【インタビュー】高野麻里佳がソロアーティストとしてデビュー。1stシングル「夢みたい、でも夢じゃない」は正統派の1曲に!

声優として数々の作品に出演し、音楽ユニット「イヤホンズ」の一員としても活躍する高野麻里佳が、満を持してのソロアーティストデビューを果たす。デビュー曲の「夢みたい、でも夢じゃない」は、今の彼女が立っている地点と明るい未来を見つめた、純度の高いポップナンバーに。そのいっぽう、カップリングの「I tie U」は濃密な世界観を感じさせる楽曲になった。すでに多くのファンを持つ人気声優である高野さん、アーティスト活動にも大いに期待できそうだ!

自分が本当に納得してからじゃないと、一歩を踏み出せないタイプなんです


──高野さんはイヤホンズなど、声優ユニットとしての活動で定評があります。そんな中、ソロデビューに至った経緯を、まずは教えていただけますか?

高野 実はデビューのお話は何年も前からいただいていました。でも、「声優とともにアーティスト活動もやっています」と自信を持って言うことができて、かつファンの方々に認めてもらうには、まだ早いんじゃないかという思いがずっとあったんです。まず一番に声のお仕事のイメージがない私がいたとしたら、いつかダメになってしまうんじゃないかって。そんな中、2020年は、私の声優人生はたくさんの方々に支えられているということに改めて気づいた年になって、今なら新たな一歩を踏み出せるような気がしたんです。私を支えてくださる多くの方へ感謝の気持ちを表したいという思いもあって、ソロデビューを決心しました。

──新しいことを始めるなら、自分がしっかり納得してから、と考えるタイプなんですね。すごく真面目というか。

高野 そうなんです、ちょっと頭が固いのかもしれないなと(笑)。でも、自分の歩んできた道を後悔しないためにも、しっかりと考えて決めていきたいなと思っています。今回のソロデビューも自分の一存だけではなく、いろいろな方の意見をいただいて、ああでもないこうでもないと考えてからの第一歩でした。そういう地道な進み方が私にとっての人生という気がします。

──考え尽くしてのソロデビューだったわけですね。そうして完成したデビューシングルの表題曲「夢みたい、でも夢じゃない」は、王道の楽曲という印象がありました。

高野 デビュー曲は、ソロアーティストとして堂々とした第一歩を踏み出せる正統派の楽曲にしたいと思いました。それに自分自身、音楽に背中を押してもらった瞬間が人生の中でたくさんあったので、私の曲が誰かにとってそうなればいいなという思いもあって。いろいろなタイプのデモ曲を30曲くらい聴かせていただいて、すごく悩みながら、私の思いを表してくれている曲を選んでいきました。

──作詞・作曲・編曲は、鶴崎輝一さんです。アイドルの48グループや、声優では鬼頭明里さんや小倉唯さんに楽曲提供されている方ですね。

高野 鶴崎さんの曲は、私の中にあったデビュー曲のイメージと一番合っていて、仮歌詞をそのまま使わせていただきました。だから、1番の歌詞はデモ曲のままなんです。2番以降は楽曲の採用が決まってから作っていただいたんですけど。

──デモ段階では歌詞は1番しかないですからね。

高野 1番は未来に向かう、明るく前向きな気持ちが表現されています。それだけでも素晴らしいんですけど、2番以降はそこに陰の部分が含まれてくるんですよね。夢を真剣に追いかけるときは明るいことばかりじゃないよねということを、しっかりと歌詞にしてくださったので、ますますこの曲を歌いたくなりました。

──ポップでありつつ、とても実直な歌詞だと思いました。

高野 リアリティがあると思いました。今までもそうだったし、これからも明るく楽しいだけではない瞬間は必ずあると思うんですけど、好きなことを仕事にしているからこそ、苦しみも愛おしく感じられるような気がします。私のそういう思いと歌詞が見事に重なっていて、「鶴崎さん、ありがとうございます」という気持ちです(笑)。

──曲調的には軽やかで、明るい気持ちで聴ける曲です。レコーディングでは、どんなことに気を配りましたか?

高野 歌詞には「がんばれ」みたいな直接的な言葉は入ってないんですけど、みんなの背中をグッと押せるような曲にしたいなと思って、力強いボーカルを目指しました。最後のサビに「夢じゃない ならなんて呼ぼうか 色づいていく思い」という一節があるんですけど、その思いは「勇気」だったり「元気」だったり「希望」だったり、聴いてくださる方によって変わるのかなと思って、大切に歌いました。

──この部分の歌詞によって、「夢みたい、でも夢じゃない」というタイトルに、一段と深みが出ているような気がします。夢という言葉ひとつでは表しきれない思いが歌われている曲ですよね。

高野 夢はかなってしまったら消えてしまうのかと言ったら、そうじゃないじゃないですか。自分自身への新しい期待というものが「夢」という言葉には含まれていて、それをつかみ取った先の未来まで想像できる曲になっていると思いました。

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