【Steam】春休みはおうちでまったりボドゲ三昧!PCボードゲーム特集 パート2
アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。ひとりで黙々とゲームを遊ぶのもよいですが、やはりみんなでワイワイ遊ぶゲームの楽しさは格別です。その最たるものが、ボードゲームではないでしょうか。とは言え、このご時世なので、なかなか気軽に集まって遊ぶことができないというのが現実。というわけで今回は、集まらずともオンラインでみんなと遊べる、春休みにオススメのSteamのボードゲームをご紹介していきます!
1.ボールをぶつけて爽快大連鎖! 落ちものパズル風対戦ボードゲーム「Potion Explosion」
- 「Potion Explosion」(Studio Clangore)
- ジャンル:ボードゲーム
- 2018年5月16日発売
- 価格:720円(2021年3月7日現在)
- コピーライト:(C) 2018 Studio Clangore
「ぷよぷよ」や「テトリス」に代表されるパズルゲームの一大ジャンル、落ちものパズル。ビデオゲームの世界ではメジャーなジャンルですが、これからご紹介する「Potion Explosion」は、そんな落ちものパズルを彷彿とさせるボードゲームです。
舞台は、ファンタジー世界の魔術学校。プレイヤーは魔術学校の生徒となって、最終試験のために魔法の薬を作っていきます。
そんな本作「Potion Explosion」は、受賞歴もある対戦型のボードゲーム、「ポーション・エクスプロージョン」の公式移植版です。ちなみに本作のアナログ版は、4色のカラフルなビー玉を大量に使うという、とてもユニークなボードゲームとなっています。
本作の目的は、魔法の薬こと「ポーション」を作ることです。ポーションにはスコアが設定されており、プレイヤーは最終的に、自分が完成させたポーションのスコアと、ポーションを完成させることで得られるボーナススコアの合計を対戦相手と競います。ポーションを作るためにプレイヤーが行う基本アクションは、画面の左側に設置された排出器から、ポーションの材料となるカラフルなボールをひとつ抜き取ること。ボールは1ターンにひとつだけしか取れないため、たとえば「赤2個、青4個」が必要なポーションを作るためには、普通にひとつずつボールを取ると6ターンもかかってしまいます。
そこで、効率よくポーションを作るために重要となるのが、本作のキモである「連鎖」の要素です。
プレイヤーが排出器からボールを抜くと、その上にあるボールが重力に従い落下するのですが、その際に同じ色同士がぶつかると爆発が発生し、そのボールも追加でゲットできるのです。さらに、その爆発によって発生した落下でまた同じ色同士がぶつかるとそれもゲットできるので、うまくいくとガンガン連鎖が発生し、一気に大量のボールを獲得できます。
ひとつのボールを抜き取ることでどれだけ多くの連鎖を発生させられるか、それを試行錯誤するのが本作最大の醍醐味です。ちなみに、排出器はすべてのプレイヤーで共通になっているので、ときには相手の連鎖を妨害するためにボールを取るという選択も必要となります。このプレイヤー同士の戦略的な攻防の駆け引きも、本作の魅力と言えるでしょう。
なお、ボールは横や斜めにそろっても爆発は発生しません。あくまでも同じ色がぶつかって消えるのは縦だけなので注意が必要です。
材料を集めて作ったポーションは、完成させてそれで終わりではありません。8種類あるポーションには「排出器から材料を1個取る」「相手が保持している材料をすべて奪う」など、さまざまな特殊効果が設定されていて、プレイヤーは完成させたポーションを自分のターンに1度だけ自由に使うことができるのです。自分の連鎖を構築するために使うのか、それとも相手の連鎖をじゃまするために使うのか、戦況を見ながら使い方と使いどころを判断していくのも本作のおもしろさのひとつです。
「ぷよぷよ」のような落ちものパズルをボードゲームとして楽しめる「Potion Explosion」ですが、実は筆者、何を隠そう、本作についてはアナログ版もプレイした経験があったりします。
傾斜がついた排出器からビー玉を抜き取って連鎖を起こしていくことで、ビー玉が次々にコロコロ転がってくる大がかりなギミックがアナログ版ならではの魅力なのですが、このSteamで遊べるデジタル版にも、デジタル版ならではの魅力があります。それはずばり、ほかのプレイヤーといつでも気軽に対戦ができるオンライン対戦要素。ランキング機能も実装されているので、世界中のプレイヤーと腕を競い合うことも可能です。アナログ版のボードゲームでは味わえない体験ができるという点で、うれしいポイントと言えるのではないでしょうか。
落ちものパズル的な連鎖の爽快感と、相手の次の手を読みながら最善手を考える戦略性が融合した、唯一無二のプレイ感が楽しめる「Potion Explosion」。普段ボードゲームをあまり遊ばないような人にこそプレイしてみてほしい、オススメの作品です。
2.目指すは最高の愛鳥家! 鳥を集める癒やし系カードゲーム「WINGSPAN (ウイングスパン)」
- 「WINGSPAN」(Monster Couch)
- ジャンル:ボードゲーム
- 2020年9月18日発売
- 価格:2,050円(2021年3月7日現在)
- コピーライト:(C) 2020 Monster Couch
スズメのさえずりで朝の訪れを実感し、カラスの鳴き声で夕暮れを感じるように、鳥は我々の日常生活に溶け込んでいるなじみ深い動物です。調べてみたところ、世界には現在なんと約1万種の鳥類が現存しているそうで、この世にはまだまだ私たちが見たことのない鳥たちがたくさんいるわけですが、ご紹介する「WINGSPAN (ウイングスパン)」は、そんな鳥が主役のカードゲームです。
本作は、「ドイツ年間ゲーム大賞2019」のエキスパート大賞受賞作である「WINGSPAN」のデジタル版です。ドイツ年間ゲーム大賞は、ボードゲーム界の最も権威ある賞とも呼ばれるものであり、その受賞作 ということで本作のおもしろさは折り紙付き。ボードゲーム版は、日本で一時期プレミア化していたこともあるほどの人気作で、そんな「WINGSPAN」をパソコンでいつでも気軽に遊べるというのは、ボードゲームファンにはうれしいところです。
本作におけるプレイヤーの目的は、愛鳥家となって最高の鳥を発見し、自分が管理する野生動物保護区に誘致することです。最大5人のプレイヤーで競い合う戦略的なゲームでありながら、やさしいタッチの鳥のイラストや水彩画のような美しい背景のグラフィックなど、癒やされる要素が多く、リラックスしながら楽しめるのが大きな特徴となっています。
本作は、プレイヤーごとのターン制で進行します。自分のターンに行えるアクションは、「手札から鳥を配置する」「餌箱から餌をもらう」「鳥に産卵させる」「手札を補充する」という4種類の中からひとつだけ。鳥を場に出すためには餌と卵が必須なので、1ターンにひとつのアクションしかできないというジレンマにプレイヤーは頭を悩ませることとなります。
1ゲームは4ラウンド全26ターンの構成となっており、その間に各プレイヤーは、鳥ごとに設定されたスコアや各ラウンドごとに提示される目標によるスコア、鳥カードとは別の「ボーナスカード」に書かれた内容で得られるスコアを稼ぎ、1位を目指します。
鳥を配置できる場所は、「森林」「草原」「湿地」の3種類があり、鳥ごとにどこに配置できるかが生息地として決められています。また、鳥には特殊な効果が設定されているものがあり、「森林」「草原」「湿地」でそれぞれ「餌の獲得」「産卵」「手札補充」のアクションを行うと、各生息地に配置されている鳥の効果が順番に発動していきます。
この特殊効果の連鎖によってコンボ的に大きな効果が発生することがあり、手持ちの鳥の組み合わせで、コンボを試行錯誤するのが本作の醍醐味のひとつとなっています。うまくコンボがキマって、餌や卵をジャンジャン増やしていくことができるようになったときの快感はひとしおです。
とにもかくにも、手札からどんどん鳥を場に出していくことが勝利の基本である本作ですが、なんとゲーム内に登場する鳥カードは全170種にも及びます。
170枚の鳥カードには1枚も同じものがなく、名前やイラストはもちろん、効果も生息場所もすべて異なるという凝りっぷり。特殊効果の内容や設定されている生息場所は実際のその鳥の生態がもとになっているので、遊びながら鳥についてちょっと詳しくなったような感覚になれるのもおもしろいポイントです。
さらにさらに、ゲーム中に右クリックをすると、鳥カードに書かれたテキストが「獲物に飛びかかるとき、ハヤブサは時速320キロメートルにも達する」「1880年代、ユキコサギのほっそりした羽毛には、同じ重さの黄金と等しい価値があった」など、その鳥にまつわるトリビアに変わります。ゲームの勝敗に影響しない部分ではありますが、どれも思わず「へえ~」となるような興味を引かれるトリビアばかり。ちなみに、鳥カードを鑑賞できる図鑑的なモードもあるので、ゲームの合間に息抜きがてら、じっくり鳥に関する知見を広げることもできます。
ここまで、「WINGSPAN」のゲームとしての特徴やおもしろさについてご紹介してきましたが、ここからはSteam版ならではの要素と魅力をご紹介していきましょう。
まずはやはり、なんと言っても準備不要でいつでもサクッと遊び始められるという点ではないでしょうか。ボードゲーム版「WINGSPAN」は、170枚の鳥カードを始め、卵トークンや食料トークン、アクションキューブなど、かなりの数の内容物が含まれています。かわいらしい小さな卵型の卵トークンや、鳥の餌箱を模したダイスタワーなど、作り込まれたコンポーネント(コマやゲーム盤など、ボードゲームの部品の総称)は本作の魅力のひとつではありますが、遊ぶための準備や片付けに時間がかかってしまうのは、人によってはわずらわしく感じてしまう点でもあります。そういったわずらわしさを感じることなく手軽に遊べるのは、デジタル版の大きなメリットと言えるでしょう。
チュートリアルが実装されている点も、デジタル版ならではのメリットのひとつです。アナログ版ではルールブックを読むか、経験者に教えてもらいながらプレイをすることになりますが、このデジタル版ではていねいなチュートリアルで実際に操作しながらルールを覚えていくことができます。
カードに描かれた鳥たちが見せるなめらかなアニメーションや、ゲーム中に聞こえる鳥のさえずりもまた、デジタル版ならではの魅力と言えます。なんと本作、鳥の声は本物の鳥のさえずりを収録しているそうで、並々ならぬ製作者の鳥への愛とこだわりを感じられます。BGMもゆったりとしていて美しく、頭を使うゲームであることを忘れて、まったりと癒やされること請け合いです。
対戦型のゲームでありながら他者を妨害するような要素が少なく、じっくり戦略を練る楽しさを存分に味わえる本作。オンライン対戦にも対応しているので、見知らぬ誰かとのバトルはもちろん、気の合う友人と一緒にのんびり遊ぶのも一興です。ボードゲーム好きの方にもそうでない方にも、万人にオススメできる「WINGSPAN」。気になる方はぜひ、遊んでみてください。
3.東海道の旅を一番楽しんだ人が勝ち! サイコロを使わない戦略系すごろくゲーム「Tokaido」
- 「Tokaido」(Funforge)
- ジャンル:ボードゲーム
- 2017年12月4日発売
- 価格:1,010円(2021年3月7日現在)
- コピーライト:(C) 2017 Funforge
江戸時代に整備された五街道のひとつ、東海道。道中に絶景や名所が多くあることから、「東海道五十三次」のような浮世絵や、弥次さん喜多さんでおなじみ「東海道中膝栗毛」のような物語の題材として取り上げられた有名な道ですが、これからご紹介する「Tokaido」は、そんな東海道を舞台にしたボードゲームです。
本作は、世界中で25万部以上を売り上げたボードゲーム、「東海道」のデジタル版です。世界中で数々のボードゲームの賞にノミネートされた「東海道」は、日本を舞台にした美しいコンポーネントが特徴的な作品。そのデジタル版である本作は、元のボードゲームの発売元が開発に携わっており、ボードゲーム版同様の美麗なデザインを元にしつつ、デジタル版ならではの3D表現が楽しめるのが大きな魅力です。
本作は、簡単に分類するならば、すごろくタイプのゲームです。しかし、広く知られる一般的なすごろくゲームと大きく異なる点が2つあります。それは「最初にゴールした人が勝利ではない」という点と、「サイコロを使わない」という点です。というわけで、順に説明していきましょう。
本作は、東海道を舞台にした1本の長い道のりが舞台となっています。プレイヤーはスタート地点である京都から出発し、ゴールである江戸を目指して進んでいくことになるのですが、先述のとおり、本作では最初にゴールの江戸に到達しても勝利にはなりません。本作の目的は先を急ぐことではなく、ずばり「旅を満喫すること」。プレイヤーは、道中にある温泉やおみやげ屋などのマスに立ち寄って、勝利のための得点を稼いでいかなけれなりません。急いで先に進むよりも、ゆっくりのんびり、いろいろなマスに立ち寄って得点をゲットしていくことが勝利につながるという本作独自のシステムは、一般的なすごろくゲームと一線を画すユニークなポイントと言えるでしょう。
そして、本作のもうひとつのユニークな特徴は「サイコロを使わない」ということです。ではどうやって進んでいくのかというと、なんと行きたいマスをどこでも自由に選んで進むことができるのです。「じゃあ1マスずつ進んでたっぷり得点を稼ぎながら進めばよいのでは?」と思いきや、本作では同じマスにひとりのプレイヤーしか止まれない仕組みになっています(4人以上でプレイする場合は特定のマスでは2人まで止まることが可能)。また、前方にしか進めず、後ろに戻ることはできません。
さらに、これも本作の大きなポイントなのですが、コマは京都に最も近いプレイヤー、つまり最も後ろにいるプレイヤーから順番に動かしていくというルールになっています。これにより「自分が行きたいマスを選ぶ」だけでなく「ほかのプレイヤーが選びそうなマスに先に進んで相手を妨害する」という立ち回りが重要となり、ただのすごろくではない、戦略性の高いプレイを楽しむことができます。
東海道の旅を満喫するためにプレイヤーがやるべきこと、つまり得点を稼ぐ方法は、実にさまざななものが用意されています。盤面にあるマスの種類ごとにご紹介していきましょう。
まずは「景観」マス。水田、山、海の3種類があり、マスに止まるごとに対応した景観カードを1枚獲得。同じ種類の景観カードを集めるともらえる得点が増えていき、水田は3枚、山は4枚、海は5枚で景観完成となります。
「温泉」マスは止まると2点か3点が得られるマス。どちらがもらえるかはランダムとなっており、完全に運任せです。
「村」はお金を払っておみやげを買うことができるマス。おみやげは4種類×6つあり、同じ種類のおみやげをそろえると点数が多くもらえます。お金を寄付するとそのぶん得点がもらえる「寺社仏閣」マス同様、お金が必要なマスとなっていますが、そのお金は「田畑」マスに止まることでゲットできます。逆に言えば、この「田畑」マス以外にはお金を獲得する方法がないため、「田畑」はプレイヤーの人気が集中し、激戦区になりがちです。
そして、得点を稼ぐために忘れてはならないのが「偉業」と呼ばれるボーナスポイントです。これはゲーム終了時に「各景観を最も早く完成させた」「温泉に1番多く入った」「おみやげを1番多く持っている」などの条件を満たしたプレイヤーに与えられる、勝敗を分ける大事な得点。一定距離ごとに置かれた、すべてのプレイヤーが必ず止まらなければならない「宿場」マスで高価な食事を購入したり、自分に有利な効果を与えてくれる人物とランダムに出会える「出会い」マスでたくさんの人に会うことも偉業となるので、積極的に狙っていきたいところ。
常に状況を見ながらほかのプレイヤーが何を狙っているのかを把握して、ときには自分の狙いを大胆に方向転換していくというプレイも重要となります。コマを行きたいマスに進めるだけのシンプルなゲーム性ながら、じっくり策を練るストラテジーゲーム的な楽しさを味わえるのも本作の魅力と言えるでしょう。
ここまででご紹介したのは、ボードゲーム「東海道」の特徴と魅力ですが、ここでデジタル版ならではのポイントにも触れていきましょう。
まずは、やはりなんと言ってもきれいなグラフィックです。ボードゲーム版の盤面と同じ白をベースにしたシンプルなデザインのゲーム画面には鳥居やお店などマスに合わせた3Dのオブジェクトが配置されていて、東海道の旅に華やかさを添えてくれます。
そしてオンライン要素も忘れてはいけないポイントです。ほかの誰かと気軽に遊べるオンライン対戦はもちろん、SteamのRemote Play Togetherという機能を使うと、誰かひとりがゲームを持っていればフレンドと一緒にプレイすることも可能。遠くの友だちと気軽に対戦できるのは、デジタル版ならではの魅力です。
また、各プレイヤーの得点計算を自動で行ってくれるのもデジタル版ならではの利点と言えます。本作は、集めた景観や入った温泉、達成した偉業など、たくさんの要素から得点を得られるルールであるため、最終的な得点の集計がやや面倒なのがネックなのですが、デジタル版ならその点は当然ながら全自動でサクサク。ノンストレスでスピーディーなゲームを楽しむことができます。
わかりやすいルールと簡単な操作で、一風変わった戦略的なすごろくが楽しめる「Tokaido」。どれだけ旅を楽しんだかが勝利に結びつくというゲーム性同様、旅行気分でゆったり遊ぶのがオススメです。1ゲーム10数分程度でサクッとプレイできるので、家族や友だちと楽しめるライトなボードゲームを探している方は、ぜひチェックしてみてください。
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