女子高生の日常やお風呂の描写、多治見グルメも見どころ! TVアニメ&実写「やくならマグカップも」田中美海、芹澤優、若井友希、本泉莉奈インタビュー

CBCテレビ、BS11、TOKYO MX、MBS、AT-Xにて、4月より放送がスタートsしたTVアニメ&実写作品「やくならマグカップも」。

本作の原作は、岐阜県多治見市の有志や企業が、“街を元気にしよう”と発足したプロジェクトの一環で連載されているフリーコミック。多治見市を舞台に、伝統工芸品「美濃焼」をテーマに4人の女子高校生が陶芸の魅力にのめりこんでいく青春ストーリーだ。

TVアニメ&実写「やくならマグカップも」は前半15分がアニメパート、後半15分が実写パートの2部構成。実写パート「やくならマグカップも-やくもの放課後-」では、メインキャラクター4人の声を担当する田中美海さん(豊川姫乃役)、芹澤優さん(久々梨三華役)、若井友希さん(成瀬直子役)、本泉莉奈さん(青木十子役)がアニメの世界から飛び出して、多治見市をおしゃれに紹介・体験している。

そのメインキャスト4人に、作品の見どころから多治見のおいしいものまで、たっぷりと魅力を語っていただいた。

“陶芸を楽しんでいる等身大の女の子”がアニメで魅力的に描かれます

――最初に原作やシナリオを読んだ時の印象をお聞かせください。


田中 すごくゆるふわな感じでかわいいなぁと思ったのが第一印象です。でも、かわいい作風で陶芸という渋いものを扱うギャップには驚きました。私がもともと持っていたイメージでは、陶器は渋くてカラーバリエーションはないのかなと思っていたんですけど、実際に作品に触れてみたら全然そんなことはなくて。鮮やかでかわいい器もいっぱいあったので、女の子は絶対にハマっちゃうと思いましたね。

芹澤 原作のタイトルを見た時は「マグカップと女の子と陶芸って、どんなものなんだろう?」となりましたが、読んでみたらガンガン読めちゃって。陶芸とかわいい女の子は相性がいいなと思いました。土をいじっている姿も、姫乃ちゃんが悩んでいるところもかわいくて、陶芸の温かさと女の子のかわいらしさにめっちゃ引き込まれる作品です。

若井 私は岐阜県出身で多治見をもともと知っていたので、多治見の漫画ってどんな感じなのか興味がありました。読んでみたら、誌面から多治見ののどかさというか、いい田舎の感じがすごくあふれ出ていて、ゆっくりとした時の流れを感じられるのがいいですね。多治見って夏はすごく暑いんですけど、夏場の川のシーンではその暑さがリアルに描かれているのも、あ〜多治見だなって思いました(笑)。

本泉 原作はすごく絵が繊細で登場人物みんなかわいらしいんですけど、陶器の表現というか、タッチがすごく温かいなと感じました。かわいいとか癒されるだけじゃなく、ストーリーはそれぞれのキャラクターごとの葛藤や悩み、そういったものにもフォーカスしていますので、のめりこめる作品だなと思いましたね。

――ご自身が演じているキャラクターの魅力はどんなところでしょうか?

田中 (豊川)姫乃は学校で陶芸をしているシーンももちろんあるんですけど、自宅の喫茶「ときしろう」での動きも結構詳しく描かれます。女子高生が学校からお家に帰ってきて、家族にいろんな報告をして、自分のベッドでみんなとメッセージを送り合う。女子高生らしい生活をのぞけるのが私的にはいいなと。“陶芸を楽しんでいる等身大の女の子”が魅力的に伝わるんじゃないかなと思いました。あと、お風呂のシーンが結構出てくるんですよ!

若井 そうなんですよ。サービスショット担当だなって(笑)。お風呂の絵は、めちゃめちゃ力が入っていますよね。

田中 作画がすごくて、私もちょっととまどいました(笑)。そのぐらいスタッフの方も気合をいれてくださっていると思います。濡れた髪もよくて、姫乃はお風呂担当の可能性がありますね。

芹澤 (久々梨)三華は、自分がしゃべっていないシーンでも背景にいたり、ずっとちまちま動いていたり、目がキラキラ輝いていたりして、とにかくアニメにしてよかったなと感じます。自分がメインとなっていない画面でもずっとキラキラしているので、アニメでより生き生きしていると思いました。本当にずっと表情が動いているんですよ。

若井 原作を読んだ時は、(成瀬)直子は物静かな子というイメージが強かったんです。でも、アニメで動いている姿を見たらすごく表情豊かで、結構笑うし変な顔もするし、個性的なほうの元気な子なんだなって、印象がすごく変わりましたね。アニメはアニメで直子のよさがより出るなと感じました。あと、姫乃は日常がよく描かれるんですけど、直子は本当に普段なにをしているのかわからなくて。パーソナルな部分はちょっと気になります。

本泉 私の(青木)十子に対する第一印象は、すごくクールな人だなというのが強かったです。でも、アニメではみんなで笑いあったり、笑顔のシーンが結構多くて。そこの違いも楽しんでいただけたら嬉しいです。原作では表情もそこまで幅広くないと感じていましたが、やっぱり絵で動いているのを見ると、等身大の女子高生感が強いなと思いました。

――アニメオープニングテーマ「扉を開けたら」は、4人によるユニット「MUG-MO」が担当しています。楽曲を聴いた印象はいかがですか?

本泉 すごくいい曲です!

若井 よくあるアニソンやキャラソンのイメージを、いい意味で覆せる曲だなと思います。本当にのどかな多治見の風景が浮かぶようなサウンドがいいんですよ。

田中 私が完パケを初めて聴いたのは、姫乃のナレーションがついた第1話のアバンからオープニングを見た時でした。まだオープニング映像はついていなかったんですが、「岐阜県の多治見市です。チャンチャカチャ〜ン♪」と始まる感じがすごく作品にマッチしているなと、レコーディングした時よりも思いました。最高だなって。

芹澤 飾らない感じもすごくいいですよね。アニメって2次元だからいろいろできてしまうんですよ。音も派手にしようと思えばできますし。でも、この曲はそういう部分がなくて、シンプルな楽器で4人がまっすぐ歌っている感じがあって、本当に作品から持ってきた楽曲だなと感じました。シンプルだからこそのよさがあると思います。

多治見に行った際にぜひ食べてほしいオススメグルメを紹介

――後半の実写パートでは、皆さんが多治見で陶芸に挑戦するなど、さまざまな姿が見られます。実写パートの感想や見どころをお聞かせください。

田中 おいしいものを食べて、陶芸もさせていただいて、国宝の永保寺にも行かせていただきました。同じ場所でも季節が変わると見え方が違うなとすごく感じましたね。

若井 ロケは台本がなくて、カンペのみだったんです。なので、本当になにも飾っていない素の私たちが見られます。しゃべったことは全く覚えていないですが(笑)、ただただ本当に楽しかったですね。

芹澤 アニメの中に多治見を象徴するような場所がたくさん出てくるんですけど、その後の実写パートでだいたい私たちもそこに行っているんです。アニメではこうで、実写ではこうなっているとすごくわかりやすいので、きっと皆さんも多治見に行きたくなると思いますよ。

本泉 私たちはアフレコをする前にロケに行かせてもらっていたので、アフレコの時に「行ったところだ!」「逆聖地巡礼みたいだね」と話していたんです。多治見尽くしの素敵な30分になるんじゃないかなと思います。

――その土地の食べ物はやはり気になるところですが、実際に食べておいしかったものや、原作で紹介されていて今後食べてみたいものを教えてください。

田中 ロケでは本当にいっぱい食べさせてもらいました。

若井 毎回、何か食べていたよね。

田中 ひとつあげるなら“五平餅”ですね。五平餅はソウルフードだと(若井)友希ちゃんから聞いていたので、楽しみにしていたんです。お店のおばあちゃんもすごく素敵な、地元のみんなのおばあちゃんみたいな人でした。私の父もめちゃくちゃ五平餅が好きなので、オススメしておきました(笑)。実はうちの親は私が出演した作品の聖地巡礼に行くのが好きなんですよ。陶器も好きで多治見への旅行を楽しみにしているみたいです。その時はぜひ五平餅を食べてほしいですね。

芹澤 私は原作にも出てきた“自慢焼き”かな。多治見のいろんな場所を巡った際に食べさせていただいたんですが、とてもおいしかったです。大判焼きみたいな自慢焼きもおいしいんですけど、そこのアイスがまたおいしくて(笑)。どっちもオススメです! 値段も安いですし。

本泉 アニメに出てきていないものとしては、原作では地球村(三の倉市民の里 地球村)に行ってみんなでバーベキューをする回があるので、いつかみんなでバーベキューをしたいですね。

若井 岐阜って全国で一番バーベキューをする県なんですよ(笑)。土日が空いてたらバーベキューするってノリなので。一家に一台、バーベキューセットがあるんです。

芹澤 へぇ〜。

田中 いいなぁ。

本泉 なので、バーベキューをしてお肉とか食べたいです。あと、“たじみそ焼きそば”とか。

――聞いているだけで食べたくなりますね。若井さんは岐阜県出身ならではのオススメをお願いします!

若井 そうですね……多治見は陶芸だけじゃなくタイルも有名で、モザイクタイルミュージアムの近くにタイルのお菓子があるんですよ。おまんじゅうやクッキーなどいろいろなお菓子がタイルの色や形になっていて。お土産にもちょうどいいです。

田中 私たちが行ったお店は和菓子屋さんっぽかったよね。そこにいろんなお菓子が置いてありました。

若井 多治見に行ったからこそ買えた感があると思いますよ。

――喫茶「ときしろう」には、きれいなマグカップがずらっと並んでいます。皆さんは、どんなマグカップが好きですか? よく買ってしまう色や柄があれば教えてください。

若井 私、マグカップを結構買いがちで、無駄に家にあるんですよね(笑)。

田中 わかる。多治見に行った時もかわいらしいのがあったし、逆に渋いのも格好いいなと思って。実際に買ったのは、内側に渋い茶色水玉模様のある、お手頃サイズのマグカップです。毎日紅茶を入れて飲んでいます。

芹澤 私は、家にマグカップを置いているゾーンがあるんですけど、意図せず全部水色かエメラルドグリーンだったんですよ。気づいたらその系統の色が集まっていました。これ系の色が好きなんですよね。

――シンプルな白とかはあまりないのですね。

芹澤 ないですね。某カフェのマグカップぐらいです(笑)。

若井 私は、陶芸でコーヒーをいれるためのマグカップを作りました。コーヒーは黒なので、(濃い)色はつけずに、ベージュや茶色のみでつけてもらいました。家で使ってみたらコーヒーが本当においしそうに見えて、ほかのマグカップよりも断然映えるんですよね。あえて陶器の無機質な感じを生かしていて、お気に入りです。

本泉 私はアンティークなものが好きなので、ポップなものよりも渋いほうが多いですね。多治見でお買い物をしたときも、落ち着いた渋めの赤に黒で丸がポンポンとついている、シンプルだけどちょっと目を引く感じのマグカップにひと目惚れしちゃいました。

他の地方では通じない岐阜の方言とは?


――ちなみに若井さんが、これまでに他の地方の人に通じなかった岐阜県の方言はありますか?

若井 結構あります。「ゴミほかっといて」とか「机つっといて」とか。

芹澤 え? なにそれ?

若井 「机を運ぶ」ことを「机をつる」って言うんですよ。あと「鍵をかう」とか。

若井以外 かう???

若井 「鍵をかける」ことですね。

若井以外 え〜!!

――全然通じていないですね。

若井 あと、「私、えらいんだよね」と言うと、だいたい「は?」って思われます(笑)。体調が悪い時に「えらい」と言うんですよ。「しんどい、辛い」みたいな意味で使うんでうすけど、それをナチュラルに東京で使うと大変なことになります(笑)。こいつは何を威張っているんだ?って。

田中 そう見えちゃうね。

本泉 面白〜い。

――「えらい」は違う意味で通じてしまいますからね。本泉さんは方言の思い出ありますか?

本泉 ありますね。私は福島県出身なんですが、炊飯器とかについたお米を洗いやすくするために水に浸しておくことを、「うるかす」と言うんですよ。「うるかしといて〜」って。

若井 え〜、わからない。でも、すごいピンポイントで使う言葉だね(笑)。

本泉 確かに、それ以外で使ったことないです(笑)。

――田中さんや芹澤さんは東京出身ですが、好きな方言をあげるならどこですか?

芹澤 福岡ですね。みんなかわいいって言いますもんね。

本泉 「〜ばい」とかわいいですよね。

芹澤 福岡の方言は、相手との距離が近く感じないですか?

若井 感じる。かわいいよね〜。

田中 私は四国の方言も好きなんですよね。徳島と高知とか。大阪とはちょっと違う西の方言というか、大阪に似ているけどマイルドでかわいい感じがして、憧れます。

――1月からはラジオ「やくならマグカップも~織部学園放送室~」も始まっています。聴きどころを教えてください。

田中 このラジオは、本当に自由にやらせていただいています。多治見出身の方や現在多治見に住んでいる方からメールが来ますし、全然違う地域の方からも「作品を楽しみにしています」と言っていただいて、アニメ放送前なのに嬉しいなと思っています。曲も今(インタビュー時点)はまだみんなが好きなものを流しているのですが、そこも評判いいみたいです。

芹澤 普通なら初回は探り合うじゃないですか。でも、このラジオはロケを何度も重ねていたこともあって、完全に打ち解け合ってからスタートできたかなと思います。

若井 あまりほかの番組では話さないような学生時代の話とかも、たくさんしゃべっている気がしますね。

本泉 確かに、自分がやっていた部活の話とかで盛り上がりましたし、コーナーでは多治見のことを勉強するクイズもあるんです。楽しみながら歴史の勉強になる、そういう聴き方もできるなと思いました。

――いろいろ楽しみにしています。ありがとうございました!

(取材・文・写真/千葉研一)

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