骨が機械ってカッコよくない?

そうか……? スイはなんというか、考え方が先進的だな……。

あ、あの~、なんの話をしてるんですか……?

そう尋ねながら、部屋に入り、着席するゆま。これでつみゲ部の部員3人、全員勢揃いとなった。

おお、ゆま、来たな。今日は私が持ってきた「サイバーパンク2077」をやろうと思ってな! それに先駆けて、スイと雑談をしていたんだ。

「サイバーパンク2077」! 知ってますよ、話題の超大作ですねっ!

そそ! あたしも発売日に買ったんだよね~♪ 今日は沙遊里が持ってきてくれたから、みんなでしゃべりながら遊ぼうってことになったんだよ。

うむ。ゆまが未プレイということなら、大ボリュームの「サイバーパンク2077」の魅力を、スイと私の2人がかりで今日はたっぷり語らせてもらうぞ!

はい、お願いしますっ♪ あ、ということは、『脳とか骨を機械に換える』っていうのは「サイバーパンク2077」の話だったんですね?

いや? あたしがガチでそういう手術しちゃおうかなーって話だけど?

えええっ!? だ、大丈夫なんですかそんなことして……! というか現代の技術でそんなSFみたいな手術が……? それにそれに、お金だってすっごくかかっちゃうんじゃ……!!

し、信じてるし……!

ゆま……なんて純真無垢な奴……。

原作はTRPG!見た目のカスタマイズと「ライフパス」で本格ロールプレイが楽しめる!

ゲームの紹介をする前に、まず「サイバーパンク2077」の原作について紹介しておこう。

原作があるんですね! 小説とかですか……?

ざんねん♪ 原作はね、TRPGなんだよ。

てぃーあーるぴーじー……?

TRPG、すなわち「テーブルトークRPG」のことだ。コンピューターゲームではなく、紙と鉛筆とサイコロなどを用いて、人間同士で会話をしながら、キャラクターになりきって遊ぶロールプレイングゲームだな。

「サイバーパンク2077」はね、「サイバーパンク2.0.2.0.」っていうTRPGが原作なんだよ。

なるほど~……ということは、「サイバーパンク2077」はジャンルでいうとRPGってことですか?

そのとおりだっ!

声でかっ!

一見、アクションやFPS要素が強めに見えるが、実は「サイバーパンク2077」を語るうえで最も重要な要素はRPG、つまり「プレイヤーが、主人公の役割になりきるゲーム」であるという点なんだ。

ふむふむ。

本作の主人公は「V(ヴィー)」という名前の人物だ。Vは、プレイヤーがメイキングすることによって男性にも女性にもできるし、顔のパーツや髪型、目の色や爪の色に至るまで細かく見た目を作り込むことができる。

自分で作ったキャラだから、より強く“ロールプレイ”ができるってことだね♪ ちなみにあたし、かなりこだわって作ったから、キャラメイクに1時間かかっちゃったよ。

えーっ、そんなにですか……! スイさんが1時間かかるんだったら私は丸1日かかっちゃうかも……凝り性だし優柔不断なので……!

ちなみに、プレイヤーがメイキングできるのは見た目だけじゃないぞ。「ライフパス」というものを選んで、主人公・Vの生い立ちを決めることができるんだ。

生い立ち、ですか……?

主人公が、どういう人生を送ってきた人なのかっていう設定だね。ロールプレイングゲームでいうロール(役割)にあたるやつだよ。

選べるライフパスは3種類用意されている。舞台であるナイトシティで生まれ育った、ストリートの住民「ストリートキッド」、ナイトシティの郊外にある砂漠地帯・バッドランズで生まれ育ったという設定の「ノーマッド」、そしてナイトシティにある大企業・アラサカ社のエージェントという人生の成功者的な「コーポレート」だ。どれを選ぶかによって、プロローグの内容やゲーム中の会話に変化が起こるぞ。

あたしは「ノーマッド」を選んだよ。街の外からやってきた流れ者って設定、映画っぽくてカッコいいし♪

私は「コーポレート」が気になります! 大企業で働くエリートって、クールなイメージがあって、私とは真逆のタイプって感じがしてなんだか憧れちゃうので……♪

うむうむ。ちなみに私は、弱肉強食の世界で生き抜いていくカッコよさに惹かれて「ストリートキッド」を選んだぞ。

あ~、沙遊里っぽいかも。

そ、そうか……?

ほら、昔さ、部室を確保するために大学側やら他の部に対して結構アグレッシブに交渉してたことあったでしょ? あのときの沙遊里、なんか自分たちのテリトリーを守る「ストリート育ち」って感じしたよ。

へ~、そんなことがあったんですね! 部長さん、カッコいい……♪

なっ、なんだか、そんな風に言われると無性に恥ずかしくなってきたな……! つ、次いくぞ、次っ!

没入感&自由度高すぎ! 広大なオープンワールドと豊富な育成要素が魅力

「サイバーパンク2077」は、一人称視点のオープンワールドRPGだ。主人公・Vの視点で広大なナイトシティを駆け巡ると、本当に近未来の世界で生活をしているような深い没入感が得られるぞ。

ナイトシティの雰囲気、独特でいいよね。いたるところでネオンがギラギラ光ってて、雑然としてて退廃的で、あちこちに機械があって……。「ゲームだからこそ表現できる世界」って感じで、歩いてるだけでワクワクできるよ♪

オープンワールドってことは、プレイヤーはこのナイトシティを、好きなように自由に歩き回れちゃうってことですよね?

うむ。プレイヤーの目的は、物語の主軸となるメインジョブをクリアしていくことだが、本作には寄り道要素的なサイドジョブが大量に用意されているので、街を自由に散策しながらサイドジョブをこなすことに注力しても構わない。オープンワールドならではの、自由度の高いプレイが楽しめるぞ♪

ちなみに歩き回るだけじゃなくて、車でドライブもできるし、特定の場所から場所にすぐ移動できるファストトラベルもあるよ♪ ナイトシティはマジで広いから、歩きだけじゃ大変すぎるからね~。

景色が魅力的だから、ドライブは楽しそうですね♪

うん、異世界を旅行してる気分になるよ♪ でも、景色に見とれすぎて事故んないように気をつけなきゃね。

そ、そうですね……!(私、事故りそうだなぁ……)

「サイバーパンク2077」の自由さは、オープンワールド要素だけじゃないぞ。RPGには欠かせない育成要素も豊富で、非常に自由度が高い作りになっているんだ。

わかるっ! 能力値ポイントとかパークポイントとか、どこに振ろうかめちゃくちゃ迷うよね~。

えっと、ポイントが2種類あるんですか……?

うむ、ではひとつずつ紹介していこう。まずは能力値ポイントだ。これはレベルアップ時に獲得でき、5つのカテゴリーのいずれかに振り分けることができる。

「肉体」「反応」「知力」「技術」「意思」の5つだね。「肉体」ならHP上限とか近接武器のダメージが増えたり、「意思」なら耐性が増えたりみたいに、それぞれに対応するステータスが上がっていくんだよ。

さらに、たとえば「肉体」を強化すればドアを強引にこじ開けることができるようになったり、「反応」を強化すれば移動速度が向上したりと、ステータス以外の面にも影響が出るんだ。

なるほど~……、これは私、絶対すごく迷っちゃうやつですね……!

ちなみにあたしは、最初は「肉体」にとりあえずいっぱい振ったよ。思いっきり大暴れしたいし♪

スイ、意外と脳筋タイプか! ゲームが得意な天才肌でしかも脳筋バーサーカーなんて、敵に回すと一番やっかいなタイプじゃないか……!

いや、誰が脳筋バーサーカーだ。

あはは……。あの、それで、パークポイントっていうのは、どういう要素なんですか?

うむ。パークというのは、いわゆる特殊技能のようなものなんだ。「最大HPがアップ」「特定の銃のリロード時間短縮」「クラフトしたアイテムの売却価格+10%」など、さまざまな効果のパークがあり、パークポイントを使って解放することができる。

能力値が上がることで解放できるパークが増えていくから、能力値ポイントをどこに振るかがここでも重要になってくるんだよ。

もう一度言いますけど、これは私、絶対すごく迷っちゃうやつですね……!!

本作は武器やアーマーなどの装備品も豊富だ。装備品にはレアリティが設定されているので、より希少なものを求めてついついバトルを繰り返してしまうこと請け合いだな。

スイさんの大好きなハクスラ要素ですね♪

そういうこと! もうほんと、完全に沼だよ~!

ハマったら抜けられなくなっちゃうやつですね……!

さらにさらに、「サイバーウェア」というものもある。これは、前頭葉や循環器、視覚系、手、腕、脚などVの肉体を機械に置き換えて強化していくシステムで、「サイバーパンク2077」の世界観を体現した、最も“ならでは感”のある要素のひとつと言えるだろう。

あっ、なるほど! これが最初に部長さんとスイさんがしゃべってた話だったんですね♪

そーゆーこと♪ でも、あたしがそういう機械化手術しちゃおうかなーって言ってたのはホントの話だよ?

え、え、それはホントなんですか……!? ……う~ん、でもやっぱりそういう手術は危ないですし、ちょっと考え直したほうが……!

いやいや、また信じてるし!

ゆま……どこまでも純真無垢な奴……。

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