【インタビュー】SawanoHiroyuki[nZk]の4thアルバム「iv」が完成! 今回も多彩なボーカリストが参加した豪華な内容に
作曲家・澤野弘之のボーカルプロジェクト、SawanoHiroyuki[nZk]の4枚目のアルバム「iv」(イヴ)が、2021年3月3日にリリースされた。岡崎体育や優里、ReoNa、そして“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのアイナ・ジ・エンドなど、今回も多彩なボーカリストが参加。澤野弘之が作り上げるサウンドと見事なコラボレーションを果たした。
初回盤のBlu-rayには、昨年8月7日に無観客配信で行われたライブ「澤野弘之 LIVE “BEST OF VOCAL WORKS [nZk]” Side SawanoHiroyuki[nZk]」の模様を収録。前作「R∃/MEMBER」とリンクしているジャケットデザインなど、今回もこだわりが詰まった作品となった!
2020年は、自分の新しい可能性に気づけた年でした
──コロナ禍の中、2020年の澤野さんは精力的に活動されていましたね。
澤野 そうですね。ああいう状況だったので、自分から積極的に発信できればいいなと思って、いろいろと動いていました。
──その成果が4thアルバム「iv」に出ていると思いました。ボーナストラックとして、演奏者がそれぞれの自宅で撮った映像と音源を合わせた「宅REC-nZk」やスタジオライブの「[-30k]re:tuneS」から3曲が、初回盤のBlu-rayには8月に開催された無観客ライブの模様が収録されています。2020年は澤野さんにとって、どんな年でしたか?
澤野 去年は僕が劇伴の作家活動を始めて15周年ということで、ベストアルバムの「BEST OF VOCAL WORKS [nZk] 2」を出してライブを企画していたんです。それがコロナ禍という状況にあって動けなくなった部分があり、その代わりにできることを探していきました。そもそも劇伴作家の仕事は自宅にこもって曲を作ることなので、僕自身の業務にはあまり支障がなかったんですけど、いつも助けてくれるミュージシャンたちが現場の仕事がなくなって、彼らと一緒に何かできないかというのがきっかけで、じゃあ宅録の形で過去の曲をリアレンジして演奏してみようと。そうして始まったのが「宅REC-nZk」で、僕自身もすごく楽しいことができたという気持ちになりました。劇伴を作ってレコーディングして終わりではなく、自分たちから作品に対してもっと積極的に関わっていくことができることに気づいたのが2020年でした。
──制限されることは多かったんですけど、その中でもやれることはいろいろあったと。
澤野 マイナスな環境を、どれだけ自分にプラスに持っていけるかが重要なのかなと。悪いことばかりに目を向けていても意味はなくて、新しい可能性に気づけた年になったと思います。
──Blu-rayに収録されている無観客配信ライブ「澤野弘之 LIVE “BEST OF VOCAL WORKS [nZk]”」は、澤野さんにとって、どんなライブになりましたか?
澤野 15周年を目の前のお客さんと一緒に祝うライブを春にやる予定だったんですけど、夏に開催日をずらして無観客でやることになりました。無観客は残念でしたが、ミュージシャンたちと同じ空間で演奏する楽しさがありました。「宅REC-nZk」も楽しかったんですけど、やっぱり音楽はみんなと一緒にやることが重要だなと。初回盤を手にされた方は、ぜひ映像で楽しんでいただきたいですね。
──では、アルバム本編の話に移っていきますが、オリジナルアルバムとしては、2019年3月リリースの3rdアルバム「R∃/MEMBER」以来、2年ぶりの作品となります。「R∃/MEMBER」以降のシングル曲とアルバムの新曲という内容で、プロローグとエピローグ的なインストゥルメンタル2曲に挟まれて、11曲のボーカル曲が収録されています。アルバムの新曲では、魅力的なアーティストとの初顔合わせがたくさんありました。
澤野 僕が以前から組んでみたかった方や、スタッフから薦められた方がいます。たとえば優里さんは、素晴らしい男性ボーカリストがいるとスタッフから聞き、音源を聴いてお願いしましたし、岡崎体育さんやアイナ・ジ・エンドさんは、僕が以前から歌声に心惹かれていた方です。
──どの方も新鮮で、どんどん新しい可能性に挑戦されているなと思いました。
澤野 岡崎さんはTV出演されている姿を見るとトークが面白いですし、音楽にも面白い要素を入れながら活動されていますけど、僕は彼の楽曲の構築の仕方やボーカリストとしてのアプローチの仕方に惹かれて、ご一緒したらすごくいい化学反応が起こるんじゃないかなと思いました。アイナ・ジ・エンドさんは数年前、ちょうど「R∃/MEMBER」を作っているころに、hideさんのトリビュートアルバム「hide TRIBUTE IMPULSE」が出て、そこに参加されていたんです。今までの日本人の女性アーティストには感じられなかったハスキーな声の具合がよくて、どこかでご一緒できないかなと。
──アイナ・ジ・エンドさんに関しては、2年以上前から興味を惹かれていたんですね。
澤野 そうですね。それで去年、SUGIZOさんが監修された「ガンダム」の40周年アルバム「機動戦士ガンダム 40th Anniversary Album ~BEYOND~」に参加したときに、同じく参加されていたアイナ・ジ・エンドさんと、SUGIZOさんのYouTubeチャンネルでお会いすることができてご縁が重なり、今回のアルバムに至ったという流れです。
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