短い尺にギュッと詰まった魅力をメインキャストが語る!「映画トロピカル~ジュ!プリキュア プチ とびこめ!コラボ♡ダンスパーティ!」公開記念インタビュー

2021年2月より、プリキュアシリーズ18作目としてスタートした「トロピカル~ジュ!プリキュア」(以下、トロプリ)。その映画デビューとなる「映画トロピカル~ジュ!プリキュア プチ とびこめ!コラボ♡ダンスパーティ!」が、「映画ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!」との同時上映として、2021年3月20日(土)より全国の劇場で上映中だ。

「ヒーリングっど♥プリキュア」(以下、ヒープリ)からダンスパーティーの招待状を受け取った「トロプリ」の面々。しかし、パーティー開始はなんと3分後! あわてて会場に向かうが……彼女たちは無事に会場にたどり着けるのだろうか。

TVアニメでは現時点ではまだプリキュア全員が登場していないこともあり、いち早く「トロプリ」の全員の魅力を味わえる内容となっている本作。その公開を記念して、メインキャストであるファイルーズあいさん(キュアサマー/夏海まなつ役)、花守ゆみりさん(キュアコーラル/涼村さんご役)、石川由依さん(キュアパパイア/一之瀬みのり役)、瀬戸麻沙美さん(キュアフラミンゴ/滝沢あすか役)、日高里菜さん(ローラ役)のインタビューをお届けする。

トロピカってるキャラクターたちの魅力は?

――まずは、役が決まった時の感想をお聞かせください。

ファイルーズ オーディションに合格した時は嬉しさから言葉が出なくて、その場で地団駄を踏んじゃいました(笑)。その様子は隠し撮りされていたみたいなので、映像が残っていると思います。(笑)その後、自覚が出てきて、目の前がキラキラしてトロピカっていましたね。

ファイルーズあいさん

花守 私は前作の「ヒープリ」に別役(エレメントさん役)で出演させていただいていたので、まさか自分がプリキュアになれるとは思ってもいませんでした。オーディションの時期に演じていた他作品のキャラクターたちは“自分のことを重たく考えている子”が多かったこともあり、こんなかわいい子を演じられるか自信が持てなくて……。決まったと言われた時も、こんな私でもプリキュアになっていいんだ、という驚きのほうがすごく強かったです。

でも、改めて、さんごちゃんと向き合ってみると、彼女は彼女なりに“やさしさと葛藤する面”を持ち合わせていて。来るべくして来てくれたんだなって、改めて感じることができました。選んでいただけて本当に幸せです。

花守ゆみりさん

石川 「プリキュア」は今まで何度もオーディションを受けていましたので、いつか自分もプリキュアになりたいって気持ちがずっとありました。私は以前、「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」に敵(ハイドロ役)として出演させていただいたことがあって、映画館に行って小さい子を観察したんです。

そうしたら、映画を観ながら思わず立ち上がっちゃう子もいて。自分は敵役だから「やられちゃえ!」と思われるほうだけど、いつかは「がんばって!」と言ってもらえるほうになりたいと思ったんです。なので、私もついにプリキュアになれるんだと感慨深い気持ちになりました。今度はきっと応援してもらえるのかなと思うと、すごく嬉しいです。

石川由衣さん

瀬戸 私も「プリキュア」シリーズのオーディションは何度も受けてきましたが、いつも自信がなく、今年もダメだろうけど受けることができてよかったなと思っていたんです。でも、今回は人魚がいて海が舞台。個人的にダイビングを趣味としているので、もし関わることができたら作品を通して海が舞台の世界を見られていいなぁ……との思いも心にありました。だから、合格したとマネージャーに聞いた時は本当に嬉しくて、気づいたら両手があがっていましたね(笑)。私も、それを隠し撮りされていたみたいで。照れくさいですけど、それぐらい嬉しかったです。

瀬戸麻沙美さん

日高 私は「プリキュア」が大好きで、小さい頃に「ふたりはプリキュア」をずっと見ていましたし、そのおもちゃの実写CMに出させてもらった縁もありました。でも、声優になってからは、なかなかスケジュールが合わずにオーディションを受けられなかったんです。だから、今回はオーディションを受けられたこと自体が嬉しくて。

決まったよと報告をいただいた時も最初は信じられず、その後でじわじわと喜びが跳ね上がってきました。マネージャーさんに1時間近く私がどれだけ「プリキュア」好きかを語ったり、事務所のほかの方にも思わず報告にいっちゃうぐらい嬉しかったです(笑)。しかも、今回のプリキュアは私の好きなコスメをモチーフのひとつにしているのもご縁といいますか、テンションの上がるポイントでした。

日高里菜さん

――ご自身が演じるキャラクターの魅力はどこでしょうか? 演じるうえで意識したことも合わせてお聞かせください。

ファイルーズ まなつの魅力的なポイントは、やっぱり底抜けに明るくて太陽みたいな存在なところです。自分の好きなものに対して猪突猛進できるポジティブさや、フィジカルな強さも魅力ですね。よく皆さんに言っていただけるのですが、まなつと私の性格はすごく似ているみたいで。私自身は社会人を経験して酸いも甘いも味わってきましたが、もうすぐ中学1年生になるフレッシュな女の子の気持ちを思い出しながら演じました。

花守 さんごちゃんの魅力はやっぱりやさしいところだと思います。でも、彼女は他人に対してすごく寛容で、やさしすぎるがゆえに、いつの間にか自分の好きなことを相手に言えなくなっているんです。まなつちゃんに出会うことで、自分の“好き”や“かわいい”を大事にしたい気持ちが強くなり、そうやって一歩踏み出す姿は演じ手としてもすごく格好いいなと感じました。

それって、生きていると結構直面しやすい心の問題だと思うんですよ。みんなに共感してもらえるキャラクターだからこそ、被害者ではなく当たり前の問題として、どうやって乗り越えていくかを自分なりに考えて踏み出していく……そういう彼女の強さを意識しながら演じています。

石川 みのりは、今回のプリキュアの中では、普段の姿と変身した姿とで一番変化のある子です。見た目も全然変わりますし、本が大好きで物静かな性格も、変身するとはじける部分があって。空想が好きな子なので、きっと憧れの姿を明確に描くことができたのかな、憧れの姿がキュアパパイアだったのかなって思います。

(インタビュー時点で)本編の収録はこれからなのですが、だいぶ落ち着いた子なので、どこまで出していこうか悩み中です。でも、私も人見知りで、みんなと仲良くおしゃべりしたい気持ちがあったり、お芝居の誰かになることで憧れの自分を実現させているところがあるんです。その気持ちを参考にしてみのりを演じていきたいと思っています。

瀬戸 あすかさんは最初、正義感の強い子という印象を受けました。困っている相手がいるとサッと助けに入るような正義感を持っていて、そこで見せる行動や、気づくと手を差し伸べているところなど、とても情に厚いやさしい子だなと思いましたね。

みんなよりちょっと年上な分、大人っぽい部分もあるのですが、やっぱり彼女も中学3年生。演じる時は、初めて触れるものへの新鮮なリアクションを残しつつ、ちょっと年上なところもうまくからみ合わせて表現していけたらと思っています。

日高 ローラはプリキュアのサポート役でありつつ、人魚の国の次期女王になる夢をかなえるためにと、みんなを振り回すポジションなので、わがままを言っているように聞こえるかもしれませんが、そこもかわいいなと思ってもらえるように、気を付けながら演じています。本当に表情豊かに動くので、見ている皆さんにも嫌な子というよりは、ツッコミどころのある素直でかわいい子と思ってもらえる気がしますね。

性格的にはコーラルやパパイアのように自分の気持ちをなかなか面に出さない子の真逆というか、自分に自信もプライドもあるからこそ説得力のあるセリフをたくさん言います。私もハッとさせられるんですよね。なので、ほかのキャラクターとはまた違った目線で発するセリフにもぜひ注目してもらいたいです。

サンゴ礁や海の色の鮮やかさ、髪の毛の動きにも注目

――短編映画となる本作の見どころをお聞かせください。

ファイルーズ 映画本編は少し尺が短いんですが、その中に「トロプリ」の魅力がぎゅっと詰め込まれています。これを観ていただければ「トロプリ」がどんな雰囲気で、どんな作品なのか伝わると思いますし、楽しい雰囲気を皆さんにお伝えできるのがすごく嬉しいです。

花守 情勢的に春の映画には出ることができないんじゃないかと諦めていたところ、短編で、というお話をいただけたのが、すごく嬉しかったです。「ヒープリ」は役者としてお世話になっていましたし、「5GOGO!」は子供の頃に観ていましたので、映えある2つのプリキュアと一緒に出られるのがやっぱり嬉しくて。「トロプリ」のメンバーを知っていただける機会にもなっていますので、楽しんでいただきたいです。

石川 TVアニメでまだキュアパパイアが登場していない時に始まるので、初めて全員が揃って戦う姿が観られる映画です。「トロプリ」はこんなにパワフルで、キラキラでカラフルな楽しいプリキュアなんだとわかっていただけると思います。

瀬戸 パパイアと同じように、キュアフラミンゴもTVアニメ本編ではまだ登場していないですが、スピード感のある展開だからこそ5人のよさがギュッと詰まっていて。これからが楽しみになっていただける映画になっていますね。

日高 皆さんがおっしゃるように、時間は短いですけど、本当に「トロプリ」らしさがギュッと詰まっています。TVアニメの第1話を収録した時も思ったのですが、「トロプリ」は今までの「プリキュア」作品と比べてもテンポが早く、ギャグ要素も多いです。映画でもその勢いやエネルギッシュな感じが、皆さんを明るい気持ちにしてくれるんじゃないかと思っています。

――海の表現などもすごく綺麗だと感じましたが、映像面についてはいかがですか?

ファイルーズ そうですね。「トロプリ」ワールドにまだ触れていない方は、「トロピカる」ということがイマイチ伝わっていないと思うんです。でも、この映画では海の中の描写にあるサンゴ礁や海の色が鮮やかさで本当に美しくて。これが「トロピカる」ってことだよ!と声を大にして伝えたいです。写実主義の美しい絵を見ているような感じでした。

花守 短い時間の中で空から海まで駆け巡り、ダンスパーティー会場へと場所自体が移動します。どの場面もそれぞれの美しさがあって、バトルありギャグありと表情もコロコロ変わるんです。そのテンポ感にも「トロプリ」らしい世界観がギュッと詰まっているなと感じました。

石川 演じていても、気づいたら次のシーンに行ってしまうほど怒涛の勢いがあるんですよ。それを映像でもしっかり表現していて、そっと寄り添うよりも気づいたら一緒に駆け出しているというか、引っ張られて一緒に走っているみたいな、そんな勢いのよさを楽しんでもらえると思います。

瀬戸 海の中を知らない人ってすごく多いと思うんです。なので、海の中はこんなに素敵な場所なんだとサンゴ礁や光で表現しているのは、すごく嬉しい気持ちになりました。波や太陽といった、海に関わる全ての美しいものがキラキラ描かれていて、心が踊ります。

――ダイビングが趣味の瀬戸さんらしいですね。ちなみに、南国の海に潜ったことは?

瀬戸 あります。ただ、サンゴ礁の海ではなく、砂地でしたけど。いつかこんなカラフルなサンゴ礁の見られるところに潜ってみたいです。

日高 海のシーンはもちろんですけど、バトルシーンや空から落ちるシーンでのキャラクターの髪の動きもめちゃめちゃ素敵なんですよ。プリキュアシリーズは髪型も個性豊かですよね。そこに動きがあることで、臨場感や風の速さを感じられるような細かい描写の仕方をしていて。バトルでもキャラクターそれぞれの性格が表情にちゃんと出ていますし、映画館の大画面で早く見たいです。

メイクは自信の源。気持ちの面でも大事なものです

――本作のモチーフのひとつが「コスメ」です。今回のプリキュアはメイクをして変身しますが、皆さんはメイクをすると気持ち的にどう変わりますか?

ファイルーズ やっぱり自分に自信がつきますね。メイクはコンディションによって「今日めっちゃいい感じ!」って日と、「全然うまくいかなかった」って日がありますけど、“メイクをしている”という事実だけで、自信を持って自分を愛することができるんです。逆にメイクしていないと、頼むから今日は誰も私を見ないでくれ……ってなっちゃいます。それだけ私のやる気のスイッチになっていますね。

花守 アフレコでも、メイクすると芝居だけに没頭できるんですよ。マイク前で「後ろ髪ボサボサかもしれない」とか「肌ガサガサかもしれない」とか変なことを考えなくて済みますから。急に我に返って、「あれ? いまこんなに熱が入っているけど、私格好悪くない?」とか変なことを考えなくていいというか。そういう意味では、自信を持てるっていいことだなと思いますね。

石川 私は普段そこまでしっかりメイクするタイプではないんですけど、メイクをするのは映像出演や取材を受けるとか、気合いを入れてがんばる時なんです。普段はやらないマスカラとかで目がパッチリすると、ひとつ違う自分にしてもらったというか自信をつけてもらった気がして。よしやるぞ!って気合がはいりますね。

瀬戸 化粧品やメイクは好きではあるんですけど、自分でやるのがあまり得意じゃないので、お仕事でプロの方にメイクしてもらった時は嬉しい気持ちになります。最近、せっかくプロの方にしてもらった時は、記念に自分の顔の写真を撮るようにしようと思い始めました(笑)。苦手だからこそ参考になるかもしれないですし、きれいにしてもらったのを記念に残しています。

日高 私は新しいコスメを試す時にテンションが上がりますし、お気に入りのコスメを見つけるために新発売や期間限定コフレなどの情報収集をするのも大好きです。やっぱり自信に繋がるというか、テンションやモチベーションが上がるんですよね。そういう意味では、私にとってメイクは、できあがった完成形に満足というよりも、気持ち的な面で大事なものになっているのかなと思います。メイクがうまくいったから今日はいいことありそうな気がするとか、それで1日を乗り越えたりしますので。

――最後に、前作「ヒープリ」からバトンを受け継いだ、その想いをお聞かせください。

ファイルーズ プリキュアはたくさんの方が愛と情熱を込めて作られている伝統のある作品ですから、私はいつにも増して緊張してしまって。そんな私の緊張をほぐすように、「ヒープリ」の主人公を演じている悠木碧さんがやさしく声をかけてくださったんです。これが「ヒーリングっど♥プリキュア」ってことか!と思いました(笑)。私の心も“お手当て”してくださったんだと。悠木さんとは偶然にも同じ事務所で、お肉を食べに行った仲なんですよね。

なので、尊敬している先輩から受け取ったバトンは絶対に走りきらなきゃと、緊張よりも元気でやることを一番に考えました。昨今の状況でおうち時間が増えて、暗い気持ちになってしまう方たちも多いと思いますが、そんな人たちの心をトロピカらせるぐらい元気いっぱいの作品にしたいです。

花守 「ヒープリ」のテーマは“地球のお手当て”ということで、偶然にも昨今の時代のテーマにすごく合った、癒やしを求めているみんなに応える作品だったと思うんです。そして、「トロプリ」ではトロピカっていく。自分がやらなきゃいけないことをやりつつ、心をキラキラで満たしていくところが、また今の時代に合ったテーマなんだなと感じながら収録にはげんでいます。

石川 そうですね。去年は今までとは全然違うことが起こりました。「プリキュア」もこれまでのようにいろんな地域に行って直接小さい子に会って楽しんでもらうことができず、大変なことも多かったですよね。

私もたまたま悠木碧ちゃんに会った時に、「慣れない部分が多くていろいろ大変なこともあったけど、きっともう大丈夫だよ」と話をしてくれて。大変なことを「ヒープリ」のみんなで乗り切って、私たちにバトンタッチしてくれたんだとすごく感じました。安心して私たちなりのシリーズを作って、おうち時間が多くて窮屈な思いをしている皆さんに、作品を通して笑顔や勇気を届けられたらいいなと思っています。

瀬戸 本当に「ヒープリ」が放送された昨年は、世界が大変な状況になって今まで通りにはいかないことが多くなりました。皆さんにお会いするイベントも今まで通りにいかなかったですし。でも、アニメは画面を通して夢や希望、興奮などいろんな感情をお届けできるものだと思いますいので、私もキャラクターの声として精一杯がんばりたいです。

日高 「ヒープリ」は癒やしでみんなに元気を届けてくれましたが、今回の「トロプリ」もまた違った形でみんなを元気にするパワーのある作品です。プリキュアシリーズは代々いろんな先輩方が作ってこられて、出演が決まった時には先輩方からたくさんお祝いのメッセージをいただきました。皆さんからの愛を受け継いで、みんなを笑顔にできるようにがんばっていきたいと思います。

(取材・文/千葉研一)

【作品情報】

■「映画 ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!」

・公開日:3月20日(土)

・声の出演:悠木碧、依田菜津、河野ひより、三森すずこ、加隈亜衣、武田華、金田アキ、白石晴香、三瓶由布子、竹内順子、伊瀬茉莉也、永野愛、前田愛、仙台エリ、草尾毅、入野自由

・ゲスト声優:藤田ニコル、生見愛瑠、景井ひな さぁや /小林星蘭、勝生真沙子/高木渉

・原作:東堂いづみ

・監督:中村亮太

・脚本:金月龍之介

・音楽:寺田志保

・キャラクターデザイン・総作画監督:爲我井克美

・美術デザイン:増田竜太郎

・美術監督:小川友佳子 渡辺佳人

・CGディレクター:大曽根悠介

・色彩設計:佐久間ヨシ子

・撮影監督:髙橋賢司

・製作担当:澤守洸

■「映画 トロピカル~ジュ!プリキュア プチ とびこめ!コラボ♡ダンスパーティ!」

・声の出演:ファイルーズあい、花守ゆみり、石川由依、瀬戸麻沙美、日高里菜

・原作:東堂いづみ

・監督:大塚隆史

・脚本:金月龍之介

・音楽:寺田志保

・キャラクターデザイン:中谷友紀子、稲上晃

・作画監督:稲上晃

・美術監督:小川 友佳子、渡辺 佳人

・色彩設計:佐久間ヨシ子

・撮影監督:五十嵐 慎一

・製作担当:澤守洸

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