【インタビュー】常に進化を遂げてきた25年。米倉千尋が全60曲収録のベスト盤「25 YEARS AFTER ~All Time Best~」をリリース

1996年に、OVA「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」オープニングテーマ「嵐の中で輝いて」でデビューした米倉千尋が、25周年を記念して、全60曲を収録した4枚組のベストアルバム「25 YEARS AFTER ~All Time Best~」をリリース。
「仙界伝 封神演義」、「FAIRY TAIL」、「カレイドスター」、「よんでますよ、アザゼルさん。」などなど、多彩なアニメ・ゲーム作品の主題歌を収録した本作は、シンガーとしての可能性を広げてきた軌跡であり、25年間のアニメ・ゲーム音楽の変遷を一望できる内容になった。

アニソンの世界は、常に前を向いていられるすばらしい世界です


──デビュー25周年、おめでとうございます。「25 YEARS AFTER ~All Time Best~」は4枚組で全60曲という、すごいボリュームになりましたね。

米倉 ありがとうございます。2004年に「BEST OF CHIHIROX」、2015年に「BEST OF CHIHIROX II」をリリースしたので、25周年を迎えて、その3枚目を作るつもりでいたんです。だけどコロナ禍によってリリースのタイミングが延びたことで準備期間が増え、スタッフの方々がいろいろなアイデアを練る時間ができたんですね。その中で、25周年ならではの、今までのすべてをまとめたオールタイムのベストアルバムを作ったほうがいいんじゃないかという案が出て、この形になりました。

──25年の軌跡がすべて入っているというのは、ファンにはうれしいですね。

米倉 25周年を現役で迎えるというのは、簡単にはできないことなんじゃないかと思うんです。ここまで来たぞという感覚が自分にもありますし、支えてくださったスタッフの方々やファンのみなさんがあってのことで、いくら感謝しても、したりないですね。いっぽうで、アニソンの世界には元気な先輩方が多く、私にとっての高い目標になっていて、まだまだこれからも頑張っていかなければという思いがあります。何年歌ってきても、常に前を向いていられるというのは、本当にすばらしい環境だと思います。

──収録曲は、どのようにして選んでいったのでしょうか?

米倉 まず、シングルの表題曲はすべて入れることにして、そこに配信シングルでまだCD化されていない曲を加えました。それから、今年1月に開催した25周年のオンラインライブのために、「全曲選抜総選挙」と題して、ファンの方からの人気投票をおこなったんです。ライブでは、その上位20曲を披露したんですが、今回のベストの収録曲選びにも参考にさせていただきました。


──米倉さんご自身は、ファンの方によるランキングについて、どのような感想を持たれましたか?

米倉 ファンの方の好みを知るうえで重要でしたし、意外に思った部分も少なくありませんでした。たとえば、第1位はデビュー曲の「嵐の中で輝いて」(OVA「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」オープニングテーマ)が順当に来ると思っていたんですけど、「WILL」(TVアニメ「仙界伝 封神演義」オープニングテーマ)とずっと票数が拮抗していて、結果的に「WILL」が数票という僅差で1位になったんです。それから、最近の仕事であるPCゲーム「9-nine-」シリーズのオープニングテーマが上位にランクインしてきたのもうれしくて。往年の曲ばかりではなく、2010年代後半の新しい曲にも興味を持って、私のことを応援してくださる方がいるというのは、大きな発見でした。中には「9-nine-」から私を知って、「米倉さんって、ガンダムの曲も歌っていたんですね」と驚いてくださる若いファンの方もいらっしゃって。そういう新鮮な反応を見ると、こそばゆい気がしました(笑)。

──25年という時間の長さを感じますね。

米倉 自分が歩んできた道や歌ってきた歌はもちろん大切なんですけど、新しいファンの方の存在は本当にうれしいですね。自分の細胞が分裂して新たに生まれ変わるような感覚で、次のステージに進んでいきたいという思いで、デビューからずっと、自分の歌をどうやったら刷新できるかを考え続けてきたので、一番新しい私が一番成長している状態なんです。

──「25 YEARS AFTER ~All Time Best~」は最後に新曲が収録されていて、最新の米倉さんの歌を聴くことができます。この曲については後に回して、まずは、米倉さんの25年の歩みについてお話をうかがっていきたいと思います。

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