邪悪ではない異形を目指して── 「threezeroX竹谷隆之 イデオン」発売記念企画「発動篇」! 竹谷隆之&threezeroインタビュー!

香港発のコレクターズトイメーカー「threezero」より、2021年12月に「イデオン」が復活する! しかもデザインアレンジ&原型制作は竹谷隆之氏!

富野由悠季監督が、「機動戦士ガンダム」に続いて発表した1980年のアニメ「伝説巨神イデオン」。哲学的ともいえるストーリーや、人間の本質をえぐるような迫真のドラマ、見ごたえのある戦闘シーンといったアニメ本編の魅力もさることながら、主役ロボット「イデオン」も、第六文明人という古代人が生み出したロボット兵器というロマンあふれる設定や、人体構造を超越した特異なシルエット、アニメ本編での文字通り「神がかった活躍」など、放送から40年を経た今も色あせず、我々の心をつかんで離さない。

そんなレジェンドロボが、「threezeroX竹谷隆之 イデオン」として2021年12月に発売される。

そこで、今回、アキバ総研では2回にわたり「threezeroX竹谷隆之 イデオン」の魅力を掘り下げていきたい。

有機的なモチーフやクリーチャーの立体化で知られる竹谷氏は、アニメに登場するロボットをどのようにアレンジし、立体化したのだろうか……。

後編の「発動篇」では、アレンジを手がけた竹谷隆之氏、およびthreezero開発担当スタッフへのインタビューを掲載しよう。インタビュアーは、前編「接触篇」で「threezeroX竹谷隆之 イデオン」に触れたロボ大好き声優の泰勇気さんだ。
イデオンが鬼才・竹谷隆之のアレンジでアクションフィギュア化! 「threezeroX竹谷隆之 イデオン」発売記念インタビュー「接触篇」──ロボ好き声優・泰勇気がその魅力に迫る!

本商品がいかにして生まれたのか、その秘密が今明かされる……!

──今回の商品が企画された経緯を教えてください。

threezero 竹谷さんとthreezeroのCEOキム・フン・ウォンは長年の友人です。キムは竹谷さんのアーティスティックな造形スタイルのファンですし、竹谷さんもthreezero製品の再現度と精巧さを気に入っていただいております。そこで何かコラボレーションができないかと、2015年から動き始めました。

デザイナーが自由にできてこそ素晴らしい商品が生まれるというのがキムの考えですので、threezeroは常にデザイナーを尊重しております。そうすることによって、製品はデザイナーを代弁し、ユーザーにその背後にある物語や魂を伝えることができると考えております。

このプロジェクトでは、竹谷さんのスタジオで打ち合わせしたところ、竹谷さんが一番興味を持たれていた原作作品が「伝説巨神イデオン」だとわかり、それはthreezeroのロボット・フィギュアのスタイルともぴったり合致しておりましたので、イデオンをモチーフにすることに決定しました。また、サンライズさんからも企画内容にご理解とご快諾をいただき、監修もスムーズに進みました。

竹谷 経緯はその通りで、キムさんから「ロボットもので何か」というお題をいただき、アレンジするならその振り幅が大きく感じるほうがいいのだろうなと思い、「イデオンはどうでしょう」と提案させていただきました。若い時にそのストーリーや演出に衝撃を受けたというのも理由です。

──40年前にデザインされ、愛され続けてきた「イデオン」というメカをアレンジするにあたって、プレッシャーはありませんでしたか?

竹谷 その辺はかなり鈍感なので、プレッシャーという意味では大丈夫なんですが、多くのファンを持つ名作ですし、受け入れられるところまで到達したものにしなければという襟を正す気持ちでは臨みました。なので、元のデザインを“まったく変えてしまう”のではなく、元のデザインが持つイデオンらしさを“より強調する”ということに注力しました。

──このフィギュアで可能か不可能かは別として、今回のイデオンは3つのメカへの分離は想定されているのでしょうか。

竹谷 自分の頭の中ではCGのように分離・変形・合体するイデオンをモウソウしながら作業しました! たぶんそのほうが、異星人のオーバーテクノロジー感が強調されると思うんです。タイヤやキャタピラじゃなくて、もとは重力制御装置で浮遊するとか……。

──全身の模様には、何か法則や役割などの設定はあるのでしょうか。

竹谷 全身のいたるところに攻撃兵器があるという設定なので、ディテールに関してはミサイルやレーザー的なものを発射するためのカタチがあるのだろうな、と思いながら作りましたが、同時に“地球人がパッと見てなんだかわからない遠い感じ”も目指したので、わざと具体的な機能を認識できるカタチはできるだけ避けました。

──有機的な印象でありながらも、要所要所で平面も存在し、その辺りにもイデオンらしさが残されているように感じました。曲線はあっても曲面はあまり多用されていないことにも理由やこだわりがあるようでしたらお聞かせください。

竹谷 あまり曲面(3次元曲面)の組み合わせを多用しすぎると、巨大感、スケール感、人工物感が難しくなっていきますし、なによりイデオンらしさが遠のいてしまうので……という理由です。

──個人的印象ですが、もともとのデザインが「第6文明人」の遺した謎の遺産としては少々「機械的」な印象を感じておりまして、まさに今回のイデオンではその「未知なる物」という印象が猛烈に強調されているように感じました。その「強調」をするにあたってのポイントがございましたらお聞かせください。

竹谷 最初にイデオンが造られた理由が、人型の生命体が乗り込んで戦うものとして造られたのではなくて、その生命体が間違いをおこさないような抑止力として生命体みずからが造った“無限の力を有した神的存在”にも感じられるといいなと妄想しながら作りました。全体のフォルムとしては“人型”でも、第6文明人を模したものなのか、機能的理由でそうなっているのかが判然としない“神像”的なつもりで、「邪悪ではない異形」を目指しました。

──イデオンといえば「イデオン波導ガン」も印象的な兵器でした。そんな「イデオン波導ガン」をはじめ、バッフ・クランの重機動メカなど、「イデオン」に登場するほかのメカをアレンジする機会があったとしたら、次には何をアレンジしてみたいと思いますか。

竹谷 イデオン波導ガンももちろん作りたいですが、バッフ・クラン側のメカもアレンジ心をくすぐりますね! ザンザ・ルブやジグ・マックは、もともと親和性が高い気がしてましたし、バイラル・ジンは、デカいあのフォルムを作って、ひたすら表面に流用パーツを貼っていく……という老後をついつい妄想してしまいます!

──そのほか、本商品のイチオシのポイントを教えてください。

threezero 竹谷さんによる芸術的なデザインと造形が、大サイズのフル可動フィギュアとして自由にポージングして楽しめるという点です。また、確かな可動を実現するために、threezeroのPREMIUMシリーズと同等の亜鉛合金ダイキャスト製可動フレームが採用されています。

竹谷 イチオシはthreezeroのみなさんによる高品質のプロダクトテクニックです。モールドの再現性・精度、彩色のていねいさだけでなく、ダイキャストフレームの強度や可動の信頼性も素晴らしい! 僕もこれからじっくり妄想をふくらませながら楽しみたいと思います! そしてこの製品を気に入って買ってくださった方に楽しんでいただけるなら、何よりありがたいことと思っております。

さらにこれによって今まで原作であるアニメ「伝説巨神イデオン」を見たことのなかった方も興味を持っていただけるなら、時を経て僕が関わらせていただいた意味ができて本望です!

──ありがとうございました!

「threezeroX竹谷隆之 イデオン」は、GOODSMILE ONLINE SHOPにて絶賛予約受付中!
なお、59日まで開催の富野由悠季の世界(#)青森会場にて展示されているのを受け、受注期間も会期に合わせて延長が決定した。
GOODSMILE ONLINE SHOPにて、2021512日(水)21時までの受付となる。確実にゲットしたいという方は、今すぐ下記のリンクをクリックしよう!


【商品情報】

■threezeroX竹谷隆之 イデオン

・価格:132,000円(税込)

・発売時期:2021/12

・仕様:ABS&PVC&POM&亜鉛合金製塗装済み可動フィギュア

・ノンスケール

・肩を含め全高約46cm(ツノを含めた頭頂部の高さは約42cm)

・目、イデオンゲージ、手首のイデオンソード放出口など、5箇所以上にLED発光ギミックを搭載(要AG1電池×10個/電池別売り)

・付属品:アクションスタンド

・デザインアレンジおよび原型制作:竹谷隆之

・原型制作協力:藤岡ユキオ、谷口順一、磨田圭二朗

・発売元:threezero

・販売元:グッドスマイルカンパニー

掲載の写真は実際の商品とは多少異なる場合があります。

商品の塗装は彩色工程が手作業になるため、商品個々に多少の差異があります。予めご了承ください。

塗料の性質上、開封時に塗装が完全に乾燥していない場合がございます。

乾燥していない場合、2~3日程、風通しの良い日陰の室内に置いて、塗装面が乾いたことを確認してから、触れるようにしてください。

未乾燥の状態のまま使用されますと、色移りや指紋あとなどの原因となりますので、ご注意ください。

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